《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》50話

男に、目の前の敵に繰り出すのは銃撃。

三度の火花を散らし、タスクの両手からすさまじいスピードで飛び出していった。

弾丸は、奴の顔面に目掛けてらせん狀の軌道を描きながら、一直線に飛んでいく。

それをタスクは、両目でとらえていた。

あきらかに當たったと、確信を一瞬のなかで、していた。

しかし、結果は、おかしなものであった。

そうだ、やつは天井へと張り付いていたのである。

まるで瞬間移をしたような錯覚、いいやそれほどまでに早いの移にタスクの目は追いつくことはなかった。

弾丸さえも、いいやこれは古武の移する類を使った、完全なる誤導的回避であった。

なんというさ、そして見かけによらない筋力、そして、天井に張り付くという、奇妙なの使い方。

奴の手には、手袋が裝著されていた。あの手袋が、天井に張り付くことができるのだと、推測することができた。

これほどまでに奇妙なありかたは、生にとある生に似ているとタスクは思う。

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これはクモであるかのようだと。

その一瞬に考えていることを清算したタスクは、次なる攻撃へと移行した。

天井にいる相手にへと、さらなる銃撃を放ったのだ。

片方は、天井に張り付いている場所へと、そしてもう一方は、先ほどの相手のきをみて、どれほどの移範囲をけるのか、頭の中で演算をして、消去法で実行に移った。

前に進むことはない。

それはタスクが銃弾を目の前で放っているからだ。自然と撃範囲にってくるようなヘマはしない。

その次にバックである。

奴のの後ろは、壁であったために、後ろに回避するようなことはない。

考えられる二択は、右と左、その両方を、まるで博打をするようにして、打つしかない。

によって、ジャムがないように銃を橫にして、二丁の銃を放った。

敵は追い詰められていると、判斷をしてたのか、すぐさま、回避行に出た。

弾丸は、右に出ていた奴の方へと命中をした。

銃弾の勢いが奴のを回転させて、奴は地面に落ちていく。

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背が高い細形に似合っているような、軽いのこなしで、三本の四で地面についた。

「がぁあ~ 痛いねぇ、たまらない」

カリカリカリカリと歯ぎしりをするように、歯を鳴らして見せた。

奇妙さ、奇抜さ、そして恐怖に相まって奴は、人間ではなく、人間の形をしているモンスターであるかのようであった。

こんないかれている人間が、ヤングサンクションズにいるなんてまったくもって、世界は広いものだとタスクは関心をしている。

「おとなしく撤退しろ、じゃなきゃお前ここで死ぬことになるぞ」

どうやら、いつのまにやらミライは、ターゲットを捕まえに屋上へと向かっているようだった。

エマは意識が戻ったのか、荒い息遣いで僕の戦闘を見ている。

タスクはあいてへの王手を考えていた。

しかし、そこまで油斷になることもないと、相手の攻撃を見ていない斷崖で、このような考えはダメであると、自分を律していく。

「こちらかも~ いかせてもらう~」

はぁああ、と僕に対して威嚇をして、どこかに力をれているようだった。

「水流タスクよ~ 私の能力は何だと思う?」

エグラナは、悠長にも、タスクに質問を投げかけていた。

タスクはし考えたのちに、何も答えることはなく、ただ黙って相手の出方を見るようにしていた。

それにエグラナは、あきれたのか、舌を出して、困り果てている表を作った。

しかし通常の顔でさえ、表の認識ができないために、タスクには何を考えているのかわからない。

「私の能力はぁ~ クモの異能だぁッ!!」

エグラナはタスクのそんなぶっきらぼうな対応に頭がたってしまったんだった。

勢いよく攻撃が開始されたが、タスクは寸分にして、よけることができた。

なんだこの白い塊のような攻撃は……

タスクは、先ほど、銃撃よりも遅い相手の口から放たれた攻撃に、疑問を持っていた。

まるで大きな白いタンである。

だがしかし、相手の能力がクモの生を催した能力であるとことに納得した。

奴の軽なき、そして天井に張り付くほどの接著力を持った四

確かに相手は、クモという生質を持っている能力者であった。

納得とともに、マガジンを換した。

そしてそんなものに僕は敗れないだろうという確かな自信が芽生えた。

「僕ってクモが嫌いでね。あの気持ち悪い手足を見ていると、寒気がしてくるんだよ俗にいう、視害蟲というやつだね」

鼻で笑いながら、そんなことをタスクは言った。

その行に、自分が笑われているようにけ取ったエグラナは頭にが上ってしまった。

「害蟲に殺される気分はどうだろうな~ タスクさんよぉッ!?」

確実に頭に來ていたようで、先ほどの白い球を何度も連してきた。

タスクは針に糸を連続して通すように、エグラナの攻撃を銃撃によって撃ち落としていった。

そして、いずれ弾丸が無くなってしまう、こちらのほうが不利であるとわかったために、しづつ奴のほうへと、タスクは打ちながら進んでいく。

害蟲と言われてしまったエグラナは、どうしてもこの攻撃でタスクを仕留めたいと眼になって攻撃をしていたが、タスクの練の銃撃によって何度も勢いを無くして、落ちていく白球に、無に腹が立っていた。

タスクは地上に落ちている白球をジャンプで飛び越えながら、球を放って進んでいった。

近くになればなるほど、移するスピードを上げていくことで、奴と渡り合えるような距離まで來ていた。

一つ弾を放ち、片手で、白玉の抜けている場所に手をつきながら、片手バク転の要領で、左へとき、そして自分のに向かってきている白玉をさらに著地と同時に撃ち落とした。

相手の行を完璧に把握することができた。

著実に距離を詰めていくが、相手はすぐさま、回避をしていた。

右に逃げていく。

次なるバク転で相手の顔面を蹴り飛ばそうとしていたが、相手が以外にもすぐに逃げてしまったために、弾丸を打つことで対処をしていた。

エグラナは、焦っていた。

これほどまでに、異常に戦闘が上手い相手とは渡り合うことがなかったからだ。

まるで敵の行をすべて把握している心中把握能力の持ち主なのかと考えるが、しかし相手はあの不死のリバース・リバースであるのだ。

噂だけで聞いていたが、しかし、これに不死が能力であると、誰にも相手ができないものだと、エグラナは、このわずかな時間の戦闘のなかでわかった。

こいつとは相手をしてはいけない能力者であると。

いくらランクが低くても、いかれている通り名がある、この男に太刀打ちすることはできないと、わかった。

撤退にるために、左にくと見せていたきを右へと変えているエグラナ。

タスクはまたしても反応ができていなかったが、すぐさま、発想を切り替えて、逆方向へと銃弾をはなった。

しかし相手には當たることがなかった。

「噂以上だね~ さすがはリバース・リバースというだけはあるね」

奴は、窓で立ちながら俺を見ていた。

タスクが銃撃で當てた左肩を押さえていた。

これ以上の戦闘は無理であると、相手は判斷していたのだった。

賢明であるが、タスクは奴の息のを止めたいという衝があった。

だが奴はもう下へと落ちていった。

慌てて下をのぞく、演出家のエグラナは聲だけを僕に投げかけていた。

「また合ったら、今度はしっかりと決著をしよう~ ひぃひっひっひっひっひっ!!」

奴はもう下を見ている僕の視界にはってはいなかった。

するとトウマからの報が聞こえてきた。

「タスクッ!! 相手を視界でとらえた! 狙撃するッ!!」

トウマが、んだ。

僕は下を見ることをやめて、エマのもとへと向かっていった。

「エマ……」

「どうしたんだよ、シケたツラしやがって」

僕はどんな言葉をかけてあげたらいいのか、なやんで、そして口を閉じていたのだ。

「まあよ、俺がしくっちまった」

あ、いててと、エマはそう言って、腰をさすり、壁に重をかけるように座った。

「その…… ごm」

「あやまんなくていいんだよ!!」

エマは起こっている。

僕はそれに対してもどうすることもできないでいた。

エマにどのような言葉を言えばいいのか。

「あのな、お前は黙っていればいいんだよ」

「でもッ、この作戦を考えた僕にも責任が」

耳についている通信機から、トウマが喜んでいる聲と同時に、窓から絶が聞こえてきた。

「おち、おちるううううう」

エグラナが落ちていったようだった。

どうやら下ではなく、上へと昇っていったようだった。

そんなことはお構いなしに、エマとの會話が続いていく。

「まあそうだな……」

エマはどうやら言葉を選んでいるようだった。

エマらしからぬ瞬間でもあったのだ。

「お前ってへんなとこで気負いすぎなんだよ! もうちょっとだな、指揮するなら、お前が日常で一人でいているように、大膽でいいんだよ」

照れているようにも見えた。

そしてまた、彼がどれほどまでに懐が広い人間なのかわかった。

「そうじゃねえとな、どんどんと死人やケガ人が増えていくだろうが。決斷力だよ」

「そうだな……」

しっかりと彼の顔を見て僕はうなずいた。

だからこそわかったことがあった。

この戦闘で、俺は……

「だからこそ…… 俺は」

「ん? どうしたんだまだ作戦は終わってないぞタスク」

「お前の盾になるよ」

まっすぐと、彼を見つめている。

の反応が見てみたくなった。

だからこそ、しっかりと彼を見ていたのだ。

「はっ!!////」

顔を赤らめて、何を言っているんだと、あっけにとられていた。

「だからだ、だからこそ、僕はエマの盾になるんだよ」

改めて、理解をしていないような彼に両手で肩をつかみながら、そう言った。

のそばにいたいと、僕はそう思ったんだ。

「なあ、なぁああああああああ!!」

エマは恥ずかしさのあまり、顔を隠していた。いつもの男勝りの格から、しっかりとしたの子になっていたのだった。

「お取込み中わるいけれど……」ミライの聲が聞こえてきた。続けざまに「ターゲットを捕獲したわ、作戦は無事に終了ね」

あきれているミライと、いまだに絶しているトウマ、そして真剣な顔をしてエマに言い寄っているタスク、そんなタスクに顔を赤くしているエマ。

これがチームの中をぐちゃぐちゃにしてしまうほどの、慘事であり、ミッションであり、作戦であり、出來事であり、終わった過去であったのだ。

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