《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》81. 布石

※ジェラール視點

「アニエス、今の仕事がひと段落したら一緒に島へ行こうか」

執務室でベルティーユから報告をけた後、私は微笑みながら彼へ提案してみた。すると、ぱぁーっと表が明るくなっていくのが分かった。

「とっても嬉しいおいです。殿下、ありがとうございます!」

の日常はアルフィーから聞いている。以前の様な覇気もなく、屋敷へ引きこもっていると聞いて心配していたのだ。

その原因は予測がつく。一度、罪人と言うレッテルをられた以上、世間の目は中々厳しい。いくら無実だと貴族の間で広めても限界というものがある。

この狀況を劇的に変えられるものは何か? と、考えた時にこじつけながら良い案が浮かんだ。

それは……。

『プロポーズすること』

即ち、王太子の婚約者になってもらう。これなら庶民に至るまで広く一般的に知れ渡るだろう。世間の目が一新するほどのインパクトがある。

勿論、同だけではない。初の相手だ。十年ぶりに再開して益々その想いは強くなっていた。アニエス以外、私のパートナーは考えられない。だから彼の好きなペチャア島で海や山を見ながら婚求したいと思っている。

──私にとっては一世一代の大イベントなのだ。

「あの……殿下……殿下?」

ハッっと我に返った。彼の前で自分の世界にってる場合ではない。

「……ん? どうした?」

「でも、お忙しいのでは?」

「あ、ああ。十日くらいなら大丈夫だよ。それに城へ殘した仕事も放り投げて王都へ來たからね。バルナバに全てを押し付けるのは申し訳ない」

ビソンが滯在してるとはいえ、ベルティーユが抜けた上にビルニー元陛下やカリーヌを収監させてるのだ。何かと神経をすり減らしてるに違いない。

それと急ぎではないが陛下の命でソフィアを一時的に呼ばなくてはならなくなった。そうなると牧場や農園が心配だ。というか、やはり彼は何かを知ってるな。それは今のところ私にも分からないが……。

「では、明日からベルティーユと別荘を回って貰おう。勿論、役人と警護の者も付ける」

「はい。かしこまりました」

にっこり笑ったアニエスがとてもしいと々ドキッとしたがココロのがバレそうだったので、ここで話を切り上げることにする。

が帰ったとれ違いにアルフィーが執務室へ戻って來た。

「殿下、お心遣いありがとうございます」

「何がだ?」

「お姉様を島へおい下さったそうで」

「うむ、彼には元気を取り戻してしいからな」

「また、ロイヤルファミリーのご婦人方にも謝されたと伺いましたが……?」

「それは関知してない。たまたまだろう」

実はベルティーユに彼ってくれと頼んだのは私だ。そして元陛下のコレクションを分配することの便宜を図ることで、これからお付き合いするであろう口うるさいご婦人方を味方に付ければと、一計を案じたのだ。無論、ルーク様の承認を得ている。あとはベルティーユに任せば上手く行くはず。

私はアニエスをロイヤルファミリーにする布石を打ったのだ。

    人が読んでいる<島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください