《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》34話
目が覚めた俺は思いに耽っていた。
現実というものは、俺の目の前に広がっているものである。しかしあのような夢を見た後の俺は、やっぱり考え方というものは変わってしまうらしい。まああれが違う世界の俺だったという確証と、自信と証拠というものは、無いというわけでもあるが、しかし、このような現狀を、つまりは世界を救えと、あいつは”俺は”そう俺に言っていたということなのである。しかし、まあ俺がマイを救うのはそうなのだとして、彼が、あのあとどうなったんだろうかという。そんな想と、俺はまあそれなりにこの戦いの人生をやるのだろうとまるで、運命を見據えてしまった。この目の前に広がっている朝日をみてこれらすべてのことを思いついていた。正直俺は世界を救うなどという話に、それも彼を救うことでそのような大事にまでなってしまったという真実にやっぱり驚きを隠せない。
しかしだ。彼が噓を言っている。いやもしあれが本當の夢であったという可能も無きにしもあらずなのである。だからと言ってこれまでに鮮明に覚えている夢の容からしてまるで現時にあったようでもあるため、このような能力が使える人が別世界の俺という存在をわざわざ話をさせたという方法もあるなと、いままで戦ってきた能力者の全てを鑑みてそんなことができる人間がいてもおかしくはないと考えついた。
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彼がこの世界を作ってしまったということは、俺からすると、彼は神という存在になってしまうのかもしれない。彼の言っていたことは、この世界全ての中心はマイであると言っていた。となると、これから戦う連中の狙いも、おのずとマイが世界の手中を擔っていると分かっている連中であると、あの男は言っていたな。まああの男というよりも、違う自分ということになってしまうんだろう。マイが世界の中心というのならば、なんでもマイ通りにこれらすべてのことが、みどおりに運ぶということでもあるということでもあるんだろう。しかしそれらの人知を超えたような彼の神に等しいような力を、マイといままで付き添ってきて、俺は一度もみたことがない。ならば彼の言っていることがデタラメという可能も捨てきれなくはない。というよりもこれは夢か現かわからない、全くもって文字通りにそして意味どおりに理解が及ばない出來事であったため、これらについて考えることを俺はやめることにした。
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それから僕は、朝の私宅を済ませて、今日には戦闘があるという、いままでの戦闘で授かった、わずかながらのというもので銃のメンテナンスをしていた。この銃は俺からすると一つのお守りであった。それは今まで味わってきた、どのような過酷な戦闘でもなかなか壊れないという代だったからだ。一つ一つのパーツを綺麗に分解して、隅を殘さないように綺麗に専用のスプレー、用なので洗浄していく。掃除が終わったところで、ホルスターに閉まっておいた。
「今回もよろしく頼むな」
そう言って、やさしくそのホルスターのポーチのボタンをとめた。いつものように手りが全くと変わらないこの武。これからもこいつらに俺の戦いを任せていけると信頼のようなものが芽生えていた。
そして外を見る。いつもとは変わらない景、しかし何かが決定的に変わってしまうんだろうかというそんな焦燥に似た空気が確かに流れていた。それが今日だ。何が変わるのか俺には全くとしてわかることがない。マイを守れと、誰かが言ってたんだっけな。 だけれど不思議と口は、ここにはこの世界にはいない、もう覚えてはいない誰かに向けて放っていた。
「ああやってやるよ」
もう俺は夢のことなんて、ほとんど忘れていた。しかしある種の使命というものは、いいやこれは俺のやりたいことなのかもしれない。それは
「運命様上等だ、マイを守ってやる」
生きがいであった一つを失ってしまっても、しかしだ。俺はどんなに同じ場面を見続けたとしても、泥水を吸い続けたとしても必ず、彼を守ってみせるよ。
それが俺だ。
そして今までの回想は終わる。
続きは剣先生としゃべっていたあたりまでからだ。
的に話數を言うと二十八話。
俺は彼と、息抜きのような會話が終わった後で、戦場でなるであろう今まで通っていた七花高校の校舎前まで歩いていた。校舎は40年前に作られたということもあり、それなりの年期を醸し出していた。このような建は大好きだ。バブルの気な時代であったというじが見て取れるからだ。みんなが毎日のようにお祭り騒ぎで幸せであったという時代というのも俺にとっては是非とも味わってみたい。ちなみにその後のことなんて今は考えたくはない。それ空俺は建の外見をさっと見渡して、これからこの校舎が壊れてしまうのでは無いだろうかという悲しみのような考えが駆け巡った。形あるものはいずれ無くなってしまうというのは分かっているつもりである。しかし、まあしょうがないものはしょうがないと自分に言い聞かせるようにしてこの思考を止めることにした。
とりあえずこれから俺は、ある程度作戦の容をイメージで、反復練習をしていた。練習をするまでもなく、おれの頭には、あるものが埋め込まれているため、まあ記憶というものには自信があったのだ。それらの機能についてなどは戦闘のときに説明をしようと思う。これらは舊ソウルの戦闘のあとに、ある男によって半壊してしまったの代用として、脳の一部の領域を機械に変えてしまったのだ。なぜ俺の能力が超再勢力にも関わらず再生ができなくなってしまったのかというのも共においおい話をしようとする。
右耳に付いていた通信機から、マイを完全に匿ったという通信がってきた。マイはA棟の校舎の屋上にいる。俺と剣咲先生が話していた棟は、A棟の東にあるB棟の校舎だ。ミスリードとしてそこには剣先生率いる部隊が配置されている。ちなみにB棟の保護は俺と彼の部下の數十人足らずだ。対してA棟は二十人制となっていた。
彼の部隊というよりも、対ESPに特化させた正真正銘の無能力者の部隊である。剣先生直屬の部下ということもあり、俺は信頼を寄せていた。あまり話したことは無いが。 正直信頼をしているといっても、本當にあまり話したことがないため、どのような人たちというのは俺には全くと分からないことになる。しかし見た目からして年齢は三十代と思わせるような人たちばかりであることだ。百戦錬磨とは言わなくとも、彼らからでるオーラはやってきたという自があふれ出ていた。
彼らにならば俺の背中は任せられるとそう信頼を寄せていた。
陣形はそれなりの制いうこともあり、どのような奇襲であってもたぶんだけれど対応できる。もちろんたぶんだ。
現狀というよりも、俺の頭の上にマイがいるということであるが、今日に限って言えば俺が起きてから一度も會ってもいないし、話してもいない。それは作戦容を頭にれる時間、そしてミーティングの時間によって話す時間が無かったからだ。別に話すことができなかったからといって落ち込むようなことではないと考えている。これら全てが終わったらいくらでも話すことができるからである。まあなからず悲しいといったはあった。いや、どうもこの気分を話すのは恥ずかしいと思うのだが、別に彼といつものようには、しも話せなかったというのはやっぱり心苦しいのかもしれないと、自分を客観視してそんな想が出る。まあそうだな。
と獨白をしていると、一つの発音とともに、近くにあった茂みにあったカメラが壊れたという報が、右耳の通信機から流れてきた。
やつらが來る。
俺の後ろに立っていた剣先生の部下たちが俺を見て、一人が一つ首を立てに揺らした。俺もその人たちに合わせて小さく首をかす。これからそれなりの戦闘が始まる。今日は日曜日の時刻は九時。わざわざこの日付時間に出現予告をしていたにも関わらず、しかしまったくと何も始まらない。
いいやそれは始まっていたのだ。
誰が何を言おうと、冒頭からと口を揃えて言うように。
まるで知らず知らずのうちに俺の首に飼い主のいる犬の首に紐が巻かれていたように。
なんと間抜けな話であるのか。
これでは全く、これからこの先、人というものが信じれなくなるじゃないか。
「タスクさん、かないでください」
一人の男が、俺の頭にハンドガンであろう銃の先を突きつけていた。しかしそれは、俺の人的急所である、ある機械化された部分にだけ當てられていた。まるで元から俺の素と、その正、そしてその弱點を知っている相手。
理解はできていた。しかしだ。このような狀況を今まで味方であった連中から銃を向けられる俺はこの狀況を全くとそれは話半分に聞いているようにしてやはり理解はできなかったのだ。まさかと冗談であろうと。口が片方上がってしまう。
相手をだますのはまず味方からだと誰かが言っていたな。
ああクソッタレが、俺の味方全員が俺の敵だったというわけであるのか。
俺はまるであきらめたように両手を上に上げて一人のに向けて通信をした。
「剣咲さん、俺を騙していたんですか?」
まるでわかっていたように、しかし俺はこのようjな狀況下から彼が敵になるのであろうと、そんな考えが一瞬にして浮かんだ。
それに答えるように、一人のは俺の質問に対して、無慈悲な答えを出した。
「ああそうだ、危険分子ST―2008。今日こんにちお前は、私たちの手によって排除されるということになった」
そんなことが俺の右耳から聞こえるという現実に俺はしだけ面白いという想が出てきた。しかし意味がわかんねえよ。いいやこれは俺の甘さから來る現実逃避のようなものであるとわかった。そんな弱い自分に笑えてしまったのかもしれない。俺が何をしたんだろうか
「どういうことですか? 俺には全くと理解ができませんよ」
當たり前だこんな狀況で理解ができないといっている頭のいい人間がいたらここにつれてきて俺にこと細かく説明をしてほしい。もちろんそんな人間はいないと俺は確信しているほどに、この狀況は俺は全くと理解が及ばなかったのだ。なんだよ。
男の銃がしか、力んでいるのかもしれない。小さくいたことが俺の後頭部でわかった。そういえば…… そうだ。
俺は強いから。
自分でもわかっている。この強さは、誰にでも持っているものではないというくらいは。それはまるで番外のレールを歩いている人型の化けと言ってもいい。そんな男が……
”あっち”で能力者をたくさん殺してきた男だ。特別枠のランクFALSEというのものも納得がいくほどに、俺は人外の道を歩いているというのは今になって自覚した。しかしなぜ俺が、このような狀況になっているのかやはり理解ができない。マイを俺の首縄として扱えることもできるはずだ。その問を解決するようにして一人のの口が開いた。
「上層部からお前を消せという任務がった。それが今の狀況だ。お前に伝えた報はほとんどが虛報ということになるのかもしれないな」
「ほとんどというのは……?」
「あの不可解な掲示板の書き込み以外は不正解ということだ」
となると彼はヤタガラスの一人ということになるのか。
「そういうことだ。ヤタガラスとは私が作った部隊」
その語尾とともに、俺の頭の周りには多數の彼の部下が俺を中心とした円のように銃を構えていた。數は20。それは本當に一瞬まるで次にくる文字のようにその姿はあったのだ。
「無能力者、日本人、そして個ではなく衆としての強さを持った部隊」
まるで一つの集合のようにして、俺の頭に銃を當ててきた。
「マイは…… どうしたんですか?」
俺は聞かずにはいられない一つの質問を彼に投げかけた。
いままでの通信のような會話ではなく、目の前の彼に。
「それを聞いてどうするのだタスク。アカシック・レコーダーの彼を使って世界の秩序であるTrulerを倒そうというのか」
「倒そうとか倒さないとか、世界の秩序とかどうでもいいですよ。おれはただ彼の傍にいたい。ただそれだけです」
ああそうだ俺はマイの傍にいたい。そしてマイを守るんだ。マイを俺から奪取するということは彼は、もう俺の敵……
とある夢を思い出していた。いいやそれは今日見ていた夢だ。
彼を守るということは、世界を守るということだって?
何を言っているんだ。これでは俺のもといたあの”連中”達とも戦うということなのか。まるで俺が悪役のようじゃないか。しかしここまでTrulerの手が俺の所屬している組織にまで周っていたとは。人外のような連中だな。いいやあの夢で見たあの”俺”の忠告が遅すぎたのだ。
「マイはTrulerのあの男と一緒だよ。今は黃金の果実への階段を登っている」
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