《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第342話

「ってな合かな?」

「そうか……、どうやら、個差関係なく魔王たちに封印魔法しか通用しそうだな……」

「あぁ」

レイナルドから、魔王ソフロニオとの戦闘の説明をけた。

エルフ王國の方は、これまでの計畫通り人工島へ封印することに功した。

ケイたちも無人島に魔王サンティアゴを封印してきたし、2の魔王に通用したのだから、他の魔王たちにも通用するだろう。

あとは、ドワーフ王國と人族大陸に出現した魔王たちを封印するだけだ。

「父さんドワーフ王國に行かないと!」

カルロスとしては、ドワーフ王國の救援に向かっているであろう父の友人のリカルド、自分の友人のファウストのことが気になる。

怪我をさせてもすぐに再生してしまう魔王相手に、彼らも苦戦しているに違いない。

兄のレイナルドの説明で、魔王を相手にするのなら封印魔法しか通用しないのは分かった。

ならば、すぐに向かって、被害が広がらないうちに封印するしかない。

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「止まれ、カルロス! 多分、そっちは多分大丈夫だ」

「どうして!?」

今にもドワーフ王國へ転移してしまいそうなカルロスを、レイナルドは止める。

しでも早く助力に向かいたいカルロスとしては、兄のその行為に若干イラ立つ。

「ファビオたちがちょうどカンタルボスに行っている。帰って來ていない所を考えると、恐らく」

「えっ? そう言えば……」

魔王のソフロニオがエルフ王國に出現する前、レイナルドの息子2人はカンタルボス王國へ向かっていた。

そのことをレイナルドに言われたカルロスは、周囲を見渡してソフロニオと戦った戦士の中にファビオたちがいないことに気付いた。

まだまだ小國と言っても、ここは王國だ。

ケイやレイナルド、それにカルロスも年齢に反して見た目はまだまだ若い。

しかし、早いうちに次の王として長男のファビオをエルフ王國の王とする予定だ。

もちろん、ファビオに地位を譲ったとしても、この國のために働くつもりでいるが、ケイがそうだったように、レイナルドたちもあまり國王とか言うガラじゃないと思っているため、速いとこ隠居して孫や曾孫の相手をしたいというのが本音だ。

魔王が出て、もしもの時にはエルフの國の住民を連れてカンタルボスへ逃げ込むことも考えられる。

その時の許可を得るために、一応・・王太子のファビオが、現カンタルボス國王のエリアスに會いに行ったのだ。

弟のラウルは、妻であるルシアと共に子供を見せるため付いて行ったに過ぎない。

ラウルの妻であるルシアは、ケイの友人であるリカルドの娘だ。

父であるリカルドが孫を連れて來いと頻繁にラウルに言うので、それに従ったと言う所だ。

ルシアとしては、リカルドが孫を甘やかしすぎるので會わせたくないと思っていたが、だいぶ期間が空いたので久々に連れて行くことにしたのだ。

◆◆◆◆◆

時間は遡り、ファビオに付いて行く形で、ラウルとルシアは息子のカミロを連れてカンタルボスへと訪れていた。

父のリカルドが年齢を理由に生前退位したため、長男のエリアスが現カンタルボス國王の地位に即位した。

ファビオはそのエリアスに會いに來たが、ラウルたちは前國王のリカルドに會いに來た。

そのため、その用事を一度に済まそうと、玉座の間に集まって謁見することになった。

「おぉ!! よく來たカミロ!!」

「おひさしぶりでちゅ、おじいちゃま!」

「おぉ!! ちゃんと挨拶できて偉いぞ!!」

ファビオ、ラウル、ルシア、カミロが玉座の間にると、すぐさまリカルドが駆け寄ってきた。

自分に駆け寄ってきた祖父に対し、5歳のカミロは舌足らずな発音で丁寧な挨拶をした。

孫の可らしい挨拶に、リカルドはべた褒めしながら頭をでた。

リカルドの大きな手だと、優しくでているというのにカミロの髪のはあっという間にグシャグシャになってしまった。

「父上! この場にはカミロだけじゃないんですから……」

父の態度を見兼ねたエリアスは、強い口調で止めにる。

この場にはカミロだけでなく、ファビオとラウル、それに妹のルシアもいる。

いくら彼らと仲が良く孫が可いにしても、ちゃんと挨拶をしてからにしてほしい。

「あぁ……、すまんすまん」

「ハハ……、祖父のケイも似たようなものなのでお気遣いなく」

久々に孫に會えたことが嬉しすぎて、テンションが上がってしまった。

エリアスにいわれてようやく我を取り戻したのか、リカルドはすぐにファビオたちに謝罪した。

それをけて、ファビオは苦笑いをする。

祖父のケイも、曾孫のカミロを同じように甘やかしている時があるので、ファビオからするとそういうものなのだと思っている。

なので、別に気にするところではなかった。

「全くもう……!」

元王妃のアデリナも、カミロに會えて嬉しいのを耐えているのに、夫のリカルドがを抑えない行にため息を吐いた。

「今回は、魔王出現の際の話だとか?」

「えぇ」

お互い簡単に挨拶をわし、エリアスとファビオは2人で話し合うために部屋を変えた。

今頃、別部屋では、カミロがリカルドにもみくちゃにされていることだろう。

2人だけになった所で、エリアスは早々に今回ファビオが來ることになった理由を話し合うことにした。

「もしもの時には、我が國民のカンタルボスへの避難を許可願いたいのです」

「了解しました。許可します」

「ありがとうございます」

魔王が出現した場合、もしもの時の避難場所を決めておいた方が良い。

そのため、エルフ王國としては仲の良いカンタルボス王國へ避難することを選んだ。

その許可を得るため、ファビオはエリアスに會いに來たのだ。

エリアスもあらかじめその容を聞いていたため、父のリカルドやファウストと相談していた。

父のリカルドはケイと、自分はレイナルドと、ファウストはカルロスと仲が良い。

それに、妹のルシアはラウルと結婚している。

お互い王族が親族関係でもあるため、突き放すわけにはいかない。

以前人族との戦爭の時もれたこともあったため、今回も許可を出すことに決定していた。

エリアスから許可が得られ、ファビオは謝の言葉を述べた。

「大変です!! エリアス様!!」

「どうした!? 騒々しい!」

ファビオとエリアスが話し合っている部屋に、兵が慌てたようにってきた。

話し合いの最中だというのにってきたため、エリアスはやや強い口調で兵へと理由を尋ねた。

「ドワーフ王國に魔王を名乗るものが現れたとのことです!」

「「っっっ!!」」

兵の報告にファビオとエリアスの2人は驚き、座っていた椅子から立ち上がったのだった。

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