《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》婚活アプリに強制登録(2)

「12月までって……あと3カ月しかないっ。どうしよう……」

「自信持って登録すれば? 里穂は気にしてるみたいだけど、あんたモデル型だし、ルックスだって可い方なのに。もったいないって」

「そんなことないよ……」

私が初めて彼氏ができたのは、新卒でここへ社したばかりの22の頃。

上司の男と數カ月だけ付き合って、すぐに別れた。

それから5年間、浮いた話は一つもない。というより、最近は男と知り合う努力すらしていない。

原因は私の172㎝という高長にあった。

長年の長コンプレックスと、の失敗が尾を引き、次の一歩が踏み出せないまま。

きっとこんなきっかけでもない限り、干からびて年を取ることになる。

広報宣伝部に希を出し、異して3年。

うちの會社が作る商品は、人を幸せに導くアプリ。

それを宣伝する立場の私が、幸せからほど遠い位置にいるのだから、顧客の気持ちをするいい機會だとは思う。

でも…………。

果たして問題を拗こじらせてる私にピッタリの相手なんて、存在するのだろうか……?

仕事を終え、一人暮らしをしている2DKアパートに戻ると、さっそくスマートフォンを作し、初めてのアプリ登録を始めた。

ニックネーム:りん

居住地:東京

長:172㎝

年齢:27歳

職業:會社員

趣味:映畫鑑賞。食べ歩き。読書。

好みのタイプ:優しい人。私より背が高い人。

一言メッセージ:『一緒に楽しい時間を過ごしたいです』

その他項目多數……。

力することは結構沢山ある。

一時間ほどかけて項目を埋め、寫真は以前撮ったものから選び、送信ボタンを押した。

しばらくしてAIが、婚確率の高い順に、男のリストを提示していく。

すると一番上の段に、95%という高確率の男が表示されていた。

「えっ!? こんなに高い確率の相手なんているの?」

更にタップすると、お相手男のプロフィールがポンと表示される。

期待してないはずなのに、スクロールするごとにが増していく。

ニックネーム:ハル

居住地:東京

長:187cm

年齢:28歳

職業:會社員

趣味:映畫鑑賞。筋トレ。読書。

好みのタイプ:落ち著いた

一言メッセージ:『同じ趣味の方と出會えたら嬉しいです』

ハルという男の顔寫真がディスプレイに大きく表示されると、思わず凝視してしまった。

「すっ、凄いイケメン……」

そこには目鼻立ちの整った、涼やかな印象の男が寫し出されていた。

しばらく、おすすめの男に目は釘付くぎづけになる。

いきなりこんな條件の整った男が、ピッタリの相手だなんて……。

けど、5年のブランクは結構長い。

すっかりに対して臆病になっていたから、嬉しさより不安の方が勝まさっている。

そんな不安をよそに、翌日からメッセージが頻繁ひんぱんに屆き、ハルさんからの猛アプローチが始まった。

『同じ趣味なんて奇遇ですね。りんさんは、どんな作品がお好みですか?』

『りんさんはどのようなお仕事をされているのですか? 僕は不産関係の……』

『話が合いますね。りんさんがよろしければ、今度會って話しませんか?』

メッセージのやり取りが毎日続き、2週間後に初めて會う約束をわした。

婚活アプリって、こんなにもトントン拍子で話が進むものなの?

の猜疑心さいぎしんはじたものの、初めてのことだし、仕事上必要に迫られてということもある。

ここは覚悟を決めて、とりあえず流れにを任せてみることにした。

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