にの空いた3の悪魔の死を悲しそうに見つめる父の姿を天音は見た。生き殘ってしまった。生きてしまった。「お前だけは生きろ。お前が死んでしまえば、俺は俺が守りたいもののために戦えなくなる。俺がもっと早く來ていれば、こんなことには...」天音の父である灰音はそう言った。天を見上げながら、灰音の目には今にも溢れ出そうな涙が溜まっていた。いくら悲しんでも亡くなった命は戻らない。弱強食であるこの世界を生き抜くには、強く在らねばならない。これは齢15歳の年が知った世界の構造。「強くなれ、天音。俺らの家族をめちゃくちゃに壊した悪魔共に復讐をするため。」灰音はそう言うと、腰に掛けていた予備の刀を天音に渡した。「今はこんなものしかないが、夜を明かすためにはそいつが必要だ。俺の後ろから離れるなよ？」天音はコクンと頷くと、目に溜まった涙を拭いながら灰音の後に続いた。「父さん、僕らは一どこに向かっているの？

」真っ暗な夜道を迷いなく進んでいく灰音に、天音は訪ねた。「戦士の育所だ。」

戦士、それは悪魔を殺す者。500年前突如現れた悪魔達に対抗した者達が設立したものだそうだ。何人もの犠牲を払い、悪魔を殺す方法を見つけ出した。戦士には階級があり、下から「弱」「中」「上」「天」「滅」となっている。弱の戦士は上の戦士の傍につき、技を學ぶ。技を習得した戦士は中の戦士に昇級できる。技を極めたものは上へ、天と滅の階級は、限られた天才しか昇級出來ない。最上級の滅は、天才の中でも特に優れた天才。強い者。たくさんの悪魔を滅する者。