《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》73. 希

確かにわたくしは妹が憎い。でも皆様の前で無罪をお認め頂き、お父様、お母様からも誤解が解かれたことで妹のことは不問にしても良いと思っていた。元々はケヴィン様が悪いのだ。

だけどお父様は許さなかった。

「カリーヌは囚人島へ送ってください」

「えっ!?」

「や、やだあー! 島流しなんてええ!」

「悪いことをしたのだ。監獄でしっかり反省しなさい。そうすればいつかは迎えに行く」

驚いた。まさかペチャア島とは……というか、今この瞬間、わたくしは自覚してしまった。

『無罪ってことは、もうあの島に戻れない!』

ここに居るベルティーユ、そして、ともに王都まで一緒に來てくれたコリンヌにバルナバさん、それからお屋敷でお留守番してるソフィア……。大切な仲間と離れ離れになるってことだ。それだけではない。孤児院の子供たち、院長や先生方、食堂の將さん、漁師のベロムさんはじめ、漁港の皆さん。

楽しくやりがいのあった牧場や農園。パン作りの途中だった。薬草畑も栽培途中だ。羊にニワトリ、そして可いコーギー犬のキース……。

わたくしにとって、この三ヶ月はとても自由で開放溢れる素敵な時間だったのだ。それが突然のお別れとは余りにも悲し過ぎるよ!

「アニエス様、良かったですね」

「ベルティーユ……。でも、でもね……」

「貴様は囚人島で暮らす方ではありません。王都で王太子をお支えください。この國のために」

「……!」

の言葉はグサっときた。ジェラール様も島へは戻れないのだ。わたくしは彼の側に居たいとも思う。必要とされてるのか分からないけど……。

「じゃあねえ、せめて特別待遇にしてよお! だったら我慢して行くからあ!」

まだカリーヌは駄々をこねていた。結局、ジェラール様のご采配で一旦監獄へ。そして反省の度合いを見ながら考慮するということで審判は下った。同級生三人の罪は不問になったけど王都へは三年間、出止とした。

これで元の生活に戻れるのだ。でも複雑な心境は拭えない。

宮殿の帰り、そんなわたくしを彼が気遣ってくれた。

「アニエス、今日は君の罪を解くことができて良かった。今度、改めて話がしたい。いいかな?」

「ジェラール様、ありがとうございます。とても嬉しいです。ただ、同時に島の皆さんとお別れするのが……辛いです」

そっと彼はわたくしの肩に手を添える。

「それは私も同じだ。だけど、ペチャア島が直轄地であることに変わりはない。あの屋敷はいつでも戻れる様、配慮しよう」

「いつでも? 本當ですか!?」

「約束する」

「ああっ……やり殘したことがたくさんあります。時々、様子が見られるなんて幸せです!」

わたくしはし、希が見えてきた。

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