《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》84. 舵取り

※ジェラール視點

王室専用船の中で一人の世界にっていた。島に殘した殘務処理もあるが、先ずはビソンと話がしたい。王太子の私にとっては急事態なのだ。

因みにアニエスとベルティーユは明日の定期便で島へ行く。せっかくのプロポーズの予定だったが場合によってはまたの機會にするかもしれない。

さて、昨晩のルーク様との會話を思い出しながら置かれた狀況を整理してみる。

大國であるライクス王國の皇帝は世界侵略を目指す野家。かなりの経済、戦闘力を持っている。今のところ植民地のを制するのに沒頭せざるを得ない。それも泥沼化し時間がかかるとのこと。

だが、ひと段落すれば我がジョリー王國にも手をばすだろう。

何故、我が國が後回しになったのか? その理由は至って単純。「魅力がないから」である。つまり資源もなくかさに欠ける國なのだ。

そんな狀況化で三年前、侵略戦爭に懐疑的なビソン高が派遣された。元々、我が國の戦略擔當で大使館を影で仕切っていた彼は、改革派のエマール公爵を通じてビルニー様を廃するクーデターを計畫していた。そして監視の目を掻い潛り、島でルーク様と接を試みたのだ。

「で、お前は皇帝の考えをひっくり返せるのか?」

「現狀では無理です。とにかく領土を拡大したい。その野は消えることはありません」

「ならば、いずれは戦爭だ。兄であろうと儂であろうとな」

「いえ、ルーク様。貴方なら戦爭の道は選ばない」

「……まあチカラの差は歴然だ。無駄な抵抗は民を犠牲にするだけ。だからと言って儂もあっさり降伏する気はないぞ」

ビソンは不敵な笑みを浮かべる。

「貴方は賢い。國際覚もお持ちだ。貿易により外貨を稼ぎ、この國の財政を支えてきた。しかし政界から離れた今、無能なビルニー陛下やケヴィン王太子では舵取りは無理でしょう。それは貴方も分かってらっしゃるのでは?」

だがルーク様は意に介さない表を浮かべる。

「我が國にはエマール公爵をはじめ、優秀な貴族が居る。チカラを合わせ國を一つにすることが大事」

「それでも束ねる方があれでは……」

「クーデターはを招く。これこそ貴國に付けるチャンスを與える様なものではないか?」

「もしが起こっても我が軍をかに送って鎮圧させましょう」

それを聞いてしルーク様の表が厳しくなっていく。

「ふん。貴國の軍隊で治安がり立つ國など、もはや屬國同然だろう」

「しかし、このままだと戦爭を待つだけです。多くの民が苦しみます。それを避けるには屬國であろうと貴方がこの國の舵取りをすべきなのです」

「ビソンと言ったな」

「はっ」

「ライクス王國の脅威などとっくの前から考えておった。が……今、儂はかぬ方が良い。そういう結論だ」

「……かしこまりました。今日のところはご挨拶ということで。あ、それから私はこの島に殘ります。エマール様の親戚と稱してペチャア島の次に就任致すことをご了承ください」

「そうか……やりたい放題だな。まあ好きにしろ。隠居した儂には関係ない」

この後、以前から目を付けられていたエマール公爵はブリスの手によって暗殺された。ビルニー元陛下の勅命で。

そしてそのことを知ったルーク様は外部との接を斷つべく、自ら監獄へられたのだ。

    人が読んでいる<島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください