《お人形令嬢の私はヤンデレ義兄から逃げられない》17歳と19歳③(レイモンド)

タウンハウスへと戻りアリスが學園に戻るまで楽しく過ごした。ジャック義兄さんとオリバー義兄さんに會って昔の記憶が蘇り僕は時々発作が起き、主治醫を呼ぶ事が増えた。

夜は心配してアリスが橫で眠ってくれる事になったので悪夢は見なくなる。無防備で眠るアリスを襲わないように僕は毎度自分の手首にリボンを巻いた。

ジョルジュは呆れて

「別に婚約者なのだから手を出されても問題ないでしょう…」

と言ってくるけど僕は可いアリスを怖がらせたくないし、何よりこの全の傷を見られるのが嫌なのだ。

僕のお人形であるアリスには傷一つ付いてなくいつも綺麗に著飾っている。

「レイモンド様?」

そろそろアリスは學園に戻るのでいつもみたいにお膝に乗せている。そして今日はアリスの髪を櫛でとかしている。サラサラな黒髪だから絡まることもない。

「アリスの髪はいつも綺麗だね」

と言うとアリスはし照れて

「レイモンド様に気にられるよう手れをしています」

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と可いことを言う。

「僕の為なの?」

「はい…この髪も全部貴方のものだから。綺麗にしないと」

アリスがふふと笑う。

「…もうすぐ學園に戻っちゃうね」

アリスを抱きしめながら額にキスをすると

「…レイモンド様…寂しいですわ」

とアリスは僕の首に腕を回した。片目は義眼で閉じることは出來ない。アリスは義眼にキスをする。

「僕も寂しいよ…」

僕はコトリと箱を置いた。アリスはそれを見て

「これは…」

と息を飲む。

「…春になったらアリスも卒業する。そうしたら一生僕のお人形さんになってね」

と手を取りキスをするとアリスは嬉しそうにうなづき箱を開ける。

蒼く輝く綺麗な石のついた婚約指だ。

「早くつけてつけて」

とはしゃぐアリスに丁寧に白い指に嵌めていく。いつも手を繋いでいたから大きさを想像していたけどスルリとピッタリ嵌った。

アリスは嬉しそうに指を眺めている。

「もし無くしたら…お仕置きだよ」

と言うとアリスは

「絶対無くしませんわ…」

と大切にすると約束した。

お互い見つめ合いお互いに頰に手を添えた。アリスは僕の片目に目蓋の上からキスをしてにそっとキスをすると上目遣いでお願いした。

「レイモンド様…今夜は眠らないで私をでてくれますか?」

と言われてその意味がわからない僕ではなかった。

「でも…僕…」

傷をまだ見せれる勇気がないことを言うとアリスは

「レイモンド様が嫌ならいいのです。靜かに眠っても」

と言われて

「傷を見たらアリスが悲しむよ。とても醜い傷が背中やお腹…腕や足にもあるんだ…。誰にも見せたことない…」

としょんぼりすると

「レイモンド様…私は嫌ったりしません!生涯を共にするのですから…貴方の傷も知りたいし私がしでも心を癒してあげれたらいいと思います」

と言うアリスに僕の心が暖かくなる。

子供の頃毎日けた傷…腫れ上がり放置されて蟲が沸き痕が殘りボロボロになった傷…。よくわからないことで叱られてご飯を何日かもらえなくてお腹が空いて死にそうになったりした。毎日一人で著替える時お風呂にる時に嫌でも目について自分でも隠しておきたかった。

でも僕は覚悟を決め

「わかったよ…アリス。今夜はずっと起きて君をでるよ…。一緒に朝まで…遊んでいい?」

と言うとアリスは頰を赤く染めうなづく。

僕は覚悟を決めた。この傷を見られたって嫌われたって…いいと言うくらいアリスをしているのだから。

その夜アリスが寢室を訪れた。いつも可らしい白いシュミーズに青い羽織りを著ている。

蝋燭を消そうとするとアリスは首を振り

「レイモンド様の傷をしっかり見ておきたいの。ダメですか?」

「……アリスは怖くないの?こんな傷を見て目を背けることになるかも」

と聞くと

「背けないです。嫌わないです。私はレイモンド様をしています」

僕は震えながらそっと抱きしめ片目から涙を流し

「アリス…僕のお人形…可がるよ…」

と言いキスを深くわすとゆっくりとベッドに沈めしいアリスと傷だらけの僕はその日初めてし合う。

アリスは僕の酷い傷を見ても本當に嫌な顔をしなかった。悲しい顔もせずに傷の一つ一つにキスをくれたんだ。僕はずっと泣きながら謝しながらアリスをした。

僕はアリスのらかなに包まれ傷が消えた様な錯覚に陥った。僕の方が年上なのにまるで僕は子供の様だった。アリスは僕を心からしてくれる僕だけのお人形でいてくれる。

それだけで幸せだ。

それだけでとても僕は満ち足りた。

翌朝しい僕のお人形が僕の腕の中でスヤスヤと眠っていた。

「ん……」

とアリスは目を覚ますと片目に手を當て

「もう泣かないでレイモンド様」

と言う。いつの間にか片目から涙が出ていたことに気付いた。

「うん…ありがとうアリス…。大好きだよ」

「私もです!」

そう言うとにこりと笑い合った。

アリスが學園に戻る前日にようやく頼んでいたものもできた。僕とアリスに似せた本のビスクドールでありお互いにそれを換して持つことにした。

「これで離れていても平気だね」

「本のレイモンド様の方が素敵だけど卒業まで我慢しますね」

とアリスは笑い馬車に乗って學園に戻っていく。

僕はアリスの人形を抱えて持ち歩いた。領地の視察に行く時も持ち歩き領民達に引かれたけど気にしない。

の子がジッと人形を見てきたので

「ごめんね、この人形は僕の大切なものだからあげられないんだ…」

と言うとの子は

「とっても綺麗なお人形さん…大切にしてるんだね!私も自分の人形あるの!」

と母親が作った人形を出して見せる。

「すみません、次期領主様…。こんな汚らしい人形を!」

と母親は謝ったが

「そんな事はないよ。のこもった素敵な人形だね。おままごとして遊ぼうか?」

と言うとの子は喜んだ。

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