《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第338話
「著いたよ。父さん」
「あ、あぁ……」
四魔王の一を封印することに功したケイ。
回復薬で傷を治したカルロスに転移をしてもらい、一旦エルフの國へと戻ってきた。
大量の魔力を有するエルフのケイでも、封印のために一気に魔力を消費したせいで気分が良くない。
そのため、軽く足をふらつかせながら、居住地へと向かうことにした。
「「っ!?」」
もうしで居住地という所で、ケイとカルロスは強力な魔法の発の反応を確認した。
「あの反応は……」
「兄さんも封印することにしたようだね」
その魔法の反応は、し前にケイが発した封印魔法と同じものだった。
その反応から、ケイとカルロスはレイナルドが封印魔法を発させたのだと理解した。
「人工島の方だね」
「予定通りだな」
エルフ王國のあるアンヘル島は、ケイたちの魔法によってしずつ形を変えてきた。
居住地や農作地などせっかく整備したというのに、もしも魔王とか言うのが攻めてきた時に潰されては迷極まりない。
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そのため、島からし離れた場所に人工島を作り、そこで魔王と戦うように決めていた。
封印魔法の反応があった場所から予想するに、レイナルドは予定通り人工島で戦闘をおこなったようだ。
「じゃあ、あっちへ向かおう」
「あぁ」
もしも魔王を相手に戦っていたら自分たちも戦闘に參戦するつもりで帰ってきたのだが、探知してみると魔王らしき者の魔力はじられない。
どうやらここは心配ないようなので、ケイとカルロスはひとまずレイナルドの所へと向かうことにした。
「ケイ様!! カルロス様!!」
「やぁ、帰ったよ……」
昔からある東の海岸。
そこから人工島へ向かうつもりでいたのだが、島の住民みんながこの場所に集まっていた。
ふらつきながらもたどり著いたケイと、ペースを合わせて歩いてきたカルロスに、島の住人たちが気が付く。
その様子を見て、心配そうに近付いて聲をかけてきたきた。
そんなみんなに、ケイは軽く手を上げて返答をした。
みんなに道を開けてもらい、魔王と戦ったであろう者たちの所へと通させてもらった。
「お疲れ……」
「ハァ、ハァ……、父さん……?」
明けてもらった道を通り海岸に著くと、そこには多くの兵士たちが集まっていた。
人工島から戻ったばかりなのか、見つけてケイが聲をかけた時、レイナルドは海岸に橫になって息を切らしていた。
聲をかけてきたのが父のケイだと気付くと、レイナルドは咄嗟に上半を起こした。
「父さんがそんな狀態ってことは……」
「あぁ、日向に向かう途中で遭遇した。カルロスと2人で日向近くの無人島に封印してやったよ」
膝が震えているケイを見て、相當疲労しているのが窺える。
父がそんな狀態になる原因を考えると、レイナルドは自分たちが戦った魔王が言っていたことを思いだした。
四魔王とか言うのが同時に眠りから覚め、各地へと散らばったと。
その1と遭遇したからこそ、父が疲労しているのだと理解した。
その考えは正解だったらしく、ケイは簡単に結果を説明した。
「……よく2人で抑え込んだね?」
「カルロスに負擔をかけたよ」
「なるほど……」
自分たちは多くの仲間と戦いようやく封印にこぎつけたというのに、カルロスと2人だけで封印してしまったというのは驚きの一言だ。
よく見てみると、カルロスの服のあちこちが汚れていたりが開いたりしている。
魔王相手に相當痛手を負ったことであろう。
我が弟ながら、たいしたものだと褒めたいところだ。
「キュウとクウだけでも連れていけばよかったな」
魔王が一斉に出現するなんて想像していなかった。
そのため、もしも留守中にエルフ王國に出現した時のことを考え、ケイはキュウやクウといった従魔を置いて行くことにした。
魔王と戦うことになると分かっていれば、キュウも連れて行けばよかった。
そうすれば、カルロスの苦労も和らげることができたことだろう。
「いや、父さんがキュウたちを置いていてくれて、これでも被害がなく済んだよ……」
「そうか……」
レイナルドの悲痛な表に、ケイは何が言いたいのか分かった。
この海岸には多く島の戦士たちがいる。
なかには、全くかない者や四肢の一部を失っている者もいる。
恐らく魔王と戦って怪我をしたのだろう。
治療魔法が得意な者たちが怪我の治療をしているが、數人姿が見えない。
どうやら何人か亡くなってしまったのかもしれない。
ケイも、家族同然と言って良い仲間である島民が被害に遭ったことは辛い。
しかし、魔王の強さによっては全滅の可能もあり得た。
亡くなった者たちには悪いが、數人で済んで良かったといったところだろうか。
【ご主人!!】「ワフッ!」
「ただいま。キュウ! クウ!」
怪我人の回復に當たっていたキュウが一通り回復し終えると、主人であるケイを見つけ、柴犬そっくりの魔であるクウの頭に乗っててこちらへと向かってきた。
クウは元々はケイの妻である花の従魔だったが、花が亡くなってから自分の従魔にした柴犬そっくりの魔だ。
2匹は主人であるケイに甘えるように、キュウは肩へ、クウは足元へとをり付けてきた。
そんな2匹をで、ケイは帰ってきた挨拶をした。
「ここに來た魔王はどんな奴だった?」
怪我人の応急処置が済み、治療所へと運んだ後、一息ついたケイとレイナルドは今回現れた魔王の報を共有することにした。
「父さん! それよりも、ドワーフ王國にも……」
「分かってる! でも、もしも弱點でもあれば戦いやすいだろ?」
「あ、あぁ……」
父と共に戦ったサンティアゴは、ドワーフ王國にも魔王が向かっているようなことを言っていた。
ドワーフ王國に危機あれば、獣人族や魔人族が黙っていない。
カルロスが心配しているのはカンタルボス王國が誰を援軍に送ったかということだ。
カンタルボス王國のリカルドはケイの友人だし、そのリカルドの次男のファウストはカルロスの友人だ。
しかも、ファウストの妹にであるルシアは、レイナルドの息子であるラウルの妻だ。
それに、エルフ王國の住人は、元はカンタルボス王國の住人だった者たちだ。
つまり、この國とカンタルボスの関係から、この國もドワーフ王國へ援軍を送って最悪の結果になる前に封印してしまうべきだろう。
そのためにカルロスは焦っているのだが、ケイは援軍に向かうためにもレイナルドから報を得ておこうと考えたのだ。
「手短に話すよ」
「あぁ」
レイナルドも、ソフロニオという魔王からドワーフ王國に他の魔王が向かっていると聞いていた。
そのため、ケイが何か攻略法を見つけて繰っれることを期待し、時間もないことだし手短に自分たちが戦った印象を話すことにした。
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