《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第59話
「さてと、始めるか……」
花が村に向かったところで、ケイは地震に対しての細工を始めることにした。
といっても、ケイは噴火のメカニズムなど詳しいことは分からない。
なので、今からやることは完全に無駄なことかもしれない。
「いくらなんでも噴火を止められるとは思わない。けど、なるべく村に被害が來ないようにするぐらいは……」
火山の噴火でケイが思い浮かぶのは、溶巖流と火砕流。
溶巖流は、そのまま溶巖が流れ下ることで、火砕流は、火山灰や巖石が流れ下ることだ。
前世の時なら避難をするぐらいしか被害をけなくする方法は無いが、ここは異世界。
魔法という異能の力が存在している。
更に言うなら、魔法にされた一族の生き殘りであるエルフのケイなら、自然災害の被害を最小限に抑えられるかもしれない。
「運が良いのか、悪いのか、火口らしき場所は北の海側。大は海に流れるはず……」
當然火山の噴火なんて困ったことだが、煙が出ている所を見るとあそこが火口なのだろう。
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土砂崩れなどで海沿いの斜面になってくれているため、溶巖流が海へ流れてくれるのはありがたいことだ。
とは言っても、噴火の威力や規模次第では村の方向にも流れる可能がある。
「もしもの時のことを考えて魔力を殘しておかないと……」
地面に手をついて、ケイは魔力を地面に流し始める。
「ハァッ!!」
“ボゴゴゴ……!!”
気合いを込めた言葉と共に、ケイは流した魔力を使って地面の土を隆起させる。
それによって、強固な高い壁がどんどんと出來上がっていく。
「ハァ、ハァ、これなら村には大量に流れて來ることはないだろう」
山の形を変えるような膨大な魔力を使い、村方面の部分に厚みのある壁ができた。
頂上より高い壁ができたことで、恐らく溶巖が村にまで來ることはないだろう。
息を切らしながらも、ケイは満足そうに笑みを浮かべた。
「……噴火口にも何かした方が良いかな?」
考えてみたら、噴火した時に気をつけないといけないのは溶巖だけじゃない。
火山灰や噴石なども恐ろしい。
幾ら魔法があるからといって、それを全て防ぐというのは範囲的に不可能だ。
ならば、噴火口の上に厚い壁で蓋をしてしまえば、しは抑えることができるのではないかと単純に思いついてしまった。
「噴火口を塞いだら、ガスが逃げられなくなって噴火が早まるかもしれないから……」
簡単な知識としてケイが覚えているのは、ガスや水蒸気が逃げ場を失って発を起こすものが、噴火だと思っている。
なので、噴火口を閉じてしまうのは良くないだろう。
「……てことは、噴火口を広げたら噴火の規模が弱まるのかな?」
ケイの知識が正しいなら、ガスなどの逃げ場である噴火口を広げれば、大発を起こす程溜め込まないのではないだろうか。
もしかしたら、噴火も起こさない可能もある。
「……いや、やめとこう」
試したい気持ちもあるが、しの間考えたケイは噴火口を広げることはしないことに決めた。
はっきり言って、ビビったのだ。
噴火口を広げようとしたところで、もしこんな距離で噴火でもしようものなら、絶対に大怪我する。
それでも村への被害を抑えられるならと、やろうかとも思った。
だが、別れ際に花に無理をするなと、釘を刺されていたことが何度もチラついた。
そうなると、噴火よりも花の方が恐ろしいため、言われた通りにこれ以上の無理は止めることにした。
「そうだ!」
噴火口に何か細工するより、噴き出した時に火山灰が飛び散らないようにできないか考えた。
村側に作った壁に半円のドームのようなを天井のように作って、噴火した瞬間天井に噴石などが當たるようにできないかと思いついた。
これなら噴火口自には何も手を加えていないため、噴火を早めるようなことにはならないはずだ。
「ハッ!!」
またも大量の魔力を消費し、ケイは思いついたことを実行に移す。
何本も太い柱を作り、噴火口の上に天井のようなができあがる。
分厚いを作ろうと思ったのだが、重くなりすぎると天井自を抑えきれなくなるので、柱で支えきれる程度の厚さに抑えておいた。
「気休めにしかならなさそうだが、無いよりはマシだろう」
壁に比べたら薄くじる天井だ。
これで噴石などを抑えきれるとは到底思えない。
だが、たった數秒でも抑えられればやった甲斐があるというものだ。
「よし、噴火を起こす前に俺も戻ろう」
噴火口から出ている煙は、気のせいかもしれないが大きくなっている気がする。
やることもやったことだし、早々にここから離れた方が良いだろう。
“バッ!!”
魔力を足に集め、ケイは一気に山から駆け下り始めた。
途中周囲を探知をするが、やはり魔の気配はじられない。
急いでいるので、ケイとしても魔に遭遇しないのはありがたい。
「……地震か?」
村に向かって一直線に突き進むケイだが、その途中で僅かに地面が揺れた気がした。
ただ、かなり弱い振だったので、ケイは足を止めることなくそのまま村へと向かった。
「父さん!?」
「おっす、レイ! 帰ったぞ」
村の見張り場にたどり著くと、息子のレイナルドがいた。
ケイの姿を見つけ、レイナルドは思わず笑顔になった。
そんな息子に対し、ケイは軽い口調で返事をしたのだった。
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