《お人形令嬢の私はヤンデレ義兄から逃げられない》23歳と25歳(レイモンド)

「レイア…今日は可いドレスを著ようね…」

と用意したドレスをレイアに著せていく。

「ありがとうお父様。レイアも嬉しいわ」

とレイアも嬉しそうだ。可い僕の娘のレイア…。どこにも行かないでね。

何故かいつも何処かへ行っちゃう気がして僕は心配なんだ。

仕事を終わらせるとアリスがノックしてってきた。お腹には第二子がいるのに無理しちゃダメだと言うと

「お疲れ様です。レイモンド様…。あの…話があるの…」

と言う。

「何?どうしたの?」

「レイア…りなさい。貴方のお父様よ」

と言う。?何?

レイアによく似た5歳くらいのってもじもじしている。

「?この子は?」

と言うとアリスは

「レイモンド様…落ち著いて?この子は私達の子よ?見つかったの!お金を使ってごめんなさい。この子を…取り戻す為に必要だったの!」

と言うアリス。

え?

何言ってるんだろう?レイアはここにいるのに?

レイアに似たこの子に何を言ってるの?アリス。

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「アリス?レイアはここにいる。その子は誰?」

と言うとアリスは

「レイモンド様!!しっかり見て!貴方が抱えているのはドールなの!!本のレイアはこちらにいるの!」

と言う。

頭がグワングワンと揺れた。え!?

何?

レイア…!?

の子の瞳と目が合う。

頭の霞からレイアが拐された時の記憶が蘇る。必死で探しても何も見つけられない日々に心が折れそうになり僕はドールの部屋を開けたらレイアがそこにいて笑って……いや……

それは全部僕の見た幻で…僕はずっと現実から逃げていた。

「うわあああああああ…レイア!!うううっ!あああ!」

「レイモンド様!!レイモンド様!!」

とアリスの聲が聞こえてくる。

すると小さく

「お…父様…」

と聲が聞こえた。

小さな手で僕の頰にれる。

「うっ…うう、レイア!?レイアなのか!?本當に!?本當に本の!?」

と僕はドールを床に置いてしがみ付くとレイアは

「お父様……お父様!!」

と泣いた。

アリスも泣き三人で抱き合う。

僕はようやく正気に戻った。

この數ヶ月間アリスにはとても心配をかけた。夢から覚めたようで詳しく話を聞き、アリスと二人で育て親の元を訪ねた。

母親のエルネは茶髪で目も緑で元気が無く父親もゲッソリと貧しかった。そして二人は話始めた。

「侯爵様のお子様を拐するだなんて…。とんでもない罪をおかしました。妻が…病気で子供が出來なくてその事を昔の友人のラームという奴に相談したんです…そしたら俺に任せとけって…ある日…レイア様を連れて來られ…その子を育てろって…」

「侯爵家に現れたあの男ね…。私はあいつにお金を支払ったけど…その男は今どうしてるの?」

「わかりません…。5年経ちいきなりまた現れて…子供をレイア様を連れて行ったきり…妻は泣き私も消沈しました。レイア様は元気でしょうか?」

と語った。

「…お金は持ち逃げされたのね…貴方達は利用されただけね。それでも私達に子供を返さなかった罪は重いわ」

と言うアリス。それでもあの子の腕についた痣が僕と重なった。自分の子供にはそんな目に遭ってほしくなかったのに!

「…あの子に傷をつけたのは貴方達ですか?」

「いいえ!そんな!!全部…ラームです!時々やってきてレイア様が大きくなるとたまにやってきて…それで…」

と父親は目を伏せた。

「見てみぬふりを!?どうして?自分の子じゃないから?」

怒りが抑えられなくなりそうだ。

「ひ!違います!私も庇おうとしましたが…!ラームは…む、昔の罪を告すると言い逆らえなくて…」

「脅されていたのですね…。それでも子供だ。許せない!」

と僕は怒りで震えた。アリスは僕の手を握ると

「貴方達にも罪はある。それなりの償いはしてもらいます!もちろんラームについては指名手配を行います。それでいいですね?」

と言うと育て親達はうなづいた。

「なんなりと…」

とガクリと頭を垂れた。

「うちの領地で水路を建設する予定があるのでその工事を手伝ってしいの。人員不足だから。レイアも連れて視察に行く事もあるでしょう…」

と言うと育て親達は驚き涙を流しお禮を言った。

「レイア様にまたお會いできる!奧様!!ありがとうございます!!仕事まで!!」

「きちんと働いて…奧さんももっとマシなものを食べて栄養をとる事よ」

と言うと奧さんも涙してお禮を言った。

帰りの馬車で僕は不機嫌だった。

「レイモンド様?」

アリスが困ったような顔をする。

「アリスは甘いよ!もっと苦しめてやろうと呪ってやろうと思っていたのに!!」

とぷんぷんした。アリスが優しくて僕より寛大なのはわかるけど…。

「レイモンド様…この5年確かに私も苦しんだけど…レイアは戻ってきました。それにこの子も産まれたら今度こそ離さずレイアと一緒に幸せになりましょう!

もう…悲しみはたくさんです。…痛みは家族で幸せに変えましょう!」

そう言われると僕は弱い。

「わかった…確かにもう悲しみを我慢するのはたくさんだ。これからは僕も良い父親になり産まれてくる子もレイアの事も癒せるよう努めるよ…アリスとお義父様が昔僕を癒してくれたように」

でもあのラームという男は許せない!

僕はジョルジュの知り合いである呪師を呼ぶ。

「これはアリスには緒にしてくれる?ジョルジュさん」

「はい旦那様…。もちろんです」

と儀式を行いラームと言う男を呪った。

すると數ヶ月後にとある集落の村の川でラームが死んで発見されたと言う。

アリスは報いが起きたのねと言った。

「アリス…大丈夫?」

お腹が大きくなりもう數日でお産予定のアリスだから心配かけさせたくなかったけど

「大丈夫よ。むしろスッキリしたわ。お金を持ち逃げされたけど神様が罰を與えてくださった。レイモンド様…私はそれで充分です」

と言った。ごめん呪いました。とは言えずアリスは數日後に元気な男の子を産んだ。

レイアと共に可い赤ん坊を見る。

「レイアの弟だよ!」

とニコリと言うとレイアはクマの人形を抱きしめ

「おとうと…可い…」

と呟いた。そしてニコリと笑い

「早く大きくなってね!!」

と笑った。

子供にはハリソンと名付け可がった。

それから數年…レイアとハリソンがすくすく大きく育ち、僕とアリスは歳を取る。なんの疑いもなく。

そう、レイアが本當は僕達の子供ではないことは僕達には知り得なかった事で…僕とアリスが事故に遭い死にかけた頃ようやくレイアが重い口を開き

「今迄ありがとうお義父様、お義母様…。私本當は…レイアじゃないの…偶然私はアリス様の子供の頃に似ていたからラーム叔父さんに目を付けられ…この家にり込んだだけ…。でも裕福な暮らしができて良かったし、可いお義弟もできた…。

ありがとう二人とも安らかに眠ってね」

と手を組んだところを僕達はぼんやりと眺めたけど

「レイア…僕達…の娘…し…あわせに…」

と頭をで僕の意識は無くなった。

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