《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第31話
“ボッ!!”
「おぉっ!」
キュウの口から火柱が立つ。
1年ほど前くらいに、地道に続けた練習によって使えるようになったが、所詮はライターの火くらいだった。
それが、しの期間で火力が上がった。
「予想通りだ」
「……そうね」
ケイが実験的に始めたことが功した。
釣り上げ、陸地じゃほとんど無防備な魚を、毒を塗った釘で何匹か仕留めさせた。
毒で殺してしまった魚はさすがに食べられないので、焼卻処分した。
なんとなくだが、ただ生きの命を弄んでいるようにも思えて気が引けたが結果オーライだろう。
數匹を2、3日続けていたら顕著に結果が出た。
それもやはり、元が元だからだろうか。
花も期待していなかった分、驚きが隠せない。
「長がじられる限り、このまま続けていこうか?」
“コクッ!”
自分でも長をじられるからか、キュウも嬉しそうに頷いた。
「マルもやらせないとな」
この方法ならマルにやらせても平気なはずだ。
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そう思ったケイは、もう一本釘を用意した。
「せめてスライムくらい倒せるようになってほしいな」
西も合わせてこの島ではスライムの出現率が高い。
元々、どの大陸の、どの地域でもスライムは多く出現することで有名だ。
ケセランパセランが生まれてすぐ食べられるのも、もしかしたらスライムによる所が多いのではないだろうか。
それは良いとして、取り敢えずスライムが倒せるようになれば、更に上も目指せる。
「私も魔倒しに行った方が良いのかな?」
花もせめて追っ手を蹴散らせるくらい強くなりたい。
そのためにケイから魔闘のコツを教わったりしているのだが、魔力のコントロールは難しく、なかなか上達しない。
キュウの長を見ていると、魔闘を使えなくても強くなれるのではないかと思えてきた。
自分より強いケイが止めるのだから、ダンジョンに行くのは危険なのだろう。
豬や腕鶏のテリトリー以外に、聞いた話だと蟲の魔が出る森があるとケイは言っていた。
そこなら注意さえしていれば死ぬことはないだろう。
そう思って聞いてみたのだが、
「魔力の量とかはしは長するかもしれないけど、魔力のコントロールは練習でしか長しないよ」
何があったかは分からないが、花が強くなりたいと思っていることは理解しているつもりだ。
確かに、花が言うように魔を倒せば強くはなるだろう。
壽命が長いエルフの自分よりも、人族の花の方が長度は期待できる。
魔力の量とかも今より増えるはず。
しかし、それと魔力をコントロールをすることはイコールになっていない。
逆に、もしかしたら魔力が増えればさらに緻さを求められるかもしれない。
「それに花は探知とかできるの?」
魔闘を教えるにあたって、花の魔力コントロールがどれくらいだかを見せてもらった。
なんでも、日向の人間は魔法をあまり使わないらしく、ある程度技をつけてから魔力のコントロールを始めるらしい。
花も魔力コントロールの練習をし前から始めたくらいだと言っていた。
そして見せてもらったら、かなり遅い。
手に魔力を集めてと言えば2、3秒ほどかかって集められた。
何度かやってもらうが、毎回集める魔力の量もバラバラ。
5歳の時のアンヘルの方がコントロールが上手いくらいだ。
まぁ、そのアンヘルのおかげで碌に練習しなくても使えた自分が言えた義理ではないが。
そんな魔力コントロールでは當然長距離の探知も使えないだろうし、魔を探知することができないと、いくらケイが子供の時倒せたからといって、1人で行かせるのは心許ない。
「えっ? そういうのって覚で分かるじゃないの?」
「…………ワ~ォ」
「なんだその超能力?」と、ケイは頭の中で突っ込んだ。
もしかして、花は覚主義な脳筋タイプなのではないだろうか。
ケイの経験からしたら、教えるのが面倒なタイプだ。
細かい説明ではなかなか上達せず、結局自分で見つけた覚で上達するタイプだ。
前世でも、小學校の時スポーツができた方の啓だが、授業でバスケをした時、教わったことを練習してにつけていく啓に反して、人の話を聞いていないのに獨自で上手くなっていく友達がいた。
啓が秀才型なら、友人は天才型。
難しいことも、天才型なら簡単にできてしまったりすることに、どことなく不公平をじてしまう。
それでも、努力をすればその天才に追いつけるのだから、ケイも相當なものだと思う。
「探知が長距離使えるようになれば、ダンジョン以外で危ない目に遭うことはないと思うよ」
「へ~……」
どうやら花は聞く耳を持っているようだ。
ケイがやり方とメリットを教えると、良いことを聞いたと目を輝かせていた。
「刀での戦闘を得意としているのかもしれないけど、遠距離の攻撃もできた方が良いと思わない?」
「たしかに……、じゃあ、魔法も教えてくれる?」
「……うん」
ケイが一緒にいるのなら遠距離の攻撃は問題ない。
しかし、ダンジョンの罠などで花が1人になった時に攻撃手段は多い方が良い。
そう思って問いかけると、花も納得した。
なんか上目遣いで頼まれ、ケイは不覚にもドキッとしてしまった。
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