《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》71. 斷罪

※ジェラール視點

「正式に陛下へご紹介する前に、本日は彼の無罪放免をお認め頂きたく」

「もしかして島に來ている娘か?」

「はい。この場に呼んでおります」

「よかろう。話をしてみるが良い」

「ははっ……では」

ビソンがホールの扉を開ける。と、そこには煌びやかなドレスを纏ったアニエスが居た。

「オードラン公爵令嬢のアニエスです」

「おおーっ」と、ファミリーが歓聲をあげた。余りにもしいのだ。だが、彼を知らない者はいない。ケヴィンの元婚約者だからだ。そして彼が“悪役令嬢”だと言うことも周知している。

ベルティーユが手を取り、彼が私の隣まで歩いてくる。アニエスは何が始まるのか分かっていない。

「陛下、並びに皆さま。ご承知の通り、兄の元婚約者で三ヶ月前、兄により流罪をけているでございます」

ルーク様がゆっくりと彼へ歩み寄る。

「ほう。噂には聞いておったが冤罪だったと?」

「はい。それを証明致します。……ビソン?」

「はい」

ビソンが別の扉を開けた。すると……。

「お、お父様! お母様!……カリーヌ!?」

思わずアニエスが口を開いた。オードラン公爵も呼んでいたのだ。そしてカリーヌ嬢は不機嫌極まりない。

「何なのよー、私は傷心中なのにいい~!」

「こ、これ! 陛下の前だぞ!」

相変わらず我儘な娘に公爵は手を焼いてる様だ。

「家族の前で改めて斷罪致します」

「ん? 誰をだ?」

「カリーヌです」

その言葉が信じられないといった表でカリーヌが場もわきまえずんだ。

「何で斷罪されなきゃなんないのよ! 私は婚約者を亡くして悲劇の真っ最中なのよ! ったく失禮ね!」

「失禮なのはお前だ。カリーヌ!」

「なっ、何よ! 王太子になったからって偉そうに!……ふんっ!」

「いい加減にしないか!」

今度は公爵が失禮な娘を叱りつけた。しだけシュンっと大人しくなったので、私は始めることにした。

「全ては我が兄とカリーヌが仕組んだものでした」

これまでの経緯をこと細かく説明する。兄がアニエスを襲おうとした事実や間違えて妹を襲ったこと。そのままカリーヌと際し、邪魔になったアニエスを陥れるために謀ったことなどだ。

「何故……反論しなかったのか、アニエス?」

ルーク様が直接、アニエスに問いかけた。

「恐れながら陛下、わたくしは自由になりたかったのです。ケヴィン様から離れて生きられるなら罪人になってでも……」

アニエスは極まって涙を流していた。

「ちょっと待ってよお! さっきから、如何にも私が悪者っぽい言い方してえ! い~い? 彼はお堅くて武を嗜んでるお強い姉よりも、可くてか弱い私に目移りしただけじゃん! 何よ、私がいつ姉を陥れたって言うの? 証拠でもあるの~?」

私は軽く溜息がれた。そして微笑を浮かべた。

「ビソン……」

「はっ」

彼がまた扉を開く。そこには、かつての同級生であるコーム、シリル、ディオンの姿があった。

「ああっ!?」

カリーヌの顔が変わった……。

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