《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第351話

「終わったね」

「あぁ」

殘っていた魔王のサカリアスを封印が完了し、ケイは転移擔當のオスカルの所へ戻る。

すると、そこにはケイの息子たちであるレイナルドたちが待ちけていた。

戻ってきたケイに気付くと、レイナルドは笑顔で話しかけて來た。

「やっぱり5人だと楽だったね」

「そうだな」

1人でおこなう封印魔法は大量の魔力を消費し、ケイでもかなりの疲労をじるところだが、5人でやるとその分魔力の消費もなく済む。

そのおか、レイナルドの言うように5人共そこまで疲労している様子はない。

「他の方が苦労させられたな」

「確かに」

ケイの言うように、他の場所に現れた魔王たちの方が苦労させられたというものだ。

何しろ、他に被害を及ぼさないように戦わなければならなかったからだ。

それに引きかえここの場合は、周りに人族がいても、気にしないでことに當たれたからだ。

エルフにとって日向以外の人族なんて、そこまで気にする価値のない存在だ。

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過去にエルフに対して非道なおこないをして來たのだから、そのような扱いにされても文句は言えないあろう。

ケイの場合、このの元々の持ち主であるアンヘルの記憶から、エルフがけた被害を許せる気がしないし、レイナルドとカルロスは、島に乗り込んで來た経験から人族を快く思っていない。

ファビオやラウルも、その時の記憶が殘っているため同様の思いだ。

そのため、全く容赦なく封印の巻き添いにしてやった。

「しかし、このままで大丈夫かな?」

「ん? 何がだ?」

自分たちに何の被害もなく封印することができたのは良かったが、カルロスは疑問の聲を上げる。

特に問題なく済んだと思っていたケイは、その言葉に首を傾げる。

「何だかここって領地爭いの場所らしいし、結界に侵しちゃうんじゃないの?」

「……そうだな」

カルロスが言うように、報収集したところこの地は東西の國で領地爭いをしている場所らしい。

人間の全てと共に封印してしまったため、ここに魔王が封印されていることを知らずにまた爭いを始めるかもしれない。

そうなると結界に大量の人間がってしまうことになる。

封印魔法の魔法陣は、最初に封印した後は結界っても吸収される訳ではないが、出られないようにはされている。

結界の出りは、封印魔法をおこなったものの魔力に反応するため、ここの封印だと5人しか出りできないため、知らずに中にって一生出られずに死んでいく人間が今後出てくるかもしれない。

「別に人族がって出られなくなっても気にならないが……」

集まっていた軍ごと封印してしまうほど、ケイにとって人族はどうでもいい存在。

戦爭で命を奪い合うような奴らは、結界って出られなくなっても全く気にしない。

しかし、封印して何もできないとは言っても、魔王を封印してある結界に大量の食糧となる人間がってしまうのは好ましいことではない。

そのため、カルロスの言うようにこのままにしておくというのは良くないかもしれない。

「……要は、爭いのタネをなくせばいいんだろ?」

この地に來る理由があるから、結界り込んでしまうかもしれない。

だったら、その理由をなくしてしまえば解決する話だ。

「そんな事できるの?」

「かなりの力業だが、出來ないことはない」

人族は、領土を求めて種族に関係なく爭う傾向にある。

領土爭いを止める手立てなんてあるなら、この世の戦爭を相當減らせることになる。

そんな方法をあっさりと思いついたケイに、レイナルドは若干疑うような視線で問いかけた。

それに対し、ケイは含みを持たせたような返答をする。

「力業?」

「行き來ができないように、両國の間に壁のようなを作ってしまえばいい」

當然その方法が気になり、カルロスが問いかける。

その方法を、ケイは簡単そうに答える。

「……いや、無理でしょ……」

両國の間に壁を作るなんて、どれだけの労力を必要とするか分からない。

しかも、簡単に壊れたり乗り越えられたりできるような壁では意味がないため、かなり頑丈で高い壁を作る必要がある。

それを考えると、かなり無茶なことを言っているケイに、カルロスはツッコミをれた。

「俺とお前らで人工島を作れたんだから、そんなに無理じゃないだろ?」

「そんな簡単な話じゃない気がするけど」

エルフの國に魔王が合われた時のために、ケイたちは島の近くに土魔法を使用して人工島を作っていた。

それによって、レイナルドが島民と共にソフロニオを封印することができた。

しかし、今回もおなじように土魔法で作るにしても、規模が大きい。

レイナルドの言うように、とても簡単にできるような話ではない。

「いっぺんにぺんにやればそうかもしれないが、數回に分けてやれば問題ないだろ?」

「……どっちにしてもしんどいよ」

その時のように、壁を作ってしまえばいいとケイは考えているようだが、人工島だってかなりの時間をかけて作り上げたものだ。

言った本人であるケイも、そんな簡単にできるものではないことは分かっている。

今すぐに作ってしまおうなんて考えではなく、何回かに分けて作ればいい話だ。

それにしたってかなりの労力を要するため、レイナルドは不服そうに言葉を返した。

「今回はファビオやラウルもいるから時間も短できるだろ?」

「「えっ!!」」

人工島はケイが半分近く、殘りをレイナルドとカルロスが擔當したじだ。

今回の魔法陣のように、5人で協力してやれば3人でやるよりも速く済ませることができるはずだ。

そう考え、ケイは5人で壁作りをおこなうことを決定した。

手伝うつもりでいたレイナルドとカルロスは特に文句はないが、黙って話を聞いていたファビオとラウルの兄弟は思わず聲をらした。

いつの間にか、自分たちまで參加しなければならないないことになっていたからだ。

「あっ、オスカルも參加すればもっと早いか」

「えっ!?」

従兄2人が面倒な仕事に巻き込まれたのを、他人事のように聞いていたオスカルだったが、まさかのケイの言葉に2人と同じ反応をしてしまった。

自分は関係ないと考えていたから、不意打ちを食らった気分かもしれない。

「魔力を使えば、その分お前らの魔力量も増えるだろ?」

「拒否は無しだ」

ケイン提案に戸っている3人に対し、レイナルドとカルロスは父として自分たちの息子に有無をい技図參加するように言う。

3人がいれば自分たちも楽できるからかもしれない。

その圧力に、3人は當然頷くことしかできなかった。

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