《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第1話
「ゲホッ! ゲホッ! レロロロロ………ッ!」
いきなりゲロ吐くこの年が、この語の主人公である。
「ウゲッ……気持ち悪………………???」
腹の中を全て吐き出し、両手両膝をついてorz狀態だった年は、呟きと共に顔を上げて言葉を失った。
先程までいたのは人混み溢れる海岸の沖だったはず。
しかし、今いるのは人っ子一人いない海岸だ。
「あれっ? ここどこ?」
目に映る周囲の見慣れない景に狀況が理解できず、年は先程までの嘔吐を忘れて疑問の聲を呟いた。
「…………確か、子供が…………? ……ぐっ!?」
頭の中の記憶を呼び起こそうとすると、砂嵐のように記憶の映像が途切れ、強力な頭痛が襲いかかってきた。
年はその痛みにもがき苦しみ、その場でのたうち回る。
「はぁ、はぁ、………………そうか……!」
しばらくの間もがき、痛みがようやく鎮まると、年は自分が今置かれている狀況を全て理解した。
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◆◆◆◆◆
松田啓、18歳、高校3年の夏休み、父方の伯父がやっている海の家を手伝いに來ていた時のこと。
「オイ、啓! 次はこいつを持ってってくれ!」
啓の伯父、松田大地が、出來たばかりの焼きそばを盛った皿を廚房から出して指示を出す。
今日はカラッと晴れた最高の海水浴日和。
お盆前だからか、沢山の人々が砂浜を埋め盡くすように各々海水浴を楽しんでいる。
そのため、晝時の海の家も大盛況。
バイトの啓は、大忙しで店をき回っていた。
「ハイよ!」
元気に返事をして、料理を運び、空いた席の食を手早く片付ける。
去年、一昨年も手伝いに來たので、この混雑にも慣れている啓は強力な戦力として働いていた。
高校の3年生といえば、進學者からしたら勉強で忙しい時期。
しかし、啓は高校卒業後、年の離れた兄同様父の工務店を手伝うことにしているので進學する気はない。
父には、兄と同様に大學なり専門學校なりに行ったらどうだと言われたが、子供の頃から大工として働くつもりだったため、ワザワザ進學するなんて時間が無駄な気がして仕方がない。
それに、その工務店も経営狀況的に芳しくないのも知っている。
出來れば両親の負擔を減らしたいという思いもある。
「ふ~……、疲れた」
3時近くになってようやく一段落ついた啓は、店の外でジュースを飲みつつ休憩をとっていた。
「おいっ………」「…………あれ!」
「ん?」
啓がのんびり海を眺めていると、店の近くの海水浴客たちが何だか騒がしくなりだした。
その海水浴客たちが皆沖を指さしていることに気付き、啓もその方向に視線を向ける。
「あっ!?」
沖を見て驚いた。
視線の先には年がいて、バシャバシャと溺れていた。
それを見た啓は、考えるよりも行を開始していた。
「チッ! ライフセーバーがどうしていないんだ?」
周囲を見渡すが、いつも海岸を監視しているはずのライフセーバーがいない。
そのことに舌打ちして近場の浮きを拾い、啓は著ていたTシャツをぎ、ハーフパンツのズボンはそのままに海へ飛び込んだ。
「ボウズ! もうし待ってろ!」
毎年のようにこの海に來て泳いでいたので、泳ぎに自信があった啓は、あっという間に年の近くまで泳ぎ、聲をかけつつ近寄っていった。
「ほらっ!! これ使え!!」
年はあまりの出來事でパニックになっているらしく、バシャバシャと暴れていた。
近づいて抱きつかれてしまうと一緒に溺れてしまうとじた啓は、持ってきた浮きを投げ渡した。
暴れていた年も、浮きにつかまると次第に落ち著いていった。
取りあえず難は逃れたようだ。
「すいませ~ん! 大丈夫ですかー?」
啓が年に浮きを渡せたすぐあと、ライフセーバーが1人こちらに泳いで來た。
年の発見が遅れたのは、酔っぱらいのケンカが起きていたためで、それを鎮めるのに人手が必要だったからだ。
1人しか來れなかったのもそのせいで、啓が浮きを持って泳いで行くのを見て、必要ないだろうと浮きも持ってきていなかった。
「…………俺はいいから、年をたのんます!」
「分かりました!」
軽く文句でも言ってやろうという思いもあったが、年の救出が優先だ。
啓は立ち泳ぎをしながら、年の乗った浮きを渡して、後はライフセーバーに任せることにした。
ライフセーバーは元気よく返事をして、年を連れて浜へ向けて泳ぎ始めた。
「っ!? やばっ……!?」
啓も後を追って浜へ向かおうとした瞬間、右足に痛みが生じた。
ハーフパンツのズボンをはいたまま、準備運もなしに全力遠泳したせいか、腓腹筋痙攣ひふくきんけいれん……つまりは攣つってしまい、今度は啓が溺れ始めてしまった。
しかも運悪く、痛みで反的にやばいと聲を出そうと口を開いた丁度その時、高めの波が啓を飲み込んだ。
海水を大量に飲み込んでしまった啓は、あっという間に海の底へと沈んで行った。
『クソッ! 折角人助けしたってのに…………』
海面がどんどんと遠くなって行くのを眺めながら、啓は自分が助からないとじながら、ゆっくりと意識を失っていった。
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