《お人形令嬢の私はヤンデレ義兄から逃げられない》18歳と20歳

とうとう私は卒業した。

卒業式が終わるとレイモンドが馬車で學園に迎えに來ていて花束を貰う。

「卒業おめでとう!アリス!」

「ありがとうレイモンド様」

馬車まで荷を持ってくれこの後は一緒に侯爵家に戻った。

馬車の中でもレイモンドは私を抱き抱えていた。

途中でお墓參りを済ませ、侯爵家の皆にも迎えられ味しい夕食を食べて久しぶりにレイモンドと一緒にベッドで眠る事にした。

「いつもはレイモンド様のドールと一緒に眠っていたわ」

と今は一緒になって飾られた人形達を見る。

「ありがとう…僕もドールと眠っていたよ。でもやっぱり本のアリスがいい…」

「私も…本のレイモンド様がいいわ…」

と目をる。

「アリス…よくお眠り…僕の可いお人形さん」

と頭をでられキスをされ私はゆっくりと眠りに落ちた。

數ヶ月後に教會で結婚式を挙げた。

參列者はもちろんなかったけどジョルジュや邸の使用人達は祝福してくれた。

純白のウェディングドレスを著た私を見たレイモンドは真っ赤になっていた。

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「僕のアリス…今までで一番綺麗だ!結婚してくれてありがとう!」

とお禮を言われるので

「レイモンド様も素敵よ。これからはずっと側にいれるわ…」

と言うとレイモンドはうなづき

「うん…ずっとずっと一緒だよ?僕から逃げようとしても離さない…。約束だよ?」

「レイモンドのお人形だから逃げたりしないわ」

と抱きつこうとしたけどジョルジュがゴホンと咳をし

「お時間です」

と言われ私達は笑い腕を組み鐘の鳴る中、神様の前で誓い夫婦となった。

月中はまるでお部屋に監されたように二人で過ごした。

それからレイモンドは侯爵家を継ぎ領主として仕事を頑張った。仕事が終わると私と過ごし幸せな日々を送る。

レイモンドは結婚してから私の著替えを手伝って使用人にもらせない溺っぷりだ。

食事も膝に乗せて

「はい、アリス…あーんして…」

と口に運んでくれる。恥ずかしいけど食べさせあいっこもした。

領地に視察に行く時は前日にし合い、必ず私のドールを持ち出かけた。領民達はもはや人形の事にも慣れており人形好きな侯爵として話題になっており、侯爵家になんか領民達から贈られるドールが一と増えてドール邸宅と呼ばれ出した。

もちろんドールのモデルの私は社界でも有名になり人気になり、私はサロンでドールの魅力について淑達に広める會を開いたりとそれなりに楽しい結婚生活を送っていた。

ある日がだるいなぁ、気分が悪く吐いたりしたら心配してレイモンドが醫者を呼び診察してもらうと…

「ご懐妊しております。おめでとうございます!奧様!」

と言われレイモンドは暫く固まっていた。

「レイモンド様?レイモンド様しっかりして?」

と袖を持ち揺するとハッとして

「僕達の子供!!」

とレイモンドはお腹に手を當て喜んだ!

それからどこへ行くにも抱っこされるくらい大切に扱われた。

「転んだら大変だからね」

「気持ち悪くない?食べられそう?」

「赤ちゃんにいいオルゴールだよ」

と至れり盡くせりだ。

赤ちゃん用の服やベッドや部屋も増設して準備を整える。まだまだ産まれるのは先なのにレイモンドの浮かれぶりは激しかった。

ある日仕事で疲れて機で眠ってるレイモンドに布をかけようとすると起きて…

「ああ…ごめん…寢ちゃった…」

「大丈夫?この所頑張りすぎよ。疲れてるならゆっくりしてね」

と言うとレイモンドは私を膝に乗せ

「二人分だから重さが違う…。ふふふ…」

と笑いキスをくれる。

「あのね、僕…産まれた子はもちろん可がるよ。僕みたいに傷なんて一つもつけないよう可がるつもり…」

「そうね。私をそっちのけで可がりそうだわ」

と言うと

「そんな!どちらも可がるよ!もちろん!…なんて名前にしようかな…男の子だろうか?の子かな?両方の服を揃えたから…元気に産まれておいでね?」

しそうにお腹をでるレイモンド。

それから數ヶ月経ち私は元気なの子を産んだ。

レイアと名付けレイモンドはやはり人形の様に可がりぶりが凄い。レイアが寢付くと今度は私を可がる始末だし、レイモンドは本當に幸せそうに笑った。

そんなある日だった。

いつものように朝レイアの部屋に行くと…母がおろおろしていた。

「どうしたの?コンラードさん」

と言うと母のコンラードさんが慌てて

「レイア様が!私がし目を離した隙に消えてしまったのです!!」

と青ざめ…レイモンドは真っ青になり部屋中、屋敷中隅から隅まで全員で探したのに見つからない!

「レイア…!…そ、そんな…」

憲兵がやってきて窓が開いていたことから何者かに寄る拐と判明した。

私達はとても深い悲しみを負った。レイモンドは塞ぎ込み私もしくしくと泣いた。使用人達も領民も心配し見舞いに來たし行方を探す手配もしたけど何の手掛かりもない。

勿論使用人達も調べられたけどやはり誰一人疑わしい者は出てこず、完全に外部からの侵者として片付けられた。

ある夜…私とレイモンドは暖爐の前で語り合う。

「…大切にすると言ったのに…僕は何で…」

「レイモンド…私も悲しいわ…」

手を握りレイモンドは

「必ず見つけ出して犯人を殺す!レイアはきっと無事だ!!」

代金目的なら犯人から連絡が來そうなのに來ないなんて…」

「……レイア…無事でいて!」

とレイモンドと私は娘の無事を祈った。

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