《夜明けを何度でもきみと 〜整形外科醫の甘やかな〜》4
看護學校へ進んだ一年目、同級生の彼氏ができた。まだ実習が始まる前で時間に余裕があったし、同じく上京してきた者として支えあっていけたらと希が膨らんだ。
學校の授業でわからないところを教え合うなどをして毎日が楽しくなった頃、菜胡の部屋で勉強をしようという話になった。初めて男の人を部屋へ招くので、菜胡は"そういうこと"をするのだとうっすら期待もした。
玄関で抱きしめられ、狹い室、すぐにベッドへなだれ込んだ。急に服をがされた時、彼は顔をしかめた。
「なにこれ」
「え?」
「え、じゃねえよ、この赤いの何」
菜胡には何のことかわからなかったが、彼が見ているのは自の右房で、痣の事を言っているのだと解った。
「あ、生まれつきで……でも何ともないよ」
菜胡のには、生まれつき赤い痣がある。うっすらと、右房全に拡がるような痣だ。初めてみれば驚いてしまうのは當たり前かもしれないが、顔をしかめる程だろうか、菜胡は思った。
Advertisement
「……無理。萎えた、帰るわ」
「え、待って」
「そんなの気持ち悪くてれるわけねぇじゃん」
不機嫌に服を整えながら、初めての彼は部屋を出ていった。菜胡は半分がされた狀態でベッドに放置されけずにいた。
暴風が吹き抜けた後のような靜けさの中、何がそんなに怒るポイントだったのだろうと思いつつ、彼が消えた玄関の鍵を締めた。チェーンも掛けて、カーテンを引く。そのまま浴室へ向かいし熱めのシャワーを浴びた。
勉強すると言って來たはずなのに、部屋に來て早々ベッドに押し倒され、痣を初めて見て驚いて怒り帰ってしまった。
そんなに怒る問題なのだろうか。気持ち悪いと言われてもどうしようもできない。ただ相手が勝手に激昂し帰ってしまっただけで置いてけぼりを喰らったがする。
シャワーから上がって攜帯を見ると、彼からメールが屆いていた。
『何で最初に話してくれなかったの。もう連絡して來ないで』
「――最初に話す事なの? あたし痣持ちなんでそれでもよければ抱いてくださいって言えば良かったの? ……看護師になろうっていう人がこんな事で差別するわけ? 信じられない。どんだけ小さい男? 頼まれてももう連絡なんかしない。バカじゃないの」
涙は出なかった。泣くのはし違うとじていて、どちらかというと悔しさの方が大きい気がしていた。何も言い返せなかった悔しさ。ああいう男だと見抜けなかった悔しさ。それだけだった。それに、菜胡は何も失っていなかった。キスはおろか、あの手でにりもしていない。
――なんか面倒臭い、もうしない。誰かを好きになったって、この痣を見たら慄くに決まってる。気持ち悪いって言われて、置いてけぼり喰らうだけ……。
それからの彼は看護學校を休みがちになり、そのまま退學となった。
「お付き合いしてるなら彼を説得なさい」
擔任から言われたが、既に関係は解消している事を報告して、彼と関わらせようとする聲を黙らせた。後に、自分の思っていた道と違った、と他の友人に話していたらしいことを耳にした。自分と楽しく勉強していたのは何だったのか。本當にだけが目的だったとしか思えず、二人が付き合っていた事を知る人からはあれこれ詮索されたが、何も話せなかったし、話したくなかった。の痣に激昂されて終わった、なんて言えるわけがない。
「ねえ、やめる事知ってたの?」
「いま何してるの?」
「どうして別れたの? 喧嘩?」
別れた理由を強引に言うならば、菜胡の痣、なのだろう。だが喧嘩もしていないし、話し合いすらしていない。菜胡の痣を心配する事もなく、己の怒りのみをぶつけられた。そうして一方的に菜胡の前から居なくなった。だが、気持ち悪い、萎えた、とまで言った男と二度と顔を合わせなくて済むのだ、気持ちは晴れやかだ。喧嘩ができたらまだよかったのかもしれないが、喧嘩をして関係を続ける程、彼のことは好きじゃなかったのかもしれないな、とも思う。
ただ一人、親友の雅代にだけは、あの時の事をかいつまんで話した。雅代には生まれつきの痣がある事も既に話してはあるから、すぐに理解してくれた。
「初めに言えば良かったのかな。痣ありますんでって」
「あいつがヤリ目のクソだっただけだよ。痣を初めて見てビビったんでしょ、それでヤれなかったから菜胡のせいにした。菜胡はちっとも悪くないよ。菜胡を見てくれる人は絶対いるから」
雅代はそう言ってくれたが、それでも痣を知れば気持ち悪がられるのでは、というトゲは心に殘り続けた。
學年が上がるにつれて病院での実習が始まり、にかまける余裕がなくなった。それでも用な人は合間をってを楽しんでいるようだったが、菜胡はそんな気が沸かず、われる合コンも斷り続けた。そして案の定、われなくなった。もともと群れるのが得意ではないからちょうどよかった。
卒業後もそれは同じで、同期で就職した病棟勤務の子達から飲みにわれても頑なに斷り続けた。乗り気のしない場に出向くストレスよりも、靜かに部屋で本を読んでいた方がいい。寮の簡易キッチンで作り置きおかずを作り、部屋の模様替えをして過ごした。窓を開ければ、眼下に広がる都會の街並み――だったら最高なんだけど、と思いつつ南の敷地いっぱいに広がる墓地に目をやった。日當たりはいいし、とても靜かで気にっていた。それだけに、淺川の聲がよく聞こえた。
俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
世界中で知られる有名ゲーム機を 開発、製造、販売する會社 『新城堂/SHINJYODO』 三代目社長 新城 暁(30) しんじょう あかつき × 新城堂子會社 ゲームソフト開発 『シンジョーテック』 企畫開発部 成宮 芹(28) なりみや せり 暁にとっては運命の出會い 芹にとっては最悪の出會い 追いかけ追いかけられる二人の攻防戦
8 141気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!
可愛ければなんでもいい! 男の娘でも! 新宮 琢人はひょんなことから、通信制の高校に入學。 入學式で出會ったのは琢人のどストライクゾーン、貧乳、金髪、緑の瞳、色白、ハーフの美少女 ……ではなく、ただのヤンキーの男の子。 古賀 ミハイル ミハイルを見つめていたことで、「ガン飛ばした」と因縁をつけられて、彼女いや彼から「なぜだ?」との問いに、琢人は純粋に答えた。 「かわいいとおもったから」 その一言で、琢人とミハイルとの歪んだ出會いがはじまり、琢人との思惑とは裏腹にミハイルからのアプローチがすごい! しかも、女裝すると琢人のめっちゃタイプな女の子に大変身! 口調まで琢人好みに変えてくれるという神対応! でも、男裝?時は塩対応……。 あ~だから男の娘だとわかっていても、可愛ければいい! 禁斷ラブコメディー、ここに開幕!
8 103【完結】苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族戀愛~
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下著泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 當たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏 24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以來、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 戀愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を與えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以來、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 表紙畫像 湯弐様 pixiv ID3989101
8 107どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
俺達が普通に何気無く生活していた時、突然俺達の世界に謎の建造物が現れた! その名は魔王城! そこには人ではない魔物が住んでいて、その魔物達が人間達を襲い混沌とした日常が訪れる……なんて事にはならずに俺達は何気無く普通の生活を送る。 なにもしてこないなら良いか、俺を含めた皆が安心していた時、俺の身にあんな事が起きるなんて想いもしなかった……。 この物語は俺が魔王に拐われ魔王城や色んな所でドタバタする、そんな話である。 ※ なろう、の作者、麥茶ライスさんがイラストを描いてくれました! 2話にあります、ありがとうございます。 ※表紙は、小説家になろう、の作者、麥茶ライスさんのイラストを使わせて頂いております。 ※この小説は、小説家になろうにも投稿しています。
8 59本日は性転ナリ。
如月瑠衣(きさらぎ るい)は、ごく普通の男子高校生として代わり映えの無いつまらない毎日を送っていた。 しかし"ある日"を境に、その"代わり映えの無いつまらない毎日"は虛実が混じり合って作られた"幸せで平穏な日々"だったのだと思い知らされる。 幼馴染の"高梨莉結(たかなし りゆ)に手を借りつつも、男に戻る事の出來るその日まで女としての生活を送る事となった瑠衣。 これは"性転"してしまった瑠衣が、様々な"モンダイ"に見舞われながらも、周りの人々との出會いによって"本當の自分"を見つけていくストーリー。 興味を持って頂けたら是非一話だけでも読んで下さい。つまらないと思った方は、良ければその理由などもコメントして頂けたら、出來る限りの改善をしていきたいと思います。 未熟者が書いた素人小説ですが、創造をカタチにしていく勉強の真っ最中なので、是非溫かい目で見守ってください。 古い話から常時改稿していますが、途中から読み進めるのが嫌になるような文體になるかもしれません。 それは、この「本日は性転ナリ。」が、攜帯小説を始めてから、初めて完結まで続けられた作品なので、未改稿部分はルールや小説執筆の常識等も知らないままに思い付く事を書き毆ったからです。笑 今でも"改稿"と言える程の事は出來ていないかも知れませんが、以前と比べて確実に読み易く直せていると思いますので、是非改稿後の方も読んでいただけると幸いです。 この小説を執筆するにあたって、読者の方々に大変勵まされております。この物語が続いているのはその方々が居るからです。 本當にありがとうございます。
8 161メイドの鈴木さんは僕に戀をした
主人をとても愛してるメイドは存在するのだろうか? 主人公はとある金融グループの子供だが少し変わった生活を送っている。 それはメイドが主人である主人公のことを愛してやまないのである。主人公は少しずつ慣れようとはしているがメイドの行ってくる行為が余りにも刺激が強いため焦りを隠せずメイドに対して冷靜にしつつも心の中ではハラハラドキドキしている。 主人公とメイドは両思いのはずなのに空振りまくりのお話。 これはメイドと主人のラブコメ小説。
8 154