《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》想定外の(1)

會社に欠勤の連絡をれ、今日はのんびり過ごすことにした。

お晝頃には調が良くなり、リビングのソファーに座ってテレビを眺めることができた。

遙斗はダイニングテーブルでパソコンを開き、仕事をしているようだ。

そう言えば、心配になって出張を切り上げたって……。

段々申し訳ない気持ちになって、テレビを消した。手持無沙汰で近くにあった雑誌をパラパラとめくる。

「――ん? どうした。テレビを見てたんじゃないのか?」

「私のせいで、仕事に迷かけちゃったでしょ? せめてパソコン開いている間は靜かにしてようと思って」 

ベッドに戻れば済むことだけど、こうして一緒に居られる時ぐらい、同じ部屋で過ごしたかった。

「いくつか案件を確認して、メールを送れば仕事が終わる。それから食事を作るよ」

「私のことは気にせず、お仕事して。大丈夫、お腹は當分空きそうにないから」

それから10分もせず、靜かになった室に、私のお腹からキュルルルという音が鳴り響いた。遙斗がその音を聞いて、くくくっと笑い出す。

「そのお腹に、もうすぐ仕事が終わると伝えてくれ」

「こ、これはお腹が空いてるんじゃなくて……」

元気になったせいか、突然空腹をじた。こんなにタイミング良く鳴らなくても。

恥ずかしさのあまり、トイレへ駆け込んだ。

仕事を片付けた遙斗は、手早く親子丼を作ってくれた。鶏と玉ねぎをふんわりとした卵で包み、ご飯の上にそっと乗せてある。

「いただきまーす!」

口にれると、ふんわり出の香りがした。

甘すぎず、しょっぱすぎず、ちょうどいい味に仕上がっている。

「遙斗のごはんって、ホントにおいしい!」

ニヤニヤしながら、遙斗は食べている箸を止めた。

「俺は里穂の食べている姿が好きなんだ。可いから、一生見てても飽きそうにない」

ド直球な言葉に、またしても頬が熱くなってくる。

「どうせ、からかって楽しみたいだけでしょ?」

「そう言って、耳まで赤くなってるぞ。本當は俺に絡まれて嬉しいんだろ?」

「ち、違うよっ。噓でも褒められることに慣れてないから、照れてるのっ!」

遙斗は頬杖ほおづえをついて近づくと、こちらを見つめながら、低い聲で囁いた。

「さっき言ったのはホントだよ。里穂は、すごく可い」

ますます熱くなって、汗が吹き出し、顔からは火が出そうになった。

さっきまで勢いよく食べていたのに、そんなことを言うから、それ以上を通らない。

いた方が調子が良くなりそうだから、これを食べたら私が片付けるね」

顔を上げるのが恥ずかしくなり、俯うつむいたまま、殘りのご飯を口に押し込んだ。

夕飯時は元気になり、二人でキッチンに立つことにした。

風邪の治りかけなので、消化の良いリゾットを作ることに決定。ネギを刻んでいる途中、今日がクリスマスだということを思い出した。

「あぁっ! そういえば、私が買ったケーキってどうなった?」

「あぁ、あれか。冷蔵庫にってるが、中がグシャグシャだぞ」

「買った後、満員電車に乗ったから……」

「里穂は調が戻らないと食べられないだろ。俺が片付けておく」

「うん……」

あ~あ。今回は風邪をひいたり倒れたりで、散々なクリスマスだったな……。

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