《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第353話
「フゥ~……」
一息ついて、汗を拭うケイ。
4の魔王出現により世界中で多くの被害を出したものの、ケイたちの封印魔法によって鎮圧された。
魔王の封印を終えてからというもの、特に問題が起こることもなく平和な日々を過ごしていたケイは、いつものように畑仕事をおこなっていた。
期は長い年月生きられることは良いことだと思っていたが、やはり良いことばかりではない。
生まれてくる子供たちいるが、長命であるがゆえに住民を見送ることも多く、それがとても辛い。
自分だけ時が止まったように老いず、何だか1人置いてきぼりをくらっている気になるからだろうか。
見知った人間の死に対する経験だけは慣れないものだ。
「おぉ、おかえり」
「ただいま」
一息ついてし考え事をしていたケイの所に、レイナルドが向かって來た。
それに気付いたケイが話しかけ、レイナルドも返事をした。
「ちょっと家に來てもらっていいか?」
「んっ? あぁ……」
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挨拶をわすと、レイナルドが家に戻るように言ってきた。
どうやら何か話があるみたいだ。
畑仕事も一段落したところだったので、ケイはレイナルドの頼みをけれて家に戻ることにした。
「何だ? お前たちも呼ばれたのか?」
「あぁ、まあね」
家に戻ると、息子のカルロス、孫のファビオ、ラウル、オスカルがケイたちの帰りを待っていた。
彼らまで呼んでいるとは思わずケイが問いかけると、カルロスが頷きと共に返答した。
「この面子って事は、何か封印に関することか?」
「その通り」
言えにり全員がソファーに座ると、ケイはレイナルドに話の用件を尋ねることにした。
尋ねると言っても、ケイは何となく察しがついている。
この面子といったら、魔王の封印に深く関わっている6人だ。
しかも、今日レイナルドが出かけた理由は、魔王ソフロニオを封印した近くの人工島に変化がないかを調査するためだ。
そうなると、自然と封印に関する話だと想像ついた。
その考えは正しかったらしく、ケイの質問にレイナルドは深く頷いた。
「封印の部に変化が起きていた」
「変化?」
魔王と言われるほどの力を持った存在を封印したのだから、もしかしたら何か変化が起こる可能は考えられた。
復活なんてことになったら、また封印できるほど時間を得ることができるか分からない。
そのため、レイナルドは部調査に向かったのだが、その調査で問題が発生したらしい。
もしも魔王復活の兆しでもあるとなると、エルフ島近くの人工島だけでは済まない。
他の封印の地にも変化があるかもしれないため、レイナルド以外の5人も真剣な表になって話の続きを待った。
「封印の地の中央にダンジョンのり口ができていた」
「ダンジョンだと……」
封印の人工島は結界に覆われていて、ソフロニオを封印したレイナルドしか出りできず、中にったものは外に出られないようになっている。
もしも中にってしまった場合、封印された魔王が消滅し時くらいしか外に出ることはできないだろう。
中にってしまっても、魚がいたり植が生えているため、生きていくことはできるかもしれない。
魔素も普通に存在しているため、魔も出現する可能もある。
ダンジョンも魔のような存在のため発生することもあり得るが、出來た場所が場所なだけに気になる。
「どんな魔がいたんだ?」
「それがとんでもない強力な魔のオンパレードだった。魔人大陸にいるような危険な魔の変異種がゴロゴロいた」
「……、何だって……」
今日のレイナルドのように、封印の地は封印した者が數年に1度は確認に出向いている。
近い分、レイナルドが一番調査に行く頻度が高いのだが、これまでの調査でダンジョンが発見されたことはなかった。
これまでなかったところにダンジョンができていたと言っても、たいした規模のものではないはず。
そう思ってケイが問いかけるが、レイナルドから返ってきた答えにケイは驚く。
ダンジョンと言ってもピンからキリがある。
ケイたちの住むアンヘル島にもダンジョンがあるが、長年の積み重ねでかなり強力な魔が出現するものへと長している。
つまり、長年かけて強力な魔が出現するくらいに長するのが普通であって、出來てたいした期間が経っていないにもかかわらず強力な魔が出現するなんてどう考えてもおかしい。
「できたばかりのダンジョンで、それは明らかにおかしい……」
魔人大陸の魔の変異種なんて強力な魔なんて、ちょっと魔闘を使えるだけの人間でもひとたまりもない。
そんな魔がゴロゴロいるダンジョンなんて無視することはできないため、ケイはその理由を考え始めた。
「魔王の魔力でも吸い取ったんじゃないかな?」
「なるほど……」
ケイだけでなく、他の5人もこの問題を思考する。
そしていち早く思いついたのか、ラウルが意見を出した。
その意見に、兄のファビオも納得するように呟く。
魔王が封印されている地なのだから、その有り余る魔力を吸い取ってダンジョンが一気に長したのかもしれないということだ。
「……その可能もあるが、俺には他の理由が思い浮かんだ」
「何?」
孫たちの意見を否定はしないが、ケイは他の理由が考えられた。
その意見を聞くため、5人の視線がケイへと集まる。
「魔王がダンジョンを使って復活のための力を蓄えているのかもしれない」
「えっ!? そんな事できるの?」
「あくまで予想だが、ダンジョンもある意味魔みたいなもんだ。魔をる魔王なら、そんな事も出來るんじゃないか……」
ケイの発言に、5人が驚きの表へと変わる。
その考えに、カルロスがケイに尤もな質問をする。
ケイ自、言っていて本當にそんな事できるのか分からない所だが、魔王ならそれくらいのことはできるのではないかと考えたのだ。
「じゃあ、あの島にった生を栄養にして復活しようって考えているってこと?」
「恐らくだがな……」
オスカルの問いに、ケイは頷く。
ダンジョンを使って魔を生み出し、それを使って復活を目指す。
封印されてきできない魔王はそう考えたのだろう。
「もしそうなら、ダンジョンの破壊をしないと……」
「それもそうだが、まずは他の封印の調査もした方が良い。同じようなダンジョンができていれば、この考えが正しいことになるからな」
「分かった」
あくまでもケイの言ったことは予想でしかない。
もしかしたら、人工島の封印にだけ起こったことなのかもしれない。
ダンジョンの破壊をするにも、その確認をしてからでも遅くはないはずだ。
そのため、ケイはそれぞれ封印した者たちに調査に向かうように指示を出した。
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