《不用なし方》第41話
講義が終わって佳山と共にラウンジにいくと、そこには既に花の姿があった。
「岸さん、早いね」
「まぁね」
一人で考え込んでいたらしい花は冴えない顔で立ち上がる。
「あれ? 話をするって……」
「ここでとは言ってないでしょ」
記憶に関する話はデリケートなので、たくさん人がいるところでは避けたい。花はそう思っていつもの空き教室へと向かった。
亜と佳山も花の後を追うように付いていく。
特等席となりつつある窓側の席に亜が座ると、その隣に花、二人の前の席に佳山が腰を下ろした。
「さてと……休みの間になにがあったのか聞かせてもらおうかな」
花にじっと見つめられて落ち著かない気分になる。
「私になにかあったっていうよりも、お母さんに変化があったって言う方が正しいような気がするんだけど……」
「おばさま?」
花は意外だったのか目を真ん丸にして問い返してくる。亜は小さく頷いた。
「私が倒れた日に、お母さんが陸上部の人と話をしたと思うんだけど……その後から、お母さんの様子がおかしくて……」
「おかしいって、どんなじなの?」
亜は自分が目を覚ましたときの狀況から年末までの話をできるだけ詳しく二人に話して聞かせた。
「確かに、今までのおばさまのことを考えると大きな進歩よね」
事故から半年もの間、頑なに手掛かりになりそうなものを隠していたのだから。
「岡部さんとなにを話していたのかが分かれば、お母さんの気持ちの変化も分かるんじゃないかって思ったんだけど……」
「岡部?」
「うん、私を醫務室まで運んでくれた人らしいんだけど……」
「なるほど……じゃあ、直接訊きにいってみる?」
「「え?!」」
  佳山があまりにも平然と言うので、亜と花は大きな聲を出してしまった。本人に直接訊こうという考えがなかったからだ。親しいわけでもないのだから當然だろう。
「あっ!」
岡部という名前をどこかで聞いたことがあると思ったけれど……佳山だ。以前、さらっと口にされただけだったので記憶に引っ掛かる程度にしか殘っていなかったのだ。
「嬉しそうな顔してどうしたの?」 
花が怪訝そうに亜を見る。
「あ、ううん……岡部さんって名前、どこかで聞いたことがあるなぁって年末からずっと考えてたんだけど……今、佳山くんから聞いたんだって思い出して、ちょっとスッキリしたところ」
分からないことが多すぎてモヤモヤすることばかりだからなのか、小さな疑問でも分かったり解決したりすると、とても心地が良い。
「そんな名前、聞いたことあったっけ?」
「うん、あった。思い出した」
確信を持って言い切る亜を、佳山は微笑みながら見つめていた。
「佳山く~ん、めちゃくちゃデレ顔なんですけどぉ」
「あ、失禮。つい……」
呆れ顔の花に心の籠らない謝罪のようなそうでないような言葉を吐いた佳山が立ち上がって窓の外を見る。
「うん、いるね」
どうやら、岡部がいるかどうかお確認したようだ。
「いってみる?」
「……うん」
佳山の言葉に亜は短い思案の後、腹を括ったように頷いた。
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