《エルティモエルフォ ―最後のエルフ―》第354話

「さて、それぞれ確認の方を頼む」

「「「「「了解!!」」」」」

ケイの言葉に、息子のレイナルドとカルロス、孫のファビオとラウルとオスカルの5人が頷く。

昨日、レイナルドが魔王ソフロニオを封印した人工島を調査したことによって、異変が起こっていることが確認できた。

危険レベルの魔が蔓延るダンジョンができていたということだ。

そんなダンジョンができるほど、長期間調査を怠ったことはない。

可能として、封印されている魔王が関與していると考えられたため、ケイたちは他のダンジョンも調査に向かうことを決定した。

ケイは1人で魔王サンティアゴを封印した日向の國近くの東の無人島へ、レイナルドとカルロスの2人は魔王サカリアスを封印した北の人族大陸へ、ファビオとラウルとオスカルは魔王アマドルを封印したドワーフ王國へ向かうことを決定した。

「行って來る」

「危険だと判斷したら出しろよ」

「分かってるよ」

「じゃあね」

ファビオの言葉に、父のレイナルドが話しかける。

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今回3組に分かれて行するのだが、一番心配なのがファビオたちの班だ。

3人での行になるが、オスカルは転移擔當であって封印らないため、ファビオとラウルの2人で封印を調査することになる。

ファビオとラウルもかなりの実力をしているが、子共となるとどうしても心配になってしまうのだろう。

心配そうにいてt來る父の言葉にラウルが返答し、オスカルは手にの魔法を発させた。

「俺たちも行こうか?」

「そうだな」

ファビオたちが転移したのを見送り、カルロスが兄のレイナルドに聲をかけ、北の封印の地へ向かう転移魔法を発させた。

「お前たちも気を付けろよ」

「あぁ」「うっす」

子供のことが心配なのはケイも同じ。

ファビオたちより危険はないと思うが、念のため忠告したくなったのだろう。

ケイの忠告に軽く頷き、2人は北の地へと転移していった。

「よし、行くか……」

孫3人と息子2人を見送り、今度はケイが向かうことにした。

「留守番頼むな?」

【……うん!】「ワウッ!」

転移魔法を発し、見送りに來た従魔へと話しかける。

ケセランパサランのキュウと、柴犬そっくり魔のクウだ。

キュウは念話で、クウは一聲吠えて返事をする。

2匹の従魔は封印ることができないため、留守番を頼むことにしたのだ。

「じゃあな」

【いってらっしゃい】「ワウッ!」

2匹に見送られ、ケイは日向南の封印の地へ転移をして行った。

「周囲の様子は問題ないな」

日向の南にあるサンティアゴを封印した地へ著いたケイ。

空中に魔力の板を張り、その上に乗ったケイは封印の外から周囲を眺める。

數年に一回は調査に來ているが、これまでと同様に問題が無いようだ。

「……中にろう」

周囲の調査を駆け足で済ませたケイは、足早に封印へとろうとする。

と言うのも、魔力で足場を作っているが、その下は海だ。

前世の死因であり、記憶がよみがえって早々溺れて死にかけたこともあってかいまだにケイは海が苦手だ。

魔法は者の神狀態によって強度が変化する。

ケイ程の魔法使いなら空中に足場を作るくらい訳もないが、海の上となると話は別。

あまり長いこと海の上にいたくないため、ケイは封印へとった。

「……何だこれ」

中にって探知魔法を広げたケイは、思わず呟く。

前回きた時は何の反応もなかったのに、今回は探知に反応があったからだ。

數自はそこまで多くないが、その反応の強さが問題だ。

レイナルドが魔人大陸の魔の変異種と言っていたが、まさにその通りと言った強さの魔が結界を移していた。

「ガアァーー!!」

「いきなりギガンテスかよ……」

どんな魔なのか確認するため、ケイは反応のあった方へ向かう。

近付くと魔がケイの姿を確認し、いきなり襲い掛かってきた。

1つ目の巨人のギガンテスで、しかも変異種だ。

大木から作ったのか、棒を持っている。

“パンッ!!”

「ガッ!?」

襲い掛かってくるギガンテスに対し、ケイはホルスターから銃を抜いて引き金を引く。

ケイの早打ちにより、脳天にを開けたギガンテスが崩れるようにして倒れた。

ギガンテスからしたら、何が起きたのかも分からないうちに意識を失ったことだろう。

「こんなのが普通にいるなんておかしいだろ……」

あっさりと倒しはしたものの、ここはこんな危険な魔がいるような地ではなかった。

どう考えても変化が起こっていることを確信したケイは、ダンジョンができていると仮定してり口がどこにあるのかを捜索することにした。

「……本當にダンジョンができているな」

結界の中心地をしの間捜索すると、ケイはダンジョンのり口を発見した。

り口から覗き込む限り、嫌な気配しかじない。

「ギガンテスクラスの魔が大量にいるてことか?」

いやな気配の正は、恐らく魔から僅かにれた魔力によるものだろう。

まだり口で離れているというのにもかかわらずじるということは、先程のギガンテスと同じ位の魔が大量にいるということだ。

ダンジョンはダンジョンでも、最高ランクの危険度のダンジョンのようだ。

「よしっ! 中にって調べるか」

どう考えても危険なことは分かっているが、調査しないことには始まらない。

軽く気合いをれると、ケイはダンジョンの調査へと向かうことにした。

「結界から出られないようにしたのは正解だったな……」

魔王を封印して出られないようにするために、封印魔法には強固な結界が張られるようにした。

封印魔法を発するために関わった者以外が出りできないというのは、謝って結界に侵してしまった生も外に出られないということだ。

これから先のことを考えると、魔王以外出り自由にするという封印魔法を創れば良かったと思わないでもないが、今の狀況を考えると出りできるものを限定したのは正解だったと思える。

もしも魔王以外出り自由だったら、先程のギガンテスクラスの魔が外に出ていたかもしれないということだからだ。

「さて、行ってみるか……」

り口から僅かに下っている廊下を進むと、開けた場所へと到著することになった。

大量の魔の反応をじているケイは、2丁の銃を抜いていつものスタイルになる。

いつ襲われてもいい様に警戒しながら、ケイはダンジョンの調査を開始することにしたのだった。

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