《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》ほどけない糸(3)

「そちらの方の験談も、とても良かったですよ。男の意見も參考になりますからね」

「いつもお世話になります。ところで、被りをして答えていたのに……どうして僕だと?」

小田さんは軽く會釈した後、遙斗に尋ねた。

「たった今、二人でステージ裏から出てこられたから、きっとそうだろうと」

「そうでしたか……。照れるな。彼とのエピソードも聞かれちゃいましたね」

「料理が上手なとお付き合いされてるとか……」

遙斗がしつこく質問してくる。

「はい。ここだけのですが。実は隣にいる鈴河さんが、そのなんです」

「お、小田さんっ! その話はっ……」

突然の暴に、全から汗が噴き出した。

「そうですか。彼とお付き合いを……。では、イベント頑張ってください。私は仕事の

途中なので、また――――」

遙斗は靜かに笑みを浮かべ、スタッフと共に立ち去っていく。

呆然として力が抜け、その場で座り込みたくなった。

きっと小田さんは私と遙斗の関係に気づいて、あんな発言をしたに違いない。

それなのに……どうしてだろう?

小田さんのことよりも、遙斗の目の前で、付き合っていることを宣言された方が余程ショックが大きいだなんて。

「里穂ちゃん。控室に戻ろうか」

「…………はい」

でも、きっとこうなって良かったはず。

これで遙斗も私を諦めるだろうし、私も遙斗に気を遣う必要が無くなった。

遙斗には他のがいるんだし、良かったって思わないと……。

まるで自分の心をなだめるように、肯定できる理由を探していた。

イベントの片付けが終了したのは夜の9時を回った頃。

朝から駆け回って疲れているはずなのに、テンションが上がりすぎて、興が抜けない。

會場を出ようとした時、ちょうど小田さんから連絡がった。

『仕事が終わったら連絡して。話したいことがあるから』

話したいこと? なんだろう……。

小田さんは元々オフの日だから、ステージを終了して自宅へ帰っているはず。

一応メッセージを送ってみた。

『今日はお疲れ様です。おかげ様で、イベントがさっき終わりました』

『お疲れ様。朝から一日働いて、ぐったりでしょ? もしまだ元気があるなら、これから一緒に飲まない?』

『今、自宅ですよね。わざわざ來てもらうのも悪いです』

『気にしないで。し話せればいいから、軽くお疲れ會っていうのはどうかな?』

『わかりました。どこへ行けばいいですか?』

『すぐに行くから、そこで待ってて』

さっきは遙斗のことで揺し、結局ステージ上でついた噓のことを、まだ聞けてはいなかった。そのことを尋ねなくてはならない。

會場の外で待っていると、10分もしないうちに小田さんがやって來た。

そこから歩いて數分の場所にある、靜かな雰囲気のバーにる。

店のカウンター奧には多種類の酒瓶が並び、青いでライトアップされ、異空間を演出していた。中心には大きな水槽が置かれ、青く照らされた小さな熱帯魚が、ゆらゆらと泳いでいる。

二人でカウンター席に並んで座り、バイオレットフィズとカシスソーダを注文した。すぐに綺麗なのカクテルが目の前に置かれる。

「イベント、お疲れさま!」

小田さんとお互いのグラスをカチンと鳴らし、グラスを傾けた。彼は一気に飲み干していく。

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