《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》29話
時を遡ること7日前。
  俺はマイの豪邸へと住むことになった。それは彼の家でもあり、彼がこれまで數十年間寢起きしていた家ということになる。最初に三か月前に彼のこの屋敷に來たときはあまりの大きさに、このいままで住んでいたの小屋のような部屋とは全くと部屋という文字のへの文字が俺の頭の中にある辭書にはないほどの大きさの家であったのだ。
あまりにも早大に大きすぎて俺は彼の前で驚きを隠せない人間であったが、しかし彼のようなお嬢様であれば、テレビでやっているドラマのような屋敷を持っていてもそれはそれでなんとも思わないほどである。
 
 だいたいとして俺の6畳あるトタンハウスの軽く千倍はあるのではないのかというほどにお退き話に出てきそうなほどに大きかったのだ。
  彼と部屋を一緒にするのはまあ無理ということになった。部屋だけでも俺が住んでいた屋敷トタンハウスよりも2倍ほど大きいのである。ここまで大きくなってくると俺はここで運を、それは一人運會を開いてしまわないか自分でも心配になるほどである。
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  あまり大きな部屋になれないのか、ここに住んで2か月間ぐらい経つがまったくと馴染めないのである。しかもあまりにもベットがふかふか過ぎて寢付けない。こればっかりはどうしようもないので仕方なくとも寢ることにしていた。
  彼の部屋が隣ということもあるため、彼がいつ襲われてもある程度は対応出來るだろうとの配慮であった。
マイは俺と一緒に寢たかったらしいが……
「マイ…… おはよう」
俺は自分の部屋を出ると、ちょうど彼も俺と同じタイミングで部屋を出たらしく、お互いに寢起きの顔を眺め合った。
「タスク…… おはよ」
マイは子貓のように目をグーの拳裏でっていた。しばらくして彼は意識がしっかりしてきたのか、俺の存在を確認するやいなや、ふあーっとこちらにも移りそうな大きなあくびをした。
彼とこうして話しているというのも、彼と共に(ユウもいた)暮らしていたのがしだけ昔のようにもじてしまう。それだけ人が住む場所を変えるということは、その人の長を促すんだろうなと、ここで気づいた。
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  そして彼から一言。
「タスクぅ…… 今日って何曜日だっけ?」
「今日は土曜日だよ、月で唯一の第二土曜日だから心配はいらない、學校は無いよ」
「よかったあ、もうちょっと寢てもいいかな」
「うん大丈夫だよ」
彼は、あれから學校というものに行くようになった。彼は俺とあの出會いをする前は學校というもに行かない人だったという。俺とのあの一連の騒と彼と暮らしてみて一全、彼に何があったのか、彼にどんな変化をもたらしたのかなんてのは俺には分からないけれど、しかし彼がこうして率先して行するのはやっぱり彼の変化なのではないかと僕は考えていた。
『また後でね』と彼は一言添えて、俺の部屋のドアを開ける。それは、彼は俺の部屋へとろうとしていたのだ。
「ちょっとそこは俺の部屋だよ」
ツッコミをれるようにして彼を、自の部屋へと送っていった。
「えへへ。ここで一緒に寢ようよタスクぅ……」
肩を摑んで彼の部屋へとった。の子の部屋特有の甘い香りが広がり、俺はすこしだけその匂いにが熱くなっているのをじた。あれ俺ってこんなにまで溜まっているのか? いやいやさすがに変な考えは捨てるとあれほど自制に自制を重ねてきた男なんだ!
「ダメだよ、この前、俺の部屋で寢てしまった時に希さんにこっぴどく怒られただろう」
やれやれと僕は彼のベットに倒れる姿を確認しながら、そう答えた。
この前とは、ここの屋敷に來て日が淺いころに彼が俺の部屋へと寢ぼけてってきたときの話である。俺は自分が起きたときに彼がこの部屋に來ていたと分かったため、俺にはこの不可抗力はどうすることもできなかったのだ。そのあと彼のお父さんに怒られてしまった。二人共にである。
「むふっ。お父さんはタスクに嫉妬してるんだよ」
倒れ込んだを仰向けへと移させると彼はそう言った。
「普通は自分の娘が見知らぬ男と共に寢ていたなんて知ったら起こるものだよ」
なかば呆れるようにして彼のベットに座り答えた。
「いいじゃん、明日も休みなんだしぃ……」
いやいやそれは今日の夜に言うセリフでしょう! しかし怪しからんなあ!!
「じゃあマイ分かったよ、寢るまで一緒にいるよ」
「もーう…… まあいいや、むぎゅー」
俺も彼の橫に寢そべるようにしてを倒した。すると彼はちょうど俺の頭のちかくにいたらしく、腹で俺を抱えるようにして抱き著いた。ちょっとだけぷにゅぷにゅな彼の、つまりは腹のやわらかいものが俺の正面へと広がっていたのである。
  とっても高いボディーソープの匂い、バラの匂いであった。そんな匂いに彼がしだけ大人になったような、小さく焦るような気持ちが芽生えてしまった。
  なんだろうか…… 日に日に変わっていく彼に俺は寂しいんだろうか。いいや違う。多分だけれど彼が変わっていくことに、俺はどこにも行ってほしくないとそう思ったんだろう。べつに彼と長くいたわけでもない。それこそなじみのように。
彼といままで、あの事件の前のことの彼なんてちょっとだけ彼から話を聞いた程度で、全くと言っていいほど知らないのだ。
  俺は彼がいつも甘えているように、俺もまた彼にできるだけわからないように彼に抱き著く形で抱きしめた。
「私を放さないでねタスク」
「そうだな…… マイを絶対に離さないよ」
「ありがとう。タスク大好き」
「俺もだ。マイが大好きだ」
両腕を彼に抱き著くようにして回した。それに彼はしだけ俺の方へとを寄せた。そして彼のお腹の音をききながら待機していた。
それから數十分ほどして彼が眠った。俺は、彼の部屋を後にした。
自室に戻り特に何もすることもなくただボーっと時間を過ごしている。ここに來て俺は何か始めるべきかと考えていた。それはマイが友達とバンドを始めたと聞いたからだ。
もとからマイは音楽が好きだったらしく、今度パーッとやるから発表會に來てほしいと彼に言われたっけなあ。
  しかし、”あそこ”で闘うこと以外に何もしていたという俺ではない。まあゲームはかじる程度にしてはいたが、どうやら文明の進行合が、”あそこ”とここでは五年ほどの違いがあると、じている。まるでど田舎に住んでいた人間が、それなりの都會に移してきたかのようなそんな覚であると、上京を題材にした本から例えを引き出した。
  友達を作るのはどうだろうかと考えてはみたが、彼と一緒に學校に行っても同じ生徒たちとはあまり仲良くはできないんだろうなと、かすかにそんなことを彼らの向を見て確信していた。明らかにこの平和を何も起こらない平和を骨の髄までしゃぶり盡している彼らとは違った世界を、それは人が死ぬような世界を味わってきた人間がおいそれと、彼らと一緒に仲良くできるのかと考えると、ライオンと飼い貓を両方飼うようなもので、人種が違うことに多分、俺が疲弊すると予測できる。もとからの子から話かけれるような(ユウから)若干人見知りのった人間からすると、やっぱり俺は人づきあいがダメなんだろう。
  正直こんなことを考えるのも今更すぎるので、筋トレをすることにした。
それからマイが起きたので、二人でぐーたらしながら一日が終わった。まあ今、俺にはマイしかいないのだと考える。でもこうして彼と過ごす平和な時間もそれはそれで悪くはないとそう思いながら、俺は一日を終えた。
それから同じような日曜日が過ぎ去ると學校が始まったのだった。
  あいにく車の免許を取得していた(裏の事で取得しているのである)俺は、彼を送ることも護衛任務の一つとなっていた。まあここまで二人で一緒にいると無言もだんだんと増えてきた。まあこれが安心のようなものなのだろうかと、俺はそんなことを思いながら彼をしっかりと高校まで送ることができた。
彼の執事のようでもあり、しかし彼と近い距離にいるということもなかなかいいものでもあった。まあ俺のようなものには彼のような首が必要なんだろうと、そんなことを思いながら、しかしこの現実を楽しみながらも、彼と學校にった。まあこれが日常である。特に変わるわけでもなく、何かがあったりするわけでもなく、ただ平凡に時が過ぎ、そして定時になるとこの箱庭から家に向けて変えるということである。
  こんな日常もまあ楽しめたのだ。彼がそばにいるってのもあるけど、やっぱり多分だけれど(他人事のようだな)、こんな日常もあってもいいのだ。
  しかしあまりにも浸かりすぎていると、頭が平和脳になってしまうんだろうかと、ちょっとだけそんな心配もしたりしてみた。いざというときに反応ができなくなってしまうんだろうかと。
  そういえば一つクラスのなかで俺の噂が広がっているんだそうだと、隣の會話から聞いた、というよりか聞こえてきた。しかしなんだ俺が聞こえるところで噂話をするもんじゃないだろうと俺は、ちょっとだけ呆れながらも、その容を聞いていたのだ。
  俺は、どうやら彼(噂話をしていたとなりのの子)、「マイの凄腕のボディービルダー」ということになっているらしい。ってなんだよそれ、彼のボディービルダーって俺はこの筋をマイのために見せつけているのか? さすがに俺は笑いをこらえきれず橫のの子を見ると、「ただの執事ですよ」と言っておいた。
しっかしなあ…… それを言うならボディービルダーじゃなくくてだなボーディーガードだろうに……
そのあとちょっとだけファンが付いた。
【電子書籍化へ動き中】辺境の魔城に嫁いだ虐げられ令嬢が、冷徹と噂の暗黒騎士に溺愛されて幸せになるまで。
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