《妹はこの世界でただ一人の味方》寫真たて

これはまだ異世界転移する前の話ーーー

霧崎家・・・といってもここに住んでいるのは2人の男だけだ。

男を霧崎 學。 17歳だが、俳優をして妹との生活費を稼いでいる。ちなみに妹にはにしている。頭はよく、妹から天才と言われた。重度のシスコンで妹を神級のしさと呼ぶほど。貯金額は2億を超えている。

を霧崎 結。13歳の秀才。コツを摑むのに時間はかかるが、摑むとすぐに覚える事ができる。兄の學が教えるのが一番早い。異世界に行く前は無表が多いが、実は重度のブラコン。兄ほどカッコよく優しい素晴らしい人間はいないと呼ぶ。

そんな二人が過ごすある日の大晦日。

コタツにりながら會話をする兄妹がいた。言わずとも分かるだろう。學と結だ。

「結。今年も一年お疲れ様。」

「お疲れ様です。」

うん。普通の反応で何よりだ。特に隠し事をしてそうなじもしてないし。

「気が早いようだけど元旦は初詣にでも行くか?去年は結が熱を出しちゃってそれどころじゃなかったしな。」

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あの時は本當に大変だった。なんたって熱が

「大げさすぎですよ。たった37度6分でしたよね。」

そう。37度6分だ。

「何をいっているんだ?染癥狀では37度5分から発熱に分類されるんだぞ。しかも結の平均溫は36度2分のはずだ。一度上がるだけでも相當しんどいだろ?見ててすぐ分かるよ。結だしな!」

隠し事ができるはずがない。なんたって365日毎日顔を見て、嬉しい時も悲しい時もいつも一緒にいるのに気づかないはずがないだろう。

「どうしてバレるんですか・・・。」

「ふ・・・それは俺が結しているからだ!」

「っ〜〜...!う〜・・・はぁ。それよりミカン新しく持って來ましょうか?」

あ、もう無くなってたのか。コタツにりながら食べるミカンは格別だねぇ。

「俺が取ってくるよ。近いし。」

あ〜・・・コタツから出たくない。けど結も待ってるんだ。行かないと・・・。う〜寒い・・・。今何度だよって10度か。室溫で10度って低くないか?

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それはさておき、ミカンは何個持って行こうかな?

「結! ミカン何個食べる?」

「3個くらいでいいです。」

3個か。じゃあ俺も3個でいいか。・・・・・・やばいな。5個しかない。俺が2個でいいか。結がそれを許さなそうだけどな。

「ほい。これが最後になっちゃったから明日買ってくるよ。どこかやってる店あるかな?あとで調べておこう。」

「5個?」

やっぱり変なところで突っかかってくるな。

「うん。結は3個食べていいぞ。俺はニコでいいから。」

「いや、私が2個でいいです。3個食べて下さい。」

「いやいや、さっき3個って・・・。」

「言ってません。」

こりゃダメだな。俺も結も引かないやりとりになる。俺はこういう場合の対処法をすでに學んでいる。恐れることは何もない!

「よし。じゃあ二人とも2個ずつ食べて殘った1個を半分にしよう。それなら大丈夫だろ?」

「はい。」

無事爭いが起きる事なく終わったな。こんなめでたい日に喧嘩なんてしたくないからな。

「あ、そうだ。結局初詣行く?」

「どっちでもいいですよ。」

はそう言っているけど、顔には面倒くさいと書いてあるんだよな。本當に優しいやつだな。

「俺個人としては困ってるやつを助けもしない偽善な神より、目の前にいる正真正銘の神に祈れるからな。神社には行かなくていいと思ってる。あ。でもそれだと結が祈れないな。・・・よし。結は俺に祈れ。何にも五利益なんかなさそうだけどとりあえず。それでいい?」

完璧だ。結が行きたくない意見と俺が堂々と結に祈れる権利を同時にもらえる素晴らしい計畫だ。誰にも止められはしない!

「・・・・・・。」

は黙ったままだが、これは照れているだけだ。言葉が続かないとすぐに黙っちゃうからな。そこが可い!まだまだ子供なんだから反抗してもいいのに・・・お兄ちゃんはだよ。こんなに素晴らしい妹がいることを自慢できるほどに。

「そういえば結。テレビってしい?無いと學校の友達との話についていけなくなることとかあるんじゃないのか?」

は俺の方をしだけチラリと見てまたみかんに目を落として言った。

「いりません。ていうか必要ないです。」

何か噓をついているな。・・・隠したいことなんだろう。なら俺はそれを言ってくれるまで待つだけだな。

「そうか。・・・いつか相談してくれよ。今すぐじゃなくていいから。」

「・・・はい。」

そこから20分ほどは無言の雰囲気が続いた。気まずく、コタツから出れるような雰囲気ではなかったので二人とも自分の手を見たり、相手を見たりしていた。時々目があい、目をそらしたりしていた。

PM11:50

ようやく學が口を開いた。

「そういえばお年玉っていくらしい?10萬くらい?」

「いりません。っていうかそんなお金貰っても使うものがないです。」

それもそうか。中學生で10萬円って気軽に使えるものじゃないだろう。いや、案外使ってるやつもいるのか?どうせゲームとか友達とショッピングとかなんだろうけど。

「10萬はともかく、1、2萬円はあった方がいいんじゃないか?何かあった時用に。」

「いりません。買いたいなんかありませんから。文房とかもこの前揃えたばっかりですし。」

「そうか・・・。」

俺からしたらもっと友達と遊んでしいもんだが・・・結がいらないというなら深くは言わないようにするか。

「なんか不便じゃないか?」

「何がですか?」

「いろいろ。テレビもないし、新聞も取ってないし、自転車とかもない。本が多いくらいじゃないか?この家にあるのって。」

ほんと何もないな。もっとボードゲームとかでも買ってくるべきか?ボードゲームには判斷力、理解力、論理的思考力がにつく素晴らしいものだからな。やっぱり買うべきか?

「それだけあれば十分です。」

「無理してないか?金はまだあるんだよ。まだ中學生の結が無理をする必要はないんだよ。」

「じゃあ明日おしるこ作って下さい。」

「分かった。」

ボードゲームなんかより俺の料理を選んでくれるのは嬉しいんだけど・・・やっぱいいや。こんな時間が長く続くといいなぁ。

AM0:00

「あけましておめでとう。」

俺たちはただのパジャマで年を越す。和服もあるっちゃあるけど著るのがめんどくさくて著てない。ちなみに結も同意見だ。

「あけましておめでとうございます。」

・・・することなくなったな。おしるこ作るにしてもまだ早いしな。

「寢る?」

「はい。」

夜更かしは容の敵というしな。俺はいいけど結は可いままでいてしいな。

AM5:30

寢付けない。いや、もうこんな時間になったら寢ないけどさ。どうして今日に限って寢れないんだよ。

さて・・・おしるこは朝に出そうか?いや、朝はおせちも食べるからな。

うーん・・・。朝でいいか。寢起きは溫が高いせいで室溫が低いと余計に寒くじるからな。早めに溫めておいた方がいいだろう。間に合わなかったら抱きついておこう。・・・決してやましい気持ちはないぞ!

鍋に水とあんこ、塩とみりんをぶち込んで火にかけるっと。あとは泡立てを使って混ぜるだけ。最後に餅をれて終わり。・・・うん。いい香りだな。あんこの香りが部屋に充満してる。

「・・・うぅぅん。おはようございます。」

「お、おはよう結。さっそくだけど寫真を撮ります。3・2・1 はい。チーズ。」

バシャ

うん。さすがは結だ。俺の腕前がダメなのもあるが結しさを完全に引き出すことが出來なかった。

「・・・なんで撮ったんですか?」

どうやらお気に召さなかったようだな。

「結を撮るのに理由なんていらない。何か理由をつけろと言われたら結が可くて可くて仕方ないから撮ったとしか言えないな。」

「・・・あっそ。」

なんだかんだで許してくれるんだよな。そして冷たい結も最高!・・・ドS結に罵られてみたい。

「朝ごはんはおせちだけどおしるこはいつ食べる?」 

「今食べます。どうせ〈寢起きは冷えるから今作っておこう〉っていうじで作っていたんですよね。」

「おお! 良く分かったな。流石は俺の妹だな。」

そう言って學は結の頭をでた。結は恥ずかしそうにしながらもなされるがままだった。顔を赤らめ目を瞑った結を學はシャッターチャンスだと思い、迷わず撮った。當然恥ずかしい顔を撮られた結は別の意味でまた顔を赤くした。

「今すぐ消して下さい!」

「ダメだ!絶対に消させないぞ! これは今度リビングに飾るんだ!」

「えっ!? 絶対に消します!」

消させはしない! 俺は逃げ切る。そしてあわよくば結る! 決して癡漢などではない! 

ってうわ!危ねぇ・・・いきなり手を出すなよ。危うく取られるところだった。

その後も2人の爭いは続き、學がテーブルに足をぶつけ、その一瞬の隙で結がカメラを取り返した。しかし、その勢いで躓いて転んでしまいカメラを押しつぶすじに倒れてしまった。肘にカメラが當たり、パキッという音がした。

「結。大丈夫か!? 怪我は・・・あ! が出てる。早く止をしないと。でもその前に消毒だ! ガーゼも用意しないと。」

學は急いで棚からガーゼと消毒を取り出して、結のところに向かった。

「結。痛いかもしれないけど、し臺所に行って水ですすいで來てくれないか?早くしないとバイ菌が。」

「はい・・・。」

學は結を臺所に連れて行き、水ですすいだ。

「痛っ!」

「ごめんな。早く終わらそう。」

慣れた手つきで消毒をつけ、ガーゼで拭き取り、絆創膏をった。

「大丈夫か?他に痛むところは?多分新年だから病院もやってなさそうだからどうしようもないんだけど。」

「大丈夫です・・・。ごめんなさい。」

ん?

「どうして謝るんだ?」

は何も悪いことなんてしてないよな?

「迷かけてしまって・・・。それにカメラも。多分もうレンズが割れて修理に出さないと・・・。昔から使ってるの知ってるので。」

なぁんだ。そんなことか。

「いやいや。結が謝ることじゃないぞ。それに悪ふざけしたのは俺なんだ。こっちこそごめん。怪我を負わせちゃって。兄として、人として失格だな。」

あれ?なんか俺なんかいなくても大丈夫じゃね?こんなクズみたいな人間なんか世の中にいりませんよね。

「私が悪いんです。過程はどうであれ結果は私が壊したんだから。」

うーん。これはなかなか引いてくれなそうだな。完全に俺が悪いのに。

「じゃあ結が本當に悪いと思ってるなら俺のスマホで一緒に寫真寫ってくれないか?2人の寫真ってあまりないからさ。」

俺がここで強調したのは〈本當に悪いと思ってるなら〉だ。きっと結は俺に遠慮してそう言ってるに違いない。結は優しいから自分だけ我慢すればって気持ちになりやすいんだよな。だから俺はあえて斷るこの條件にしたのだ。

「・・・はい。いいですよ。好きなだけ撮って下さい。」

ってあれ?斷られなかった。これは予想外。でも寫真を撮っていいって言われたら撮るしかないね。

そこから朝食のおせちを食べるのに2時間かかったらしい。

1月2日AM1:00

はトイレに行くため夜に起きた。隣の部屋で寢ている兄を起こさずに忍び足で移した。途中昨日買ってきたミカンの箱に躓きそうだったが、ギリギリのところで回避した。トイレの電気をつけると微かにれる。そのはある寫真たてにも當たり、それの金屬部分がった。

(何だろう?あんなところに何かあったかな?)

近づいて見てみるとそこには昨日の朝2人で撮った寫真があった。學が抱きついて結がそれを剝がそうとしている場面だった。2人とも微かにだが笑っているのも見てとれる。

は寫真たてをそっと元の場所に戻し隣にいる兄の姿を見た。そして小聲で

「これからも手のかかる妹ですが、よろしくお願いしますね。・・・いずれは同じくらいのステージに立てるようにしたいな。學くん。」

そう言って手を摑むのだった。

五分ほど堪能した後トイレに行き、用を足すとすぐに意識を手放した。

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以下作者のコメント

新年明けましておめでとう座います。作者は初詣とかは人が混むので嫌いです。・・・行きますけど。さてさて、今は長野の親戚の家にいるんですが、Wi-Fiがない! 通信量がかかりすぎて、ちょっと投稿が出來ないです。これは元々作ってたので出來るんですけど。

作者の一ヶ月の通信量は1Gバイトなんですよね。貧乏なもので。それは置いとき、外でスマホを使わないんですよ。初期化したのもあって。基本ダウンロードした電子書籍しか読まないのでいらないんですよ。

2018年が読者様たちにとって良い一年でありますように心から祈っております。

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一応

言わなくても分かってると思いますが、本編とは関係ありません。

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