《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》57
「ポピー、緒の話をしていいか?」
彼の耳元でそっと囁く。
宮廷のミニホールでポピーとダンスの練習をしている最中だった。披宴で王子と踴る慣しの為か、彼からレッスンを頼まれたのだ。
このチャンスを逃したくない。
ポピーには常にエミリーがついており、二人っきりになる機會は皆無だった。しかもエミリーは皇室のスパイだ。きっと私は監視されているだろう。
幸いダンスのレッスン中、彼は近くに居ない。遠巻きに眺めているだけだ。私は慎重に話を進めた。
「何ですか、ジャック様……いえ、お兄様」
「怪しまれるから手短に話する。私はこの結婚に反対だ」
「えっ⁈」
「これは長年に亙り、王子が我が公爵家に仕掛けた謀だったのだ。いいか、エミリーは皇室のスパイだ。彼はシェリーの理解者のふりしてアルコール依存癥へ導いた張本人だったのだ」
「そんな……信じられません」
短時間で多くの報を流しても戸うだけかもしれない。しかし今しか伝えるタイミングはない。
「王子を含め皇室は公爵家を陥れる為に犯罪を発した。我々はそれに引っ掛かかってしまった。無論、影武者を仕立てた我らにも責任はある。しかし、これだけは言える。王子は腹黒くて汚いヤツだ。この結婚はよくよく考えろ!」
「い、今更、わたくしに斷る権利などございませんよ?」
「お前も分かっている筈だ。王子の想いは単にシェリーの格が気にいらなくて、そっくりで良識のあるお前に幻想を抱いたに過ぎない」
「そうだとしても」
「お前もシェリーも被害者なのだ。このままヤツの思い通りにさせるべきではない」
「お兄様、実はわたくしもこの結婚に疑問を持っていました。王子様は憧れでもあり婚求は嬉しかったけど心から納得はしていません。でも斷れないでしょう?」
「いや、お前さえ良ければ私が反対の意を唱える。たとえ公爵家がどうなろうと私はポピーとシェリーを守るつもりだ。お前らは大切な妹だからな」
「わたくし、シェリーと話がしてみたい」
「なに⁈ しかしエミリーの目を盜む事が出來るのか?」
「いつも一緒とは限りません。それにシェリーとは同じお屋敷に住んでるのですよ。深夜に抜け出して會うことは可能ですわ」
「會ったとして何を話すんだ?」
「確認したい事がございます。今夜、こっそり行こうと思います。お兄様も來てください。でないとシェリーが不安がりますから」
それは危険な行為だと思った。屋敷の中とはいえ、エミリーやポピー付きの使用人も住んでいる。まさか四六時中見張ってるとは思わないが奴らは侮れない。
それに「確認したい事」とは一何だ?
あまり気が進まないな。心とカラダの傷が癒えてきたシェリーがポピーと會って、またおかしくならないだろうか……
「では、お兄様」
しかしそれでポピーが納得してくれればと思い、私はシェリーの部屋に行く事を了承した。
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