《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》90. 居場所
「凄い! 長してる!」
わたくしはコリンヌとキースを連れて農園を回っていた。三ヶ月前に植えた薬草はぐんぐんと長し収穫が近いところまできていたのだ。
「ソフィアが一人で面倒見てたんだね……」
「アニエス様、私やバルナバ様も毎日の様に通って手伝ってましたよ」
「そうだったの!……ありがとう、コリンヌ」
敷地には立派な施薬院も完しており、何時でもお薬を加工できるよう整っている。
わたくしはやるべきことがあったんだ!
記憶が二ヶ月前に戻ってきた。脆弱な島の醫療に貢獻するため、『お薬づくり』をせねば。
「それと小麥畑も順調ですね」
「うんうん、自家製のパンを早く作りたいね」
農園や牧場を歩いてると笑顔になる。でもソフィアが帰ってくるまでの間だ。そう思うと悲しい気持ちも湧き出てくる。わたくしはどれくらいの間隔で島へ來れるのか……出來れば月に十日くらい滯在できたらいいなって思った。
殿下にお願いしてみようかしら。あれから何の連絡もないけど、きっとお忙しいのでしょう。ただひたすら彼を待つしかない。
「おねーたーーん!」
近くから子供の聲が聞こえた。孤児院の子供たちだ。
「ファビン、それに皆んな!」
「わーい! アニエス様だー!」
相変わらずファビンはキツく抱きしめてくる。さらに今日はいつもより長めだ。彼の高い溫がわたくしのカラダにも伝わった。でも、ちょっと高すぎる気がしてならない。
「ファビン?」
彼は首を橫に振る。「泣いてないよ!」っとでも言いたげな素振りだ。真っ赤なお顔だけど必死に涙を堪えてるから溫が高いとじた。だから気づかないふりをしてあげよう。
「アニエス様が居ない間も子供たちは牧場のお手伝いをしてたのですよ」
院長先生からそう仰られると、わたくしの方が涙を堪えることになった。
「偉いね、皆んな!」
「僕は將來羊飼いになるんだ!」
「ワタシは農園を手伝うわ!」
「わたしはパンづくり!」
そんな夢見る子供たちが可くて仕方ない。
「うんうん、一緒にやろうね!」
皆んなの頭をナデナデしながら、わたくしは幸せを噛み締めていた。そして自分の居場所はこの島だと強くじたのだ。
「ねーねー、おねーたん、遊ぼうよお!」
「これファビン。お手伝いに來たんだろ?」
「いいよいいよ、久しぶりだもんね。よーし、じゃあ……駆けっこしよっか!」
「わーーい! キースも行くぞー!」
「ワン、ワーン!」
久しぶりに子供たちと牧場を駆けって一緒に遊ぶ。草むらにゴロンっと橫になってくすぐりごっこを楽しんだ。
「も~う、キースが一番はしゃいでたな。どさくさにいっぱい顔を舐められたよう……」
と、皆んなで苦笑いしてたらファビンが何かを思い出したのか、真顔になって意外なことを口にした。
「おねーたん、さっきさあ……」
「うん? どしたの?」
「あー、ワタシも見たあ」
「ぜったいそうだよね」
「何を見たの?」
「……あのおじちゃんがいたんだ。ノラ犬にお顔をペロペロされてたよ」
「おじちゃんって……?」
「ダンスの下手くそなおじちゃんだよ。足を引きずって歩いていった。ケガでもしたのかな」
えっ!? まさか!?
思わずコリンヌと顔を見合わす。
監視殿が島に!?
引きこもり姫の戀愛事情~戀愛?そんなことより読書させてください!~
この世に生を受けて17年。戀愛、友情、挫折からの希望…そんなものは二次元の世界で結構。 私の読書の邪魔をしないでください。とか言ってたのに… 何故私に見合いが來るんだ。家事などしません。 ただ本に埋もれていたいのです。OK?……っておい!人の話聞けや! 私は読書がしたいんです。読書の邪魔をするならこの婚約すぐに取り消しますからね!! 本の引きこもり蟲・根尾凜音の壯絶なる戦いの火蓋が切られた。
8 186この美少女達俺の妻らしいけど記憶に無いんだが⋯⋯
「師匠! エルと結婚してください!」 「湊君⋯⋯わ、わわ私を! つつ妻にしてくれない⋯⋯か?」 「湊⋯⋯私は貴方が好き。私と結婚してください」 入學して二週間、高等部一年C組己龍 湊は三人の少女から強烈なアプローチを受けていた。 左の少女は、シルクのような滑らかな黒髪を背中の真ん中ほどまで下げ、前髪を眉毛の上辺りで切り揃えた幼さの殘る無邪気そうな顔、つぶらな瞳をこちらに向けている。 右の少女は、水面に少しの紫を垂らしたかのように淡く儚い淡藤色の髪を肩程の長さに揃え、普段はあまり変化のない整った顔も他の二人の様に真っ赤に染まっている。 真ん中の少女は、太陽の光で煌めく黃金色の髪には全體的に緩やかなウェーブがかかり幻想的で、キリッとした表情も今は何処と無く不安げで可愛らしい。 そんな世の中の男性諸君が聞いたら飛んで庭駆け回るであろう程に幸せな筈なのだが──。 (なんでこんな事になってんだよ⋯⋯) 湊は高鳴ってしまう胸を押さえ、選ぶ事の出來ない難問にため息を一つつくのであった。 十年前、世界各地に突如現れた神からの挑戦狀、浮遊塔の攻略、それを目標に創立された第二空中塔アムラト育成機関、シャガルト學園。 塔を攻略するには、結婚する事での様々な能力の解放、強化が基本である。 そんな學園に高等部から入學した湊はどんな生活を送っていくのか。 強力な異能に、少し殘念なデメリットを兼ね備えた選ばれたアムラト達、そんな彼らはアムラトの、いや人類の目標とも言える塔攻略を目指す。 一癖も二癖もある美少女達に振り回されっぱなしの主人公の物語。
8 103俺の許嫁は幼女!?
上ノ原 陽一(かみのはら よういち)は、ある日母親にこう言われた。 「あなたに許嫁ができたわ。」 それからというもの俺の人生は一変してしまった。 カクヨムでも、「許嫁が幼女とかさすがに無理があります」というタイトル名で投稿してます!話の內容は変わりませんがあちらの方でも投稿して貰えたら光栄です!
8 91後輩は積極的
同じバイト先の女子高生の後輩は、すごく積極的。 しかし、主人公はそんな彼女の思いに気が付かない。 いつまで経っても、自分の思いに気が付かない主人公に彼女はとうとう最後の手段に!? 「先輩はわがまま」のスピンオフ作品です! 前作も見ていなくても楽しめますので、よろしくお願いいたします。 不定期更新!
8 129これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!
主人公まりが、車の衝突事故から異世界へ 転生してしまう。目覚めると典型的な だっさい悪役令嬢。性格も極悪。 そんな中、曲がった事は大嫌い!と 正しいと信じる道を貫くまり。 イケメン俺様王子にだって文句は 言わせないわっ! だんだんと、王子もまりの影響を受け まりを溺愛するように。 どんな困難も叩き切る! 正義の為なら、怖いものなんてないのよっ! どんどん、周りを幸せにしていくという、 少し、お節介、そして人情味あふれる ラブコメディ。 私の生き方を見せましてよっ! はじまり。はじまり~。 ※カクヨム、アクアポリスにて同時投稿
8 182付き合ってから結婚するまで
少し前に間違って消してしまった「付き合ってから結婚するまで」シリーズを1から書き直してみました。 毎週土曜日更新。 主人公五十嵐優人と、幼なじみでヒロインの工藤陽菜が付き合い、結婚するまでのストーリーとなっております。 また、結婚してからのストーリーも「付き合って結婚した後」として、連載中です。
8 162