《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第42話
「……………………」
ケイは並んだ墓の前で目を瞑り、手を合わせる。
生き殘った5人の獣人たち、花とレイナルド、理解しているのか怪しいが、カルロスも同様だ。
この世界の場合、人の死を火葬するのが基本になっている。
死がアンデッドになったら面倒だからだ。
それは獣人族でも同じで、魔法の指から出したを一人一人火葬していった。
近所に住んでいて仲が良かったのか、彼らは自分たちの家族だけでなく、他の人たちの火葬中も涙を流していた。
そして、土魔法で作った骨壺に骨をいれ、同じく魔法で作ったお墓の中に埋葬した。
「ここなら安らかに眠れるだろう……」
「ありがとうございます」
景が良い所へ亡くなった人たちを埋葬してあげようと考えたら、ケイたちが住む島の北部になった。
海を一できる場所なので、きっと亡くなった人たちも穏やかに過ごせるだろう。
西へ沈む夕暮れの海は、しくも儚くじるが、ルイスたちもこの場所を満足しているようだ。
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なんとなくお墓の前から離れ難そうにしている5人を促し、ケイは彼らを家に招いた。
子供が生まれたことを期に、ケイが建てた平屋の一戸建てだ。
ケイたち一家は、ずっと使っていた近くの巖場の拠點から移り住んだのだ。
子供部屋や倉庫をいくつか作っておいたので、とりあえずそこに男で別れて寢てもらうことにした。
「お風呂もあるから代でってくれ、困ったことはは花に、男は俺に聞いてくれ」
「ありがとうございます」
なんとなく話しやすいからか、いつの間にかルイスが獣人たちのまとめ役になってきている。
他の者たちも、それでしは気が楽になっているのか、大分落ち著いている
「夕食の用意ができたぞ」
陣が先にお風呂にった後、男陣もり、しして夕食の時間になった。
ケイと花が作った料理がテーブルの上に置かれた。
「「「「いただきます」」」」
「「「「「?」」」」」
ケイたち親子が手を合わせて合唱する中、5人はきょとんとしていた。
「食事をする時の日向の挨拶だよ。食べ始める前に「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさまでした」って言うんだ」
「なるほど……」
獣人族にはそういった挨拶はなく、手を合わせてから食べ始めるだけなのだそうだ。
レイナルドが説明すると、ルイスたちは納得した表をしていた。
ケイは単純に日本生まれだからやっていたのだが、人族にもこのような風習はないらしい。
日本と同じような風習のある日向出の花がいるので、子供たちには日向の風習と教えておいた。
「魚とが中心だが、良かったか?」
「あぁ、助かります」
狼の獣人と聞いていたので、なるべくと魚を中心にした。
特に魚は、ケイたち家族は暇つぶしでよく釣りにいくので、余るくらいに備えてある。
大干にして食べたりしているが、余り過ぎた場合はキュウたちケセランパサランたちのおやつに変わっている。
思った通り、彼らの手はや魚料理によくびている。
「ここの赤米は普通のとは違い味いですね」
「嬉しいね。頑張って育てたかいがあるよ」
赤米を見つけたのは本當にラッキーだった。
しかし、初期はパサパサしたじがしていまいちに思う所があった。
主食としてはジャガイモもあるので大丈夫なのだが、日本人ならやはり米がいい。
何とかして赤米を味くできないかと思って試したのが、塩水選だ。
塩水に種もみをいれて、浮いた中のない種もみを取り除く方法だ。
最初はしの塩分濃度で選別していたのだが、とある番組で塩分強めの濃度で更に厳選した種もみで作った米は味くなるというのを見たことがあった。
それをやるようになって、しずつ赤米でも味いのができるようになってきた。
とは言っても、前世の日本の白米と比べればまだまだ差がある。
日本の農家の方の努力には敬服するしかない。
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
「「「「ごちそうさまでした」」」」
意味を聞いて気にってくれたのか、獣人の皆もケイたちと同じように食後の挨拶をした。
それを見て、ケイたちもし和んだ気分になった。
「味しかったです」
「口に合ってよかったよ」
悲しい思いをした彼らは、気分的にそれほどを通らないのではないかと、ちょっと多めに作ってしまったのではないかと思っていたのだが、彼らはしっかりと食べ、料理はほとんど殘らなかった。
話だと、避難する時食料は結構積んでいたらしく、漂流中も食事はできていたらしい。
とはいっても、いつなくなるか分からなかったので、腹が膨れるほどは食べていなかったとのことだ。
道理であまり痩せていないように見える。
アンヘルが流れ著いた時とは雲泥の差だ。
「ルイスたちはこれからどうするんだ? 獣人大陸に戻りたいなら船を造るぞ」
「えっ?」
夜寢る前に男の年長者であるルイスとアレシアだけ呼び止め、しだけ話をすることにした。
彼らがここに流れ著いたのは偶々。
元居た村はともかく、大陸に戻るという選択もできる。
そう考えて聞いてみたのだが、話すのが早すぎただろうか、反応からすると彼らもまだ決めていないようだ。
「まぁ、ゆっくり考えてくれていいぞ」
「分かりました。皆で話し合ってみます」
アレシアも大分余裕ができてきたのだろうか、いつまでも年長の自分が泣いている訳にはいかないと思うようになった。
ルイスにばかり任せるのも申し訳ないので、ケイにしっかりとした口調で答えを返した。
「じゃあ、おやすみ」
「「おやすみなさい」」
軽く頭を下げた後、2人は寢室へと向かって行った。
それを見て、ケイも寢室に向かった。
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