《婚活アプリで出會う~馴染との再會で赤い糸を見失いました~》赤い糸の絡まり(2)
「みんな鈴河さんの魅力に気がつかないんだよ」
先日話した時は照れて、話しづらそうにしていたのに。お酒が回っているせいか、小田さんから発する言葉が熱を帯びてくる。
「そっ、そう言えば、報告書って書きました? ホント、小田さんにわれてなかったら、今頃まだアプリにかじりついて、半泣きでした」
「僕も、鈴河さんにOKもらえなかったら、登録しただけで諦めていたかもしれないな」
「お互い、現代の波に乗り切れないタイプなんですね」
共通點が多く、穏やかな小田さんの人柄にますます惹ひかれた。彼となら、きっと毎日ゆったりとした気分で過ごせるんだろうな。
嵐のような遙斗との関係よりも、小春日和のような小田さんとの関係に憧れる。
「あのさ、実は前に3年ぐらい付き合ってる彼がいたんだ。でも、彼が勝手な子で、結局上手くいかなくなって……。だから、次に付き合う子は絶対に幸せにしたいと思ってる」
以前、社の友人から聞いた報によると、彼は數年前に途中から社した転職組らしい。ただ、詳しいことはほとんど知らない。もっと仲良くなるためには、まずお互いのことをきちんと知る必要がある。
「それなら、私もちょっとバラします。以前お付き合いした人はいたんですが、私の長が高いことを、彼が疎うとましく思ったみたいで。お互いに段々気まずくなって、自然消滅したんです。想っている相手とは、なかなか上手くいかないものですね」
「それじゃ、お互いの別れにカンパーイ!」
「なんですかっ、それ?」
小田さんが気になって、私の手元にあるジョッキ同志をぶつけ、殘りのレモンサワーを飲み干した。
酔ったせいか、ちょっとしたことでも笑いが止まらない。
こんな風に楽しく飲める関係だったら、きっと険悪な狀態にならないんだろうな。
小田さんとの時間が心地よくじた。
そして……しだけ飲むつもりが、居酒屋に3時間近く滯在していることに気づく。
まずい……。
先日の遙斗との件もあり、なるべく飲む量をセーブしていたはずなのに、店を出る時にはし足元がふらついていた。
自然のり行きで小田さんが肩を貸してくれて、駅まで歩き始める。
「遅くまで飲ませて、ごめんね」
「いいんです。とても楽しかったので」
「そう言ってくれると、嬉しいな」
駅に戻るスクランブル差點で、信號が赤に変わり、しばらく待つことになった。
信號が変わった瞬間、ゆっくり歩き出しながら、小田さんがひと言呟く。
「……き合わないか?」
「ん? なんですか?」
差點で行きかう雑踏の中、聞き取りづらくて、もう一度尋ねる。
「僕とつき合ってくれないかな?」
「えっ……」
「鈴河さん可いから、ってもムリかなぁって、ずっと諦めていたんだ」
面と向かって何度も褒められると、慣れないせいか、どこかムズムズして居心地が悪い。
「そんな。お世辭でも、可いを連呼しないで下さい」
「お世辭じゃないよ。本當に、前の飲み會の時からそう思ってた……」
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