《最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~》54話

「そんなこと言わんで~うちとご飯でもどうや?」

これまた無表でエフかは言うのだった。

ご飯というよりも、もう朝ご飯の時間であった。

「それもそうでしょう。わかりました」

盾田剣志は、考えるようにしてけ答えたあとに了承したのだった。

「タスク、君も一緒にどうだ?」

このわずかな時間でフレンドリーに答えている盾田剣志。

「よろこんで、それよりもエフカさんの紹介はまだでしたっけ?」

僕はエフカがどのような人なのかわからない。

「うちとしたことがぁ…… わすれてしもうてん」

とほほと無表でへこたれる彼

「見てのとおりぶっきらぼうな顔をしている人ですので」

と盾田がいうと、エフカから彼に向かって、すさまじいつっこみが。

「誰がぶっきらぼうや!!」

ボーンと盾田の肩にぶちあたり、すさまじい音を立てているのだった。

まるで鉄の鎧に鉄の拳をぶつけたような音だ。

このつっこみに盾田は靜かになった。

「こう見えてピチピチの十七歳や!! よろしゅうねえ~!!!!!!」

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キメ顔でピースをするエフカさん。

あ、はい。

でもどう見ても二十歳ぐらいの人だったのだ。

「でもどう見ても……」

ぶっふぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!1

顔が凄まじい早さで回転したのだった。

視界がぐるんぐるんと何度も回って、まるでちいさなメリーゴーランド。

いやメリーゴーランドはこんなにも早くない。

痛みすらじなかった彼のつっこみに、はつっこみをれているのか、もとの頭へと再生を始めていた。

「君が超再生を持っていなくてもそうするつもりやったで~ あんまりお姉さんをからかうのはやめるんよ(ハート)」

僕は彼に向かって、うんうんと、首がさらにちぎれるのではないかというくらいに、頭を縦にふるのだった。

そしてエマがアイコンタクトを送ってきた。

(タスク……)

なんだエマ。

(こいつらやばすぎる)

俺も思った。

(キャラ濃すぎとピーコ)

わかる。めっちゃわかる。

(いまさらだけど。ほかの二人は、ビビってどっかいっちまった)

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マジカよ。

どうしよ、ここで切り上げるべきか。

「おーい盾田君、どうしたんや~?」

首は天を見たまま、どこかとおくを見ている彼。

目はしっかりと開いているために、たしかに起きているはずである。

「お~い、ほんまどうしたん?」

ハァっと盾田剣志は意識を取り戻したかのようにエフカさんの聲に答えた。

っていうかマジで意識吹っ飛んでたよね?

「い、いえ、今日は月が綺麗ですね」

「……なにいってんねやぁああああ」

真空破が何度もいいや千回ぐらいぶつかったような音が、いいやこれは音が聞こえたのだった。

エマは走って逃げていった。

俺はただなにが起きたのかわからず立ち盡くす。

狀況を冷靜に整理すると盾田がふっとんだ。

に言えば、紙切れのように飛んでいった。

山のような男が紙切れのようにふっとんだとなると、意味が分からなくなるが、しかし異常なほどの早さでふっとんだのだ。

「委員長ッ!!」

彼のまわりで、彼の部下であろう人たちが、ぞろぞろっとまわりに集っていく。

「き、気にするな…… 俺は大丈b……」

「委員長ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

部下の二人が彼を抱きかかえ、雄びをあげたのだった。

盾田剣志はここで息をひきとった。

第一部完

おい、勝手に終わらすんじゃねえよ。息をひきとってもいないし。

さすがのエフカ様もやりすぎたのか、彼の元へと駈けていった。僕も後をついて行く。できるだけ彼に離れながら。

「やりすぎちゃった、すまん力加減がフルパワーやってん、もうしわけない」

ふえんと、すこしだけあざといように、泣いているように両手で顔を隠したのだった。

やっぱりこいつらはイカれていると僕は頭が真っ白になりながら思う。

ぶっとびすぎで逆に笑えてくる。

「これが日本能力者支部か……」

僕は想が口にでてしまうほどに、心していた。

はちゃめちゃであるが、これらが見方となると、こちらからすると頼もしいものはない。

「気にってくれてなによりだ」

盾田はなにもなかったように立ち上がった。

エフカさんは、そんな盾田を見て、彼の腕に抱きつく。

「まあうちは未所屬なんやけどな」

「そうなんですか」

僕は驚いたような聲を上げていた。

「彼はたまたま、ここで知り合ってな」

日本が未曾有の危機だからこそ、あちこちの有力者がこぞって集まっているらしい。

どんな人間たちがいるのかは教えてはもらえなかった。

いつのまにかエマがいなくなっていた。

そろそろ僕も彼の元へと帰るべきかな。

「では、みなさん、楽しい話をありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ」

盾田が言い終わった後に、後ろにいた彼の部下たちが一斉に頭を下げたのだった。

「おにいさんばいびー」

エフカさんも手を振っていた。

いまだに盾田の腕を抱いている。

心なしか、盾田の顔がしだけ赤く見えた。

それから僕は、三人がいるところへと帰って行った。

今日は充実した日々であったなと、のんきにあくびをする。そして個室エリアを抜けて、奧の方のチームエリアへとついたのだった。

僕たちといっしょに日本へきたメンバーが挨拶をしてきたので返して、僕のチームがいる部屋のドアを開けた。

トウマがソファーでだらけていて、エマとミライは先に就寢していたのだった。

「おつかれさんタスク」

「ああ」

トウマの橫の大きなソファーに座った。

「お前ってすげえよな」

どうやらトウマはマッサージ椅子にいた。

「なにが?」

思わず質問する。

「あんなやつらと話をするなんて、俺には考えらんねえよ」

不思議そうに僕を見ているトウマ。

「そうか? 案外しゃべってみれば、ふつうの青年たちだよ」

僕はそう何気なく返して、テレビをつけるのだった。

「奇人変人だらけ、あの男はロボットとおもっちまった」

「案外暑い男だよ、あんまり素直じゃないからな」

まるでわかっているように言っていた僕。

まるで何かを知っているようだった。

だがしっさいは、なにも知ってはいない。

現在は晝の十二時を回っているのだった。

世間では、人がいままでのように、普通に街中を移して過ごしている。

いつもと変わらぬ景であるが、しかしながら、僕たちから見てみれば、それはとても迫した日であった。

これほどまでに敵が何をするのかわからない狀況に、上の存在も、頭を悩ませていたが、しかししっかりと、作戦通りに、ことは進んだのである。

福岡市港町にて、戦況は一気に変わったのだった。

突然と、黒づくめの集団が、あちこちで、出現そして、怪奇なるものを準備し始めていたのだ。

そして港町周辺を捜索していた連中によって、場所は確かに特定された。

大濠公園前、昭和通り付近。

ひとつの怪しい車両が通過していくのがわかった。

それは、たしかに普通のリムジンであるが、車両番號が日本製ではないということであった。運よくその車を認識できた散策部隊は、すぐさま追跡行った。

福岡大郵便方面へと進み、そして黒門橋を抜けていくと、すぐさま左の方面へと左折をして、川沿いを走り、大濠マンション行きの道路を抜けて、アメリカ領事館が右方向にあるが、そのまま信號を抜け、アメリカ領事館後ろにある、大きなビルのとっていった。

車の番號を照らし合わせると、20年前のロシア貴族が使用していたものと一致しており、すぐさま販売ルートの検索を報員に通達したのだった。

司令は、ここでもう一つの大國が裏で手を引いている可能が浮上してきたために、本國のFBIへと連絡を取ったのだった。

そしてすぐさま報詮索へと、報機関の活を促したのだった。

「もうすこしで、出撃だったんだけど、どうやらあの國がこの件に関して頭を突っ込んでいたという可能が浮上してきた」

僕は目の前にいる、エマ、トウマ、ユウへと伝えたのだった。

そしてすぐさま、報をいろいろとする。

彼らは、どうやらまんざらでもないようで、黙って聞いているのだった。

「ところでよタスク、もしロシアが、いいやあの國直轄下のアナグマ部隊が関與していたといってもよ、どう考えても何かしらのアクションがあるだろう」

そうなのだ。彼らは先んじて攻撃を行う。

アナグマ電撃部隊というのが、あの國の部隊の名稱であった。

「そうね、あの國がかかわっている可能なんてのはまったくとないに等しいと思う」

ミライはそう言うのだった。

僕は、確かにと彼らの話を聞いて、うなずいていた。

「どうせ、當てつけだろう。あの指令、戦爭狂な一面があるからな」

エマは、頭を掻いていう。

つまりは、戦爭がしたいためということか。

こういう人間がいると、本當に兵士をしているからするとたまったものではない。

「あ、いま報がった。詳しく、ロシア政府と検討をしてみるって」

ノートパソコンをみんなに広げたのだった。

「検討が健闘じゃないといいがな」

エマは冗談を言ってきた。

みんなはそれに笑っている。もちろん僕も笑ってしまった。

それから、一時間後さらなる報がった。

「新しい報だ。そのリムジンは、20年前にスクラップされた代らしい」

資料を一通りよんで、僕は彼らに言った。

「じゃあなんで、スクラップされたあの車が存在するんだ?」

トウマが素樸な疑問を投げかけたのだった。

僕はうんうんとうなずいて、そしてエマが口を開いた。

「どうせ好きがコピー品を作ったんだろう」

日本製のお菓子を食べながら彼は言った。

「いいや、それがどうにもその當時に作られた代そのままの姿だと」

車に詳しいエンジニアの回答も報にあった。

「なによそれ、まるで本をコピーしたみたいじゃない」

ミライは気味悪そうに言うのだった。

「待ってくれ…… エマ、僕と君が戦った殺沼ネストのことを覚えているかい?」

もしかすればだ…… これがわかれば……

「ああ、確かお前の能力をコピーしちまったイかれた野郎のことだろう?」

エマはちゃんと覚えているようだった。

「あなたの能力をコピーした男ね」

「ちゃんとあの戦闘のことは、作戦會議にも出ていたな」

ミライと、トウマも知っていることだった。

「ちょっと考えてみてくれ、相手はすべてのものをコピーできるのだとしたら」

僕が彼らに言うのだった。

これはまずいのかもしれない。だがまだ前提で話していることだ。

この報で斷定するのにはさらなる報が必要不可欠。

「どうにもこうにも……」

トウマはやばい表であった。

「やばいわね」

ミライも事の大事さに迫している。

「こりゃあ、今度のはそうとう厄介そうだな」

エマは不敵に笑っている。

「だが、まだ斷定はできない、報がないんだ」

すると報が、時を待っていたかのように出てきたのだった。

ビルの特定を行ったところ、どうやらとある大手の販売メーカーが持っているビルということだ。それは、通販なので高価なブランド品を庶民にも手がすこしだけ屆くような金額で販売している大手の転売販売メーカー。サイト、イベイバのビルであった。

去年にこのビルを購して、次から次へと事業を展開しているとのこと。

「怪しすぎる」

僕は一言添えて、ノートパソコンの畫面をみんなに見せた。

「この短期間でここまでのビルを購、そしてブランド品の販売」

何かあると、僕はそう直した。

いいやこれは當てつけのようなものではあるが、どうにもこうにも怪しすぎるのだ。

「どうやら當たりじゃねえのか」

トウマはいままで考察してきたことを肯定したのだった。

「そうね」

「そうだな」

ミライとエマもどうやら同じだと答える。

「よし、指令班に連絡を取るよ」

僕はすぐさま、照らし合わせた推理を指令班に伝えたのだった。

報解答の結果、ビンゴということだった。

それは、その會社の経歴が見事なまでに白紙であったからだ。

作戦通りに、僕らは最初の出撃役と配備されることとなった。

後ろには日本能力者機関の存在があるために、大事になれば、彼らを頼る。

お互いに、背中を守っていくような戦闘であると司令の未來視はあたっていた。

そしてなによりも、民間人のり混じった戦闘にならないように、すぐさま、ガスれ事故という偽の報を流して、近辺付近までの人の侵をブロックした。

日本の警察の協力のもと、人々の侵はなくなった。

あとは、このビルの中にいる一般人のことであるが……

どうにも、こればかりはしょうがない。

すぐさま、僕たちは配備されたのだった。

そして、全てを破壊し盡くすような戦闘が始まった。

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