《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》4. 古民家
「うん、風が気持ちいいっ」
穏やかな風がわたくしの気分を癒やしてくれる。レトロなお屋敷に花がいっぱい咲いてるしいお庭、そして新鮮な空気……。
ああー、ココロが和むう。王都の殺伐とした生活からは考えられないよお。ここは時間がゆっくり回ってるんだねえ。のんびり過ごしても良いんだー。
「アニエス様? 中へ案しますよー」
「えっ、ええ」
つい傷に浸ってしまった。慌ててバルナバさんの後ろを歩く。すると、お屋敷に二人のが待っていた。
「えー、紹介しますね。侍のベルティーユと使用人のコリンヌです。彼らは住み込みでアニエス様のお世話をします」
んっ? 侍と使用人が付くの? 罪人なのに?
と言う疑問をココロに仕舞って取り敢えず挨拶をする。
「初めまして。アニエス・オードランです」
ベルティーユはふくよかな年配の人。ベテラン侍ってじだけどツンツンしてるのが気になる。目も合わさず軽く會釈された。一方、コリンヌはまだく可らしいだ。おどおとしながら一杯の作り笑いでペコッとする。
多分、罪人だから警戒してるんだね。悪役令嬢って思われてるだろうし……まあ仕方ないか。
「間取りを説明しますね」
彼から一つ一つのお部屋を案され、その都度「あー、良いね」と激していた。
このお屋敷は古民家らしく吹き抜けの天井、年季のった大きな柱、家はアンティークなが多く、寢室のベッドは三人くらい寢られる大きさだった。部屋もたくさんあり、三人暮らしでも有り余るほどの広さだ。
「一応、僕の執務室もあります。あ、僕はここで寢泊まりはしませんよ。仕事で使うお部屋を頂きました。ご了承くださいね」
「ええ、全然構いませんよ。お好きにどうぞ」
「あー、良かった。ちなみに突然現れた監視殿のお部屋はありませんから、ご安心を!」
「うふふ。そうね」
薄さんを思い出した。彼とはあまり會いたくないな。
「アニエス様、お疲れでなければ島を案しますが、如何です?」
「ええ、お願い。是非見たいわ!」
思わず期待にが膨らむ。
「ベルティーユ、付き添い出來るか?」
「いえ、私は用事があるので……コリンヌ、アンタが行って來なさい」
「え、でも……」
「いいから!」
「は、はい!」
侍は迷そうにツーンとそっぽを向いた。
どうも嫌いされてるな。まあ一緒に暮らすのだし、これから時間をかけて仲良くなるしかない。
わたくしはバルナバさんに連れられ出かけることにした。後ろをトコトコとコリンヌが付いて來る。手を握ると「えっ」と驚きながらも顔を赤らめて、彼はしはにかんだ。
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
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