《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》酔った時の記憶(遙斗SIDE)

時間をかけて里穂を自分のものにすると決めてから、長い時間が過ぎた。

一緒に暮らすところまで持ち込んだのだから、もう急ぐ必要は無い。ゆっくりと里穂の記憶に刻めば、きっと俺の手に落ちるのだから。

今夜の夕飯で飲みにったのは、ただ里穂と外で飲みたかったからで、彼をものにするための策略ではなかった。

それなのに、簡単に酔っ払う里穂に思わず理が緩ゆるむ。

ビアグラスを持ったまま、里穂の目は半分閉じかかっていた。

「あんまり酔っ払うと、俺が襲うぞ」

里穂は眉をひそめ、口元を膨らませると悲し気にため息をついた。

「ふんっ。どうせ簡単に仕留められるとでも思ってるんでしょー?

そうですよっ。自慢じゃないけど、5年も彼氏いませんよぉっ」

「おい。3年じゃなかったのか? それに里穂の反応を見ていると、男と付き合った形跡がまるでないんだが」

「また、バカにするっ。私だって、これでもキスまでは経験済みなんだから」

里穂のセリフにビールを吹き出しそうになりながら、耳を疑った。

「キスまでっ……!?」

付き合っている奴がいたのはショックだが、これは俺が里穂の初めての男になるってことだよな……。

自然と顔がほころぶ。

里穂の反応から、男に慣れてないとはじていたが、まさか未経験だったとは。

相手が俺だからいいが、他の男やつなら間違いなくこのままホテルに連れ込まれてる。

まったく、どれだけ警戒心が薄いんだよ。

呆れるのと同時に、相手が自分だからここまで気を許せているのかと、自惚うぬぼれそうになった。

「おい、里穂。俺の前だからって、安心して酔いすぎだろ?」

里穂は目を閉じたまま、両手で頭を押さえている。

そろそろ連れて帰るか……。

スマートフォンを取り出しタクシーの予約を済ませると、彼の隣へ座り、肩を抱いて自分の方へと引き寄せた。頬は赤く染まり、眠たそうだが、酔っているだけで合が悪いようではない。

一安心していると、タクシーが到著したとの知らせが屆き、里穂を立ち上がらせた。

「はぁるとぉ……。ベッドルーム……どこぉ?」

「ここは、まだ店の中だ。自分の足で、歩けるか?」

里穂を背中から抱きかかえ、ふらつきながらも、出口へと向かう。

待たせていたタクシーにゆっくりと乗せ、隣のシートに座った。

至近距離で見ると、酔っている里穂の顔がいつになくっぽい。

このままキスしたい衝に駆かられるが、それではゆっくりと迫る計畫に反する。

タクシーで30分程走り、レジデンスに到著した。

すぐに降ろそうとするが、里穂はぐっすりと眠っている。仕方なく抱き上げてエレベーターに乗り部屋へと戻った。

ブラウスと長めのスカートをがし、下著姿にしてベッドの上へそっと降ろす。

「これで我慢しろって言うのか……」

過酷な狀況に堪たえきれなくて、里穂のベッド脇に椅子を置き、彼の顔を眺めながらビールを飲んだ。

1時間ほどで目を覚ました里穂を見て、理は一気に吹っ飛ぶ。

自分で決めたルールだが、今夜は守れそうにない。

里穂は下著姿でいることに驚いていたが、以前よりは俺を警戒していなかった。

がゴチャゴチャ言ってる間に、覆いかぶさった。

顔を近づけ、を重ねる。

里穂の甘い吐息が口の中で反響した。

このも、も、全て俺の記憶を刻んで、忘れないようにしてやる。

し早まったが、それが俺の計畫なのだから。

が首筋を辿り、の先端へ到達しようとした時、リズムのある寢息が聞こえてきた。

まさか……。

里穂の頬は紅し、口元は緩く開いたまま、穏やかな表で心地よさそうに眠っている。

あまりの可さにを強く抱きしめ、頬に軽いキスをした後、隣で仰向けになった。

「どれだけ我慢強いんだ……俺は」

長い夜にため息をついた。

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