《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》想定外の(3)

仕事が終わり、遙斗にメッセージを送ると、すぐに返信が來た。

『今日は仕事が早く終わりそうだ。大通り沿いのコーヒーショップで待ってて』

読み終わると、思わず笑みがこぼれた。

短いメッセージ一つでこんなに嬉しくなるなんて、すっかり遙斗に心を奪われてしまっている。

自分に呆れながらも、終業時間が待ち遠しくなった。

仕事を終え、コーヒーショップで待っていると、すぐに迎えに來てくれた。

外に出て車に乗り込む。

ところが、走り出してしばらくすると、行き先がレジデンスとは違う方向に向かっていることに気がついた。

「遙斗、どこへ行くの?」

「ひ、み、つ」

しばらくすると、巨大なホテルが並ぶ灣岸通り沿いの道路に出た。

車は海を眺めるように建つ一棟のタワーホテルへ近づき、駐車場へとっていく。

車を降りると、エレベーターに乗り、遙斗が最上階のボタンを押した。

目的がわからないままついて行くと、案されたのは、海と夜景が一できるレストランの個室。テーブルにはリザーブの札が立てられてあった。

「今夜だけ俺たちのクリスマスっていうのはどうだ?」

「遙斗……」

「一緒にケーキが食べたかったんだろ? ここなら、ディナーと夜景も楽しめる」

この店も、夜の景も、とても嬉しいけど、一番嬉しいのは、サプライズしてくれた遙斗の気持ちだった。

細長いグラスにシャンパンが注がれ、薄いピンクの泡が躍る。

今夜は車の運転があるから、ノンアルコールのシャンパンで乾杯をした。

遙斗から復讐という言葉を聞いて、ずっと不安のまま過ごしていたのに、結局こんなに優しくされるなんて……ホント、ずるいよ。

ますます惹ひかれてしまう自分を必死で堪こらえていた。

ホテルでのディナーは、しづつ盛られた冬野菜の前菜に、ロブスターと牛ヒレのステーキ。デザートにはダークチョコレートケーキ。

おいしそうなご馳走を前に、遙斗が目の前にいるにもかかわらず、思わず夢中で食べ始めた。

「ん―っ。おいしいっ!!」

遙斗は食事に手をつけず、シャンパンをゆっくり飲みながら、私の方ばかり眺めている。

それに気づき、恥ずかしくなってフォークの手を止めた。

「なんだか私ばっかり食べてる……。こっち見ても面白くないから、遙斗も早く食べなよ」

「食べてる姿を見ているだけで、ワクワクする」

「何、それ?」

「ご馳走を沢山食べさせて、満足させたところで、里穂を食べるのもいいかもな」

ぶわっと一気に流が顔に集まった。

まさか、この後帰宅したら、遙斗は私のこと……?

頭の中では、今までの行為が一瞬頭の中をよぎり、今夜も同じことをするのかと思うと、の芯がとろけそうになった。

「どうした? もっと食べろよ」

「そんなこと言うから、悸がして……」

「噓だよ。何もしないから、安心して食べろ」

落ち著かなくなりながらも、デザートまでなんとか食べ切った。

    人が読んでいる<婚活アプリで出會う戀~幼馴染との再會で赤い糸を見失いました~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください