《妹はこの世界でただ一人の味方》運転手
「父さんが死んだ時産の話し合いになったんだ。親戚はよこせと言ってきたが俺はそれを拒否した。そうすると結を引き取ると言い出した。もちろん俺は結がどんな目にあってたか知っていたからそれも拒否した。・・・そしたら毆っり、蹴ってきたんだ。だから俺は産を渡す代わりに今後一切俺ら兄妹に関わるなと言ったら承諾してくれたんだ。・・・父さんの知人に生活費を貰いしばらく過ごしていたが高校生になり、學校にるとすぐに辭めたんだ。分かっていると思うが俳優だ。さっきは噓をついてごめん。そこで働いて借りていた金は返し切ってるし、今は結が將來苦労しないように貯金してるところだ。・・・俺は結に噓までついて仕事をしていた。それのついてあれこれ言いたいのは分かる。けど何も言わないでくれ。結が幸せになってくれたら俺はどんなに不幸でも良いんだ。」
とりあえず自分の気持ちを言えたことに一安心だな。結も何も言ってこなかったし。
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けれど結はすぐに追求してきた。
「私はお兄ちゃんが幸せになってくれないと幸せになれない。」
「え〜・・・。だって結がいたら俺は幸せだしなぁ。」
「じゃあ私もお兄ちゃんと一緒にれて幸せ。」
「いやいや、そう言ってくれるのは嬉しい限りなんだけど、本當に嬉しいんだけど結に何もしてあげられてないじゃん。むしろイラつくような相手だろ。」
「お兄ちゃん・・・。お兄ちゃんは全く分かってないよ。」
「何が?」
「私はねお兄ちゃんが學校を辭めて仕事をしてると聞いた時は本當に怒ったんだよ。でもね、私のためにも働いてくれるってと思うとすごく嬉しかったの! 最低なのは分かってる。・・・お兄ちゃんの人生を狂わせた私がこんな事を言うのはおかしいのかもしれないけどお兄ちゃんは私を置いて一人暮らしをするべきだと思う。」
結と離れたら死んじゃうよ!ノゲ◯ラの空白の2人ではないけど一緒にいたい。
「どうしてか理由を聞いていいか?」
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「私が邪魔なんでしょ?・・・だからさっだと出て行かないといけないんでしょ?」
ああ、今にも泣きそうな結。かわいいがそんな事は後ででいい。結が邪魔?誰だそんな事を言ったのは?
「俺が結のことを邪魔なんて思うはずがないじゃないか。この世でたった1人の妹なんだぞ! 」
「だって!私がいじめられているのを知って親戚の家に行かせようとしたでしょ! だからっ・・・私なんかいない方が良かったんだって・・・そう思ったの。」
「あ〜。それはゴメン。あいつらは金さえ渡せば言うことを聞くやつらだからお金を渡せばと思ったんだ。」
「私は一緒に住みたいの! 一緒に過ごしたいの! 一緒にいさせてよ・・・。」
「分かったよ。ごめんな結。俺1人で々決めようとしてて。」
「私も怒鳴っちゃってごめんなさい。」
こうしてお互いの気持ちが分かり合えたと思った瞬間家が揺れ始めた。最初は小さい揺れだったが、次第に大きくなってきた。
「結!テーブルの下に隠れろ!」
俺たち2人はるようにテーブルの下に潛った。待つこと10數秒。揺れが収まった。家の中はタンスや食棚が倒れていて歩くのも危ないだろう。
「ちょっと待っててくれ。外の様子を見てくる。」
結構大きな地震だったからな。何かあったらすぐに行しないといけないな・・・。
學はそう思い、食の破片などに気をつけて玄関をくぐった。その目に見えた景は近所・・・いや、地球とは思えない空間だった。學が佇んでいるのを見て結は疑問に思い、自分も行って見ることにした。そして結までも言葉を失った。
そこに見えたのは家が一軒だけあり、他には何にも無い空間だった。見える限りでは全てがねずみであり、空も曇っているようなじだった。
「お兄ちゃん・・・。」
先に口を開いたのは結だった。微かながら震えていた。學はそれが怖いという気持ちの表れだと知っている。だから黙って手を繋いだ。すると結の震えは収まり、靜かにお禮を言った。
「ありがとうお兄ちゃん。」
「大丈夫だよ。それよりどうする?・・・俺が幻を見てない限り家が一軒しかないんだが。」
「それは私もだから大丈夫。」
何が大丈夫なのか全く分からないけれど今やれる事は2つだろう。1つ目はあの家にる。もう1つは自分の家に戻って過ごすか。・・・結論は出てる。けどもう1人では決めない。
「結。どうしたいか意見を聞かせてくれないか?」
「私はあの家にった方がいいと思う。今私たちの家に戻っても何もできない。なら危険はあってもあの家に行くべきだと思う。」
「さすがは俺の妹だな。考えていることが同じだ。」
ならばちゃっちゃと終わらせようと思いった瞬間甘い匂いが周囲に漂った。そして1人の老人がいた。けれど學はこの老人に見覚えがあった。
「あんたは・・・タクシーの。」
「おお。覚えていてくれたのか。嬉しいもんじゃのう。」
「あの時は助かった・・・って違うだろ! どうしてここにいるんだよ!?」
「ふむ。あんまり急かすんじゃない。まずはこれを見といてくれ。」
そう言って近くにあったテレビの電源をつけた。そして映っていたのは俺たちの家だった。
「これがなんだって言うんだよ。」
「まあし待っとれ。もうすぐじゃぞ。」
渋々テレビに視線を戻す學だったがその瞬間発が起きた。そに発は周囲を巻き込むほど大きなものだった。
「なっ!」
「お兄ちゃん・・・これって・・・。」
「お主たちもづいているじゃろうが命を狙われていたんじゃよ。理由はあえて言わんが、そういうことじゃ。」
「結落ち著け。なあ。これが本當だっていう証拠なんてないだろう。そこらへんどうなってるんだよ。」
學はあくまで作りだと言い張ってはいるが、本心では気づいていた。こんな場所に連れてくる力があるのなら、今のビデオも信用が増すだろうと。
「殘念じゃが信じてくれと言うしかないのう。」
「分かった。仮に本當だとして俺らがここにいるのはおかしいだろう。」
結もその言葉を聞いて縦に首を振っている。・・・お気づきだろうか?この兄妹。適応能力が非常に高いのだ。そのためこの狀態になってもすぐに落ち著いた。
「そこが問題なんじゃよ。お主たち2人は生まれてきてから珍しいことに悪さをしたことが無いんじゃ。お互いがお互いの事を考えていてな。高校を辭めたことは悪い事では無いぞ。學校に行けない子供達もたくさんいるからのう。ワシには大した力もなくお主たちを命から救うことしか出來なかったのじゃ。」
命救うってそんなことで片付けるほど軽く無いような気がするけど
「いやいや。命救ってもらったら十分だよな結?」
「うん。あとは戻すだけだしね。」
「あー。それなんじゃが・・・無理なんじゃよ。」
「「・・・」」
つい黙ってしまった。しょうがないだろう。いきなり帰れないなんて聞き間違えたんだから。
「力があればなんとかなるんじゃろうが・・・さっきも言ったがあいにくワシには大した力が無くての・・・。すまん。」
帰れないか・・・。いや待てよ。
「なあ結。別に帰れなくても大丈夫だよな?」
「うん。むしろお禮を言いたい。」
だよなぁ〜。あんまりいい思い出はないからな。ここで過ごすのもあっちで過ごすのもあまり変わらないと思う。
「そうか・・・。そう言ってくれるとこちらも助かるのう。どうじゃ?ここで話があるんじゃが。」
「「??」」
もしかしてお約束展開か?
「しばかり手助けをして違う世界に転生させることも可能なんじゃが。もちろんここに住むのでもいいんじゃが。」
「どうする結?」
「私は異世界でもお兄ちゃんが一緒にいてくれたらどこでもいいよ。」
「結が可すぎる・・・。なあ爺さんもそう思うよな。」
「そうじゃの。お主のことをだいぶ信頼してるようじゃな。」
「結〜。可いなぁ。あ〜。いい匂いだぁ。」
信頼していると聞いて結のを抱きしめて匂いを嗅いでいるといい匂いがしてきた。なんだろうな・・・イチゴの匂いだな。結ごと食べたい・・・。
「あ、異世界の転生で頼む。最初から結と住みたい。」
「・・・理由はともかく転生でいいのじゃな。何か荷はあるのか?」
「ああ。ちょっと待っててくれ。」
俺はそう言って一度家に戻った。後ろに結もついてきて、お互いに必要なものを集めた。といっても俺はバッグを持つだけだけど。結も1分で支度を終わらせたみたいで、手には昔俺が作ってあげた手提げ鞄を持っていた。・・・まだ使ってるのか。
「準備できたぞ。」
「うむ・・・。荷が多いのう。ほれ。この薬を飲みなさい。」
そう言って渡してきたのは白い丸狀のものだった。怪しさ全開なんだけど・・・。
「疑う気持ちも分からんではないが食べてみてくれ。」
意を決して2人同時に食べた。・・・何も起きないな。
「心の中で《アイテム》と唱えてみなさい。その後しまいたいか、取り出したいかを思うのじゃ。今回であったらしまう方を考え、その対象をリュックと考えるとそれが収納されるんじゃ。」
疑心暗鬼で試してみると本當に消えた。
結は顔だけで驚いていたが俺はんでしまった。
「おお! すごいなこれ!取り出す時はどうするんだ?」
「取り出したいを思い浮かべるだけじゃ。収納しているものを忘れてしまうこともあるだろうから《アイテムオープン》と言うと何があるか分かるようになっとる。」
俺はとりあえずエアガンを心の中で思い取り出そうとした。するとすぐに撃てるように握られたまま手に収まっていた。いや、やばいなこれ。
「そのスキルの名前は《収納》じゃ。お主らが行く世界ではどんな赤ん坊でも持っておるぞ。容量は人によって違ってくるがの。」
「俺らの容量ってどれくらいなんだ?」
「まだレベル1じゃが、一般人よりし多いくらいじゃな。ただし、レベルを上げればもっと増えるぞ。」
それでも多い方なのか・・・。
「ならいいかな。・・・結。何か聞きたいことあるか?」
「あっちの世界の常識とか聞きたい。」
「常識・・・。そうじゃのう〜。魔王と戦っている人達が多いのと、それを支援する貴族たちが多くいて、それを侮辱する人は罰せられるということくらいかのう。あとは基本地球と同じじゃ。」
「分かった。ありがとう。」
「大丈夫じゃよ。もうないかの?」
「あ、後最後に1つだけ。お金ってどうすんだ?」
「おー!忘れとった。すまんな。お主にはもう一つ薬をやろう。飲んでみなさい。」
俺はさっきの事もあり、最初の抵抗はなく薬を飲んだ。やはり飲んだ後も特に変化はなかった。
「心の中で《我の金よ 今ここに》と唱えるのじゃ。それで出てきたものを作すればいいのじゃ。お金は日本円のままで使えるから心配はいらんぞ。」
唱えた後に出てきたのはATMだった。たしかに使い方は分かっているが、まだリュックにっていた1000萬があったから當分は使わないな。
「さて他にあるかな?」
「俺は無い。結は?」
「私も。」
「じゃあ始めるぞ。・・・どうかこんなことしかできないワシを許してくれ。」
「何言ってんだ。謝しかないぞ。」
「同。ありがとう。」
「お主らも達者でな。」
その言葉が最後、視界が白くなった。
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以下作者のコメント
やっと転生できました。ここまでの道のりは長かった。
今日の夕食は鍋でした。味しかったですよ。最後の締めにラーメン食べてお腹いっぱいです。
そういえばふと疑問に思ったことがあるんですよ。作者はフォローしてくださる方がいると嬉しくて早く投稿しようってなるんですけど、なかなか投稿しない人ってどうなんでしょうね。書籍化されてる人は忙しいでしょうが、そうでない話は早く投稿してしいと思います。
 
最近寢てないですね。今日徹夜したら三日間になるので今日は寢ようと思います。ではまた。
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