《お人形令嬢の私はヤンデレ義兄から逃げられない》16歳と18歳

お義兄様がトルネルク學園に戻られて実に2年…休暇になっても一度も帰って來ないので心配になり私も今年からトルネルク學園に學できる歳になったから後を追うように試験をけ合格できた。

「やっとお義兄様にお會いできるわ」

何故だかが高鳴っていた。久しぶりというか2年ぶりだし。

「良かったですねお嬢様」

とジョルジュさんも嬉しそうだ。

私はあれから夜會に出るたび

『お兄さんから招待をけてきました!な、なんとおしい方だ!陶人形のように綺麗だ!』

などと言う真面目そうな男の人達が寄ってくるようになり…競うようにダンスや見合いを申し込まれた。

…全て斷ってしまった。

なんだか心がもやもやして仕方なく他の人を見ても何もじない。それこそ私は主人のいない人形のようにジッと過ごしていた。

「でもようやく會えるわ。何で帰ってこないのか問い詰めてやるわ!」

私の事を思い帰ってこないのだとわかっていても一言言わなくちゃいけないわ!

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と私は學園に向け馬車を走らせた。

學式やホームルームで隣の生徒達に挨拶を済ませるとお義兄様を探し始めた。

男子寮の寮長に挨拶して

「あの、3年生のレイモンド・オルガ・カークフィールドはおりますか?私の義兄です」

と言うと寮長は

「んん?今はいないね…」

「え?どこへ?」

「さぁ…ねぇ?そのうち戻って來ると思うけど君のような可い子がこんなとこで待ってたら野獣みたいな男子に襲われるから早く子寮に戻った方がいいよ、なんなら送ろうか?」

と言われて

「い、いえ結構です。義兄が戻ったら手紙を書いたので渡してください」

と渡すと

「わかったよ、じゃ気を付けて」

と寮長に挨拶して私は子寮に戻るしかなかった。會えなかった。何となく寂しくなる。ようやく會って文句の一つでも言おうと思ってたけど…萬が一のために手紙を書いてて良かった。

學した事や時間があれば會いたいと日時や場所まで指定して書いておいたから明日から指定場所で待ってみようと思った。

しかしレイモンドお義兄様は

「來ないいいい!!!」

私はだんだんと足踏みしていた。會う気がないのかしら。家にも帰ってこない手紙も出さないでどう言うつもりなのか?

數日待っても來なくて苛々してきて校をぶらりと探索する事にした。

まだ知らない場所も多い。3年生の階段に続く渡り廊下の向こうの影になった所で何か聞こえた気がした。

私はそっと近づいて柱から顔をし出して見た。

すると…

ドス!!

っと黒い髪が揺れていた。

「うっっ!!」

膝をつく人影に見覚えがあった。でも…片目に眼帯をつけていた。お腹を抑えて蹲る男に更に蹴り続けるその男はこないだ會った寮長じゃない!!

「あんな可い妹紹介しろって頼んでんだろ!!」

「くっっ!………」

私は夢中で飛び出す!

「何してるの!!?お義兄様!!?」

と前に出て止める。

「あ!この前の!良かった來てくれたんだ!一緒にこれからお茶でも…」

私はズイと蒼いペンダントを突きつけ

「私にると呪いが発して貴方死ぬわよ!?いいんですの?」

と言うと

「ああ!?何だそれ?…」

「知りませんの?私に手を出した者は死から逃れられない。社界では囁かれていますのよ」

と言うと顔を変え寮長は去って行く。

「ちっ!!レイモンド!てめえさっさと死ね!」

捨て臺詞を殘し。

お義兄様はお腹を抑えている。

「大変!醫務室へ!」

「いい…何で…來た?僕はし休めば平気だよ」

「お義兄様!手紙も寄越さないし家にも帰ってこないのはこうやってめをけていたから!?それにその片目はどうしたんですか!?そんな怪我!」

「……いや…別に?ただ髪をかきあげられて目が気に食わないと一つ潰されたくらいだよ」

「そんな!くらいだなんて!やったのは誰ですか!抗議します!!」

「やめたほうがいい。上位の貴族様だからね。逆らわない方がいい」

「それでも!酷すぎますわこんなの!!」

と言うとお義兄様は

「それより何で來た?それにそんな石までまだ持っていたのか?それはただのペンダント。死なんて來ない」

と言う。

「知ってますわ!!だから利用させていただきました。…お義兄様…私とても寂しかったのですよ?何故家に帰ってきてくれないのですか?」

するとお義兄様は

「…婚約者は見つかった?良い人を選んで紹介したんだけど」

私は首を振る。

「そんなことなさらないで帰って來てください!」

「……心配かけたくないし…。アリスに會っても気持ち悪がられるだけだ。僕はね…君のことを初めて會った時から好きで…でも妹にしちゃうとこの気持ち悪い気持ちを知られたら引かれるし…お人形さんならって思ってでている変態だよ。

お義父様にも反対された…。だからもう早くアリスにまともな婚約者を見つけて僕は卒業したら侯爵家を継ぎ…年老いたら適當に養子を取り後を継がせるつもりなんだ。

だから僕の事はもう気にしないでいい。アリスが不快だろうから戻らなかった。これからも會わなくていいよ」

そう言うと私から離れて立ち上がる。全ボロボロだ。顔だけはバレるから毆られてないけど。

「目の傷は知りませんでしたわ。家に連絡が行かないようにしたのですね!?」

「………」

「レイモンドお義兄様!!きちんと応えてください!!」

と強く言うとガタガタ震え出したので不味いと思った。

「うううう!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!僕は悪い子悪い子悪い子…」

と震えて蹲るので私は背中をさする。

「お義兄様興させてごめんなさい!大丈夫ですからね。誰も責めてません。悪い子でも無いですから!ね、顔を上げて…」

そう言い、片目が涙目で上を向いたお義兄様に私は近付いてにキスを落とした。

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