《妹はこの世界でただ一人の味方》

「そういえば・・・君は誰の兄なんだ?」

今更ながら校長が學に向かって言ってきた。

「霧崎 結だ。」

「霧崎!? あなた霧崎と言いました?」

學はそいつを見たときドン引きした。

(何だよこいつ。筋ありすぎだろ・・・。)

「言ったがなんだ?今から話をするんだ。どっかいけ。」

うざったらしいのでどっかいけと言った學だったが次の言葉で愕然とした。

「霧崎は今日で學校を卒業まで休むと言ってましたが・・・。ご存知でしたか?」

「は?結がそんな事を言ったのか?」

うーん・・・。結がそんな事を言うようになったのか・・・。火事の事を気にしてるのか?何にせよ都合がいい。

「筋先生。結は病気で死んだとクラスメイトに伝えろ。まあ事が終わったらまた戻らせるつもりだが。」

「いいのか?」

「ああ。また學校に來たときどんな反応をしていたか教えてくれ。」

「・・・不本意だが了承した。それでは校長先生。失禮します。」

は授業に向かった。校長から聞いたがあれでも數學科らしい。・・・人は見かけによらないとはこの事を言うんだな。

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校長室に案された俺は席に著くと直ぐにリュックの中からパソコンを取り出し、小型カメラで撮った畫、マイクの音聲、火事の中で撮った畫を見せた。ここで初めて校長たちは學の言葉が本當だと知った。たちというのは副校長もいたからだ。

「見て分かると思うが今朝の朝刊に載ってた火事はこいつらのせいでもある。」

「これは・・・。大変ですよ校長先生! 」

「そうだな。急いでこの生徒達を呼んで來てくれ。」

飛び出していこうとする副校長を學は呼び止めた。

「いや、その生徒達は呼ばなくていい。そいつらの親を呼べ。あと、その親の資料も。」

「・・・副校長先生頼みます。」

「分かりました。しばしお待ちを・・・。」

出て行く副校長を見て俺は校長に目を向けた。そして聞いた。

「學校側は俺に協力してくれるよな。なくとも犯罪者の言う事を聞くなどとは言わないよな。」

「・・・そうですね。全面とは言えませんが出來る限りはあなたの味方をするつもりです。表面上は公平ですが。」

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「ならいいんだが。」

として十分後くらいで副校長が戻ってきた。手には4枚の紙があった。

「ほら。これが保護者の紙だ。校長先生に謝しろよ。本來なら「うるさい。」・・・。」

この學校の紙には保護者の経歴、職業などが書かれている。親が三流の學校を出たと書いてあってもそれが出回ることもない。厳重な管理のもとに置いてある。俺も結學するとき親戚の家の人の真似をして書いてたな。ちょっとした犯罪を思い出しながら見ていたところ、その四人の保護者は大手の會社に勤めている事が分かった。しかも全員両親が共働きという。それを見たとき俺は黒い笑みを浮かべてただろう。

ー1時間半後ー

4人の母親全員が集まった。あいにく父親は全員仕事を抜けれなかったらしい。しかしどいつもこいつも・・・睨みつけて來て怖いなぁ。

「校長先生! 何ですか仕事中に! 一大事だと言って駆けつけてみればこんなガキ1人と向かい合うように座らせて。」

最初に沈黙を破った保護者Aに続いてB、C、Dも賛同の聲を上げる。え?真面目にやれって?・・・だってどいつがどいつの保護者か知らないし。

「まあまあ皆さん落ち著いてください。」

次はCが怒鳴った。

「私たちはみんな夢のために頑張って仕事をしてるんですよ! 私は海外旅行。鈴さんは家のリフォーム。幸さんは老後の貯金。楓さんは自分の店を建てるために! あなたもくだらない事で呼び出されたんでしょう! さっさと帰りましょう!」

怒鳴り散らすCに俺は一言呟いた。

「うるせぇ。」

やはり反応する保護者達。Bが怒鳴って來た。

「あんた今なんて言ったの!?」

一度で聞き取れねぇかな・・・。

「うるせぇと言ったんだババア共。はっ! 夢のため?ふざけてんの?」

「ふざけてんのはあなたよ! だいたい何なのあなた!? お金を稼ぐのがどれくらい難しいか分かってるの!?私はねかれこれ10年くらい働いているけどまだ貯金は二千萬くらいしかないの!あなたには分からないでしょうね!」

Dが怒鳴ったせいで唾が・・・。

「ああ。分からないな。これを見ろよ。」

そう言ってリュックの中から俺名義の通帳を見せた。それを見た保護者達は目を大きく開けた。

「俺には分からないなぁ。どうしてそんなに必死になって金を集めているのか。そこのお前はいいが、他の奴らも二千萬以上貯金はあるのか?」

次々と當たり前と言う保護者達。言質はとった。ここからが本番だ。

「さて。まず最初にお前達を呼んだのは俺だ。おおっと!質問は俺の言い分が終わった後全て聞こうじゃないか。あればな。・・・ここに來てもらった理由は1つ。この畫を見てもらおうか。」

そう言ってパソコンを保護者達に見せつけた。最初馬鹿にしていた保護者だったが次第にが震え始めた。

「これを裁判にかければどうなるんだろうな?あそこにはデパートを建てる予定だった。それの損失となると何千萬じゃ済まないぞ。」

ここで校長が口を挾む。

「君もこんな話をするくらいなんだから何かあるんだろう?」

ナイスだジジイ! ここからが渉地點だ。

「ああ。一家庭につき二千萬。びた一文まけない。期日はこの後すぐだ。1人でも払わなかったらすぐに裁判にする。どうだ?もちろん全員払った時點でこの畫はあんたらにあげるよ。」

するとCが怒鳴り散らした。

「ふざけないで! そんな大金渡すわけないでしょ!」

「ならデパートの責任者と組んであんたらを完全な地獄に突き落としてやるよ。勘違いするなよ。これは俺の慈悲があってこその話だ。機嫌を損ねるとどうなるか分かってるのか?・・・それを踏まえた上でもう一度聞こう。

一家庭につき二千萬。払うか払わないか。どっちだ?本來であれば全人類で一番のである結を殺そうとしたら數億ですむような問題じゃないんだぞ。けど流石にそれは結が困るだろうからそんな額にしてやってるんだよ。さっきは俺の慈悲と言ったがあれは違った。結が優しいから助かってるんだぞ。」

後半の方は校長含めてドン引きしてたが関係ないな。そういえば結今どうしてるんだろうな?

どうやら結のことを考えている間保護者達は意見が決まったようで、払うことにしたみたいだ。まあ當たり前だな。

「なら銀行行って戻るから・・・1時間後にここに集合だ。1秒も遅れるなよ。校長もこれで話を終わらそうとするがいいか?」

「まあ・・・そうですね。お子様達によ〜く注意をしておいてください。」

「と言うことだ。早く行った方がいいんじゃないのか?」

そう言うとすぐに校長室を飛び出した。

いなくなったのを確認して俺はリュックから前に引き出した1000萬のうち50萬ほどを摑んで校長に渡した。

「これは?」

「部屋の使用料とでも思っといてくれ。」

「流石に貰えませんよ! 」

「・・・じゃあ何かできる限り1個だけ願いを聞くというのは?借りを作るのは好きじゃないんだ。」

「そうですね・・・じゃあ霧崎 結さんを學校に來させて下さい。今すぐにとは言いませんが、いずれは來させるようにして下さい。」

「分かった。約束しよう。」

この時の俺はまだ知らなかった。その約束が果たされることはなかったと。

ー50分後ー

予定より十分早く集まった。お金の確認はしなかった。ある程度あればいいと思ってるし。金をしまいながら保護者達に話しかけてみる。

「次ゆ結いを殺そうとしたら話は無しだ。最初から裁判にする。」

最後に校長の話があって終わった。俺はすぐに銀行に行って6000萬を結の2000萬を俺の通帳にれた。

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以下作者のコメント

いや、ほんとすいません。昨日投稿することが出來ませんでした。言い訳をすると、月水金が塾で火木が部活。土曜日が學校で日曜日がテストってなってたんですよ。先週書きだめが出來ませんでした。すいません。

次は結サイドの話を書こうと思います。

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あ、言い忘れてました。フォローして下さる方が増えてきました。有難う座います。

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