《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》97.

※ジェラール視點

「陛下、取り調べの中間報告です」

私は王都へ舞い戻っていた。ブリスの件もあるがこの國の行く末について、ルーク様のご意見を伺いたい。いや、正直言えば今の狀況で婚姻しても良いのか迷っているのだ。

陛下はチラッと書類を見て興味なさそうに機の上に置いた。

「ジェラール、他に用事があるのだろう?」

「は……その……ビソンから聞きましたが、我が國の進むべき道筋をお伺いしたく參りました」

「ライクス王國の脅威か」

「はい。何か手立てがございますでしょうか?」

「ふむ、そろそろ聞きに來ると思っておった。儂にはな、策があるのだ」

「……は? 策? 策とは?」

、ルーク様に何の策があると言うのだ? この資源のない貧乏國が大國を牽制するほどのモノがあるとは思えない。

「ソフィアに頼んでおいたが上手くいきそうだ」

「彼が何を?」

「金鉱山の発掘だ。あのジェントリの持ってる山々には大きな金脈がある。十年前に気づいたが伏せておいた」

「金山ですって!? 何故、隠していたのですか?」

「ん? 王室に言ってみろ。兄の私腹をすだけだ。大國の脅威が迫ってくるまでこのことは公にできないと判斷したのだ」

「なるほど……で、ソフィアが陛下の使用人だったのは、もしかして?」

「うむ、彼は人質だった。儂はんでなかったがジェントリのアダン家から忠誠の証として差し出されたのだ。まあ一緒に暮らしてるとがわいてな。孫の様に可がっていたが……」

陛下の話だと、正確な金脈の場所を知ってるのはアダン家當主とソフィアのみだったらしく、その當主は昨年亡くなっていた。つまり現在知ってるのは彼しかいない。十年前の記憶を頼りに金脈を當てたというわけだ。

「我が國に金脈が見つかったのは大変喜ばしいですが金の使い道は武を揃えることですか?」

「まあ自衛というより、かに西國、東國の支援に使う。勿論、武も含めてな」

「それはかなり危険な行為だと思いますが?」

「戦爭反対派のビソンがルートを作っている。あいつなら上手くやるだろう。もし見つかったら我が國も戦に巻き込まれるが……」

な、な、何と恐ろしいことを……!?

「儂はな、西國、東國をライクス王國から獨立させたい。それが我が國を守ることになる。そして三國同盟を結ぶ。金や武はその手土産だ」

いかん、余りにも想像を超えた話についていけない。一人になりたいぞ。いや待て、逃げるな。私にはもう一つ相談せねばならないことがある。

超個人的な話で恥ずかしいが──

「ではライクス王國に『恭順の意』を示すことはないと?」

「あるわけがない。が治らない限り奴らは我が國を攻める余裕がない。支援しながらチカラを蓄えておくのだ」

ならばっ……!

「陛下、実は私にはココロに想った人がおります。その人と結ばれたいのです。彼にプロポーズしても宜しいでしょうか?」

言った、言ったぞ。我が國の行く末を案じる話の中で、自分勝手な願いで凄く恐だが……。

「あん? この前の公爵令嬢だろ? さっさと結婚して後継ぎを作れ。儂はそう長くはないぞ?」

「えっ?……で、では?」

「直ぐにプロポーズしてこい。必ず功させろ。これは勅命だ!」

私は全から汗が吹き出した……。

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