《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》9話
昨日、舞は彼のお父さんに電話したところ、どうやらそのお父さんからのご要で、この學園で彼を匿っててほしいとのことで、舞の住在の件は決まった。
そして彼の獨斷と偏見により、俺の家に來ることとなったのだ。
朝、小さく空いていた窓から、日差しと鳥の鳴き聲が聞こえる。
そんな鳴き聲に頭が冴えてしまった。おまけに強い日差しが直接俺の頭に照っていたため、まぶたは開けることができない。
いつものように目を閉じながら、ベットから出るべくを起こそうと思った。仰向けになったを左手であげる。
おっと、何かが俺の左の肘を取るようにいた。
肘の力が抜けた俺はそのままベットへと戻される。
おっっふ、何だこれ、めっちゃスベスベしたマンの形をしたようなものが俺の顔を覆った。
らかくていい匂いだ。それに2つあるようで、タプタプと揺れるそれは、包容力の塊のようである。
その2つの中央にはボタンのような突起が一つずつあり、俺の丁度頬あたりをっていた。
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左右に首を振るように顔を細かくかした。埋めるたびに、頬に掠って隆起していくそれは、ボタンのようでもある。
「あほれ、ポチッとな」
俺は迷わずにボタンを押した。
「ああん、ひゃめぇ……」
頭の上で耳が溶けそうな、魅のボーイス(ネイティブ)が聞こえる。
お、おお!! 何だこれ!? た、たまらねえぜ!!
「倍プッシュだ……!」
佑、迷わず連打ァ。
連打に連打を重ね、連打連打連打連打連打連打連打連打ァッ!!
「ああん、いや、ああらめええええええええええええええええ」
そして俺は、ここで速攻魔法ッ! 貞の墓場!! 効果によりッ――パァンツ、リフトゥオフッ!!
興が最高に達し、俺のパンツは蒸発した。
佑! ビックタートルヘッドで出ます! 佑、いきま~す!!(脳SE:プシューーーーびゆーん!) 燃え上がれ~ 燃え上がれ~(脳ソング)
「さぁせぇるかああああああああああああああああああああああああああああ!!」
オウへェッ(エコー)
俺は、意識は目の前の項家に集中していたため、いきなりの強襲には全くと対応ができない。
俺は流星のごとく流れる飛び蹴りを、躱せる余裕もなく顔面へと直段させた。
ベットから蹴飛ばされた俺は、バトル漫畫のように壁に頭とを強打し、完全に意識がぶっ飛んだ。
ん? 目が開かない…… パンパンに腫れた目をやっとこさ開いて辺りを一する。
どうやらここは俺の家のようだ。「イケっ!! イケえっ!!」と聲が聞こえたが、どうやら目の前で夕と舞がテレビとにらみ合いながら、スーパーファミコン対戦をしてる。
がかない、コインケースののように狹まった視界で、俺のを見る。
芋蟲のようにロープが中全を覆っていた。何だこれ、足まで覆う必要ないでしょ!!
「んんうんうんんんん! んんんんぬ、んんんんんんんん!」
つつかれた芋蟲のように、全をくねらせながら、彼たちにここから出してくれと訴えるようにく。
「タスク! もうしでこの戦いは終わるから! そしたらすぐに抜け出してあげるからね!」
「このレ○プ魔先輩! 舞のにのほほんと乗っちゃっいましたね! そのままでいなさい獣レ○プ魔先輩」
というと、雙方はまたテレビに釘付けになった。
「いぃけえええええええええええええええええええええええええ!!!」
「どりゃあああああああああああああああああああああああああ!!!」
どうやら彼らは最後の大勝負に出たらしい。
そのすさまじい咆哮に、俺の家が反響して大きく揺れた。
勝敗は決したようだった。
「よしッ! 222戦112勝で私の勝ち!」
舞が大きくガッツポーズした。
どれだけの死闘だったのかは、彼らのれている髪で分かった。
晝頃、縛られていた俺は舞に助けられ、その後、彼を助けた海岸を二人で歩いていた。
住んでいるところに海岸が近くにあると、わざわざ海岸で遊ぶような好きはあまりいない。
「舞、あの…… 今朝はごめんな」
據え膳食わぬは男の恥とは言うが、アレはさすがにに直球すぎると自分で思った。
「いいよ全然気にしてないから。ああいうのはもうし二人の仲が良くなってからね!」
魔法をかけるように彼は、左手の人差し指を顔の近くで構える。
お気にりの生徒を叱っている先生のようだ。
「わかったよ。そういえば二人はなんでゲーム対戦をしてたんだ?」
「夕さんが佑を縛るなんて言うから、私が助けようと思ったの。口論になっちゃってゲームで決めようって。結局縛られちゃったけど」
喧嘩っ早い夕だが、さすがに一般人相手にはしっかりと対等にするんだなと、安心というか心が和んだ。
「なるほど…… でも結局は助かったんだし、ありがとな」
「はいどういたしまして。私はね――この生涯戦わずして、ずっと他者からしいものを強請って生きてきたの」
そういい彼は前の方を歩く。そして続ける。
「夕さんから聞きました。佑のその腕は勝ちを取るために失ったんだっけ。それを聞いてさ、たすく達にとって戦うとは普通のことなんだろうなって思うんだけど、私にとっては、とってもカッコイイことだと思ったんだ。そんなあなた、そしてユウさんに化されて、今までの強請っていた自分よりも、あなた達のような人にしでもなれたらなって」
勝ててよかった、そう言いながら彼は、俺の方を見ると爽やかな笑顔で言う。
「そうか……」
二人は影で腰を下ろす。涼しい風が二人を包んだ。最初に巡り合ったときよりも、しだけ大人びいて見える彼。その姿に穏やかな気分になる。
「俺は強請らずにずっと待っていたんだ。だからどうしてもスタートラインには立てなかった。だけど今は違うんだ。俺を鍛えあげスタートラインに立たせてもらった人、俺が寂しくならないように構ってくれた人、俺を応援していた人。その人達のおかげで俺は今、スタートラインに立てている」
そうして俺は無くなった腕を見る。
舞はしいもののために戦うと言った。俺のほしいもの……
俺はあの人のようになりたい!!
それを目標にして生きてきたんだろう。
あれほど彼らから支えられてきて、何故俺は諦めていたんだろうか。
目標に近づくために今できることは……
ランク祭で勝ち続けることだ。
「ありがとう舞」
俺は舞を抱きしめた。
「ど、どうしたの?」
突然に抱きしめられ彼は驚く。
「俺はあることから逃げようとしてたんだ。もう俺では無理なんだろうなって、俺には限界があったんだなって、違う。そんなんじゃ、あの人のようにはなれない」
「……」
彼は黙って俺の言うことを聞いていた。
「舞…… 俺やってくる。どうかけない僕だけど見ていてしい」
「……わかった。無理しないでって言いたいけど、男の子にはそんなこと通じないよね」
彼もまた俺を抱きしめた。
「剣先生!!」
舞と海を歩いた後、俺は剣先生のいる職員室へと向かいドアを開けた。
「お、どうしたゴムが必要か? 殘念ながらお前のドリチンに似合うゴ」
「先生!!」
俺はここにくるまでで疲れてしまったため、怒鳴っているように発してしまった。
「ど、どうしたんだ」
驚いたのか彼は目を丸くして俺を見ている。
「確かここにいる能力者は。各々のオリジナルの武を貰ってるんですよね」
「ああ、そうだ。再注文にはとんでもない金額が掛かるがな」
「……ランク祭に出るため、俺のオリジナルの武をくれませんか」
唾を飲み込み彼に告げる。下に向いて深く呼吸をしていた俺は、顔を上げ手を膝につけながら彼の顔を見る。
「ランク祭…… 僕は出ます」
そしてを張るように常態をあげると、しっかりと彼の顔を見た。
「能力者という飾りがなくてもお前は出ると……」
剣先生は俺を試すように見た。
「――はい、僕は勝利がしいです」
俺はその先に、あの人に屆けるようにもっと先へ進みたい。
「もう一度言っておく、私が能力者を相手にして今こうして生きているのは、私が強いというわけではない。ただ運が良かったからだ、私の運がよかったから……」
それでも分かっていると頷いた。
「……わかった。こちらへ付いてこい」
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