※ジェラール視點

あれから一晩中考え、考え、考え抜いた。恐ろしい現実だがけれなければこの國は消滅する……そう結論づけた。ビソンの志しを信じよう。老獪なルーク様から學び、私の代で明るい未來を摑んでやる。

新たに決意をに刻んだ。気がつけば朝。「コンコン」とノックが聞こえた。

バルナバだな。彼の愚癡を聞くのを忘れてた……。

「殿下あぁぁ、悩みごとは解決しましたかぁ？」

「うむ、すっきりした。バルナバ、改めて禮を言おう。この二ヶ月間、良くやったな」

「はい。死ぬほど頑張りました！」

「そ、そうか。死ぬほどな……まあ見たところ大の執務はできてる様だ。決済は今日中に処理しよう。で、何か言いたいことがある様だが？」

彼は目を麗し何度も「うんうん」と頷いた。

「本題の前に先ず、アニエス様の滯在許可申請をお願いします。短期ですか？　それとも多めに長期にしときます？」

あ、そうだ。彼へプロポーズする予定だったな。だが……本當にしても良いのだろうか？

々と考えてるうちに迷いが出た。気になることもある。先ず、當たり前のことだがアニエスがどう思ってるかだ。彼はこれまで兄の婚約者として英才教育をけてきた。ずっと我慢して生きてきたのだ。それが島流しされ緩い監視の元で自由を覚えた。王都より生き生きしてる。私と結ばれて王太子妃になることはんでない気がする。

それと王國の脅威だ。たとえ戦爭は回避できても、もし屬國となればライクスの皇室と婚姻を結ぶってことにならないか？

無論、けれたくはないが。

考えられる最悪のシナリオは、アニエスと結婚した後で無理矢理引き裂かれるってこと。そうなれば彼はどうなる？　守ってやりたいが我が國は弱い立場だ。彼を不幸にするかもしれない……。

「殿下、殿下？……何かツボにハマっちゃいました？　短期か長期かの単純な選択なんですけど……？」

これは焦って結論を出さぬ方が良い。彼の気持ちを確かめることは勿論、戦略を練っておられるルーク様にもご相談すべきだ。今は時間がしい。

「バルナバ、長期にしよう」

「はい、かしこまりました」

ソフィアが予定通り帰って來るとは限らないしな。

「それで本題ですけどね……話していいですか？」

「ん？　ああ、何だ？　じっくり聞こうではないか」

「はいっ、聞いてください！　罪人カリーヌのことですう！」

そこからバルナバは、これまでの経緯を愚癡混じりで長々と話し出した。永遠に続くかと思った。だが二ヶ月間頑張ったので我慢して聞いてあげた。

彼を更生させるべく様々な取り組みをしたが、ことごとく裏切り続けるカリーヌへの失。兇暴な格が全然治らない。不健康な生活により醜く太っていく姿……更生しないのは自分が無能だと思えてくる。そして何よりもアニエス様に申し訳ないと。

「僕はどうしたらいいのですか！？」

「うむ、バルナバ……妙案が浮かんだ」

「ええっ？　それは何ですか！？」

私は悩める彼にある策を授けた。更生するかどうかの確証はないが……。