《不用なし方》第77話
前日同様、無駄のないスケジュールで競技が進められていく。
「さすがに早すぎたんじゃない?」
帽子に日傘を裝備した花が溜め息を吐くように言葉を吐き出す。優希の出場する競技まではまだまだ時間があるのだ。
亜は楽しんでいるけれど、元々陸上に興味のない花は退屈で仕方がない。競技を観るよりも攜帯電話を見ている時間の方が圧倒的に長いのがその証拠だ。
「飲みでも買ってきましょうか?」
見かねたが苦笑いしながら立ち上がる。
「ありがと! 私、烏龍茶!」
「亜さんは?」
「あ……スポーツドリンク、かな」
「僕も栗林さんと同じで」
「じゃ、ちょっといってきますね」
「一緒にいこうか?」
「いえ、佳山さんには二人といてもらった方がありがたいです」
人が多いと変な輩に絡まれることもある。特に観やすい席を陣取っているのだ、だけをその場に殘すと危険度が上がってしまうとは考えたのだ。
元々爭いは好まない。平和ならばそれが一番である。
佳山にもその気持ちが伝わったのか、彼はに小さく頷き返した。
「暑いけど、こういうのを観るのも楽しいね」
言葉とは裏腹に涼しげな表で佳山がトラックを見下ろす。
「屋競技なら最高なんだけどね」
「う~ん……溫暖化が進めばいずれそうなるかもしれないけど……」
苦笑しつつも花の言葉をスルーしない佳山の優しさに亜が口許を綻ばせる。
「よくこの炎天下で走ろうとか思うよね……私にゃ無理だわ」
花がバッグから取り出した扇子で扇ぎながら興味なさげにレースを眺める。
「陸上競技は球技と比べると勝敗が分かりやすいから観てて楽しいと思うけどな」
「勝敗が分かりやすいってのは同意。テニスとかラグビー観てて凄いとか格好良いとか思うけど、正直點數とかルールはよく分かんないんだよね」
花の言葉に亜も心の中で同意する。
テニスのルールはなんとなく理解しているけれど、ラグビーに関してはまったく分からない。近にその競技が好きな人がいれば日々の會話で覚えていけるかもしれないけれど、殘念ながら父は野球以外に興味がなく、母はスポーツ全般に無関心だ。
気が付けば、花と佳山が亜を挾んで楽しそうに話をしている。なんとなく自分が邪魔をしているようで落ち著かない。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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