《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》56. 弔問
※ジェラール視點
ペチェア島の港は異様な雰囲気に包まれていた。王室専用の船が著港したのだ。黒する鉄のフォルム、金の裝飾で王冠が模かたどられた豪華絢爛な船に警護する者皆がどよめいている。
「殿下、大っきい船ですねー」
「いよいよ來たか。……バルナバ、お前は屋敷へ戻って警戒に當たってくれ」
「はい。お任せください!」
「うむ、アニエスを頼むぞ」
事前に打ち合わせした通り、屋敷は厳重な警戒制を敷いていた。もし彼のに危険があれば斷固阻止する様、指示している。
「よし、無難にこなしてやるっ」
私は不安を払拭するかの様に、気合をれて波止場で待ち構えていた。
やがて、二十人程の役人や兵隊が下船する姿を捉える。だが、そこには制服や軍服に包まれた人々の中で、一際目立つド派手なが含まれていることに目を奪われてしまう。
「あ、あれは?」
思わずブリスに問いかける。だが、ヤツはしかめっ面になっていた。
「聞いてないぞ。殿下、あれはカリーヌ様です」
「……は?」
な、なぜ、カリーヌが來るんだ?
「嫌な予がするな」
「ええ。これは想定外です。……いや、かえって彼が居た方がケヴィン様もきづらいのでは?」
「……なるほど、そうか!」
彼の居る前で、強引にアニエスを奪うとは思えない。これは好都合というもの。そうポジティブに捉えてるうちに、一行が波止場へ止めていた馬車の前までやって來た。
「ジェラール、出迎えご苦労」
「二年ぶりですね。お元気そうで」
兄は私を嫌っている。その表は凍りついた様に冷たかった。だが、カリーヌが側に居ることで上手く緩衝材の役割を果たすものと期待したい。
「ジェラールは変わらないねえー! うふふ」
「これはカリーヌ様、一段とおしくなられて」
「あら、お世辭が言える様になったのねー!」
「いえいえ、本心ですよ」
「ねえ、お姉様の様子見させてくれない?」
……は? 何のために?
「罪人ですから、近づかない方が宜しいかと」
そうやんわり斷ったが、すんなりとはいかない。
「えー、だって退屈なんだもーん。ねえ、ちょこっとでいいからさあ!」
わーわー、皆んなの前で駄々をこねるその姿に、一行は引きつっていた。流石に王太子が嗜める。
「カリーヌ、我々は弔問に來たのだ。ジェラール、さっさと案しろ」
「かしこまりました」
「ヤダー、わたくしも行くのお? 面倒くさーい」
ぐずぐず不満を洩らすカリーヌを王太子の隣に乗せて馬車を走らせる。私は馬にり、一行とともに監獄へ向かった。
【書籍化】傲慢王女でしたが心を入れ替えたのでもう悪い事はしません、たぶん
「貴方との婚約は白紙に戻させて頂く」凍りつくような冷たい美貌のリューク・バルテリンク辺境伯は決斷を下した。顔だけは評判通りに美しいが高慢で殘酷な性格で、贅沢がなにより大好きという婚約者、ユスティネ王女……つまり私の振舞いに限界になったからだ。私はこれで王都に帰れると喜んだけれど、その後に悲慘な結末を迎えて死亡してしまう。気がつくと再び婚約破棄の場面に時間が巻き戻った私は、今度こそ身に覚えのない濡れ衣を晴らし前回の結末を回避するために婚約破棄を撤回させようと決意した。 ※ビーンズ文庫様より書籍版発売中です。応援ありがとうございました! ※誤字報告ありがとうございます!とても助かります。ひらがな多いのは作風ですのでご容赦下さい。※日間総合ランキング1位、月間総合ランキング2位、月間ジャンル別ランキング1位ありがとうございました!※タイトル変更しました。舊題「傲慢王女な私でしたが心を入れ替えたのでもう悪い事はしません、たぶん」
8 111我が家の床下で築くハーレム王國
この春から大學生になった柏原翔平。念願の一人暮らしも葉い、明日入學式を迎えるはずだった。だがその日の晩、彼の家の床には大きな穴が開いていて、そこから何故か女の子が現れる。しかし少女は何故か全裸だった。 これは普通の大學生が自分の家の床下で繰り広げるちょっと不思議な物語。 ※2016年10月17日、全編改稿完了及び、新裝版床ハレに際してタイトル変更しました
8 90好きだよ
これは主人公の本條 舞(ほんじょう まい)が1個上の先輩鈴木 翔(すずき しょう)に戀するお話です。 新しい小説を思いついて2作品目も書いてみました!良ければ読んでみてください!
8 90とろけるような、キスをして。
従姉妹の結婚式のために七年ぶりに地元に帰ってきた美也子。 そこで、昔から"みゃーこ"と呼んで可愛がってくれていた高校の頃の教師、深山先生と再會した。 「今すぐ、帰ってこいよ」 「みゃーこなら、勘違いしてもいいよ?」 深山先生はとても優しくて、かっこよくて。 「もっと俺を求めて。もっと俺に縋って」 でもベッドの中では、 ほんの少しだけ、意地悪だ。 【2021.6.12完結】
8 171悪役令嬢は斷罪され禿げた青年伯爵に嫁ぎました。
斷罪され、剝げた旦那様と結婚しました。--- 悪役令嬢?であるセシリア・ミキャエラ・チェスタートン侯爵令嬢は第一王子に好いた男爵令嬢を虐めたとか言われて斷罪されあげく禿げたローレンス・アラスター・ファーニヴァル伯爵と結婚することになってしまった。 花嫁衣裝を著て伯爵家に向かったセシリアだが……どうなる結婚生活!!?
8 101親の操り人形は自らその糸を切ろうとしている
幸せな親に恵まれた青年 毒親に支配された少年 青年は交通事故に遭い、家族を失った。 少年は親から逃げ出し孤獨になった。 運命の悪戯は彼ら二人が出會うことから始まり、協力し合うことでお互い幸せを手に入れたかった。 しかし、青年が言った「交通事故を調べたい」この一言が二人の今後を大きく変えることになる…… ※カクヨム様、エブリスタ様にも連載中です。
8 188