《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》お禮とお詫び(3)

キッチンやリビングの掃除を済ませ、お晝の準備に取り掛かる。

メニューの希を聞こうと、遙斗の部屋の前まで行った。ドアの奧からの聲で、ノックしようとした手を思わず引っ込める。

「しつこいな、見合いはしないって言っただろ。來年の就任までには相手を紹介するさ。――――そうだ。アプリの関係で出會っただ」

アプリの関係って、他に會ってるはいないはずだし……やはり桂木さん以外思い浮かばない。

そうだよね……。

やっぱり遙斗を想う気持ちは、もう終わりにしないと……。

気持ちを切り替えて、室が靜かになったのを確認し、ドアをノックした。

「遙斗の食べたいもの作るけど、何がいい?」

「里穂が作るなら、なんでもいいよ」

「あの~。一番困る答えなんですけど」

いつもこうやって遙斗の傍にいられるのなら、好きなをなんでも作ってあげられるのに。そう思うと、ちょっぴり切ない。

朝がし重い食事だったので、簡単に作れる卵うどんを作ることにした。

おつゆを溫めて、冷凍うどんを軽く湯に通し、卵を落として、刻んだねぎを添える。

リビングに遙斗を呼んだ。

「おぉっ!! さっき食べたいなぁって、思い浮かべたところだ。よくわかったな」

「えっ? わかったっていうか、朝が重くて、軽く食べるならうどんかなぁって」

「さすが里穂だ。やっぱり俺のことをよく理解しているな」

そんなにベタ褒めしないでしい。

遙斗の世話をすればするほど、こうやって隣にいたくなっちゃうじゃない。

家事をやっている間も、頭の中では勝手に妄想が広がっているのだから。

もし遙斗の奧さんだったら、こんな風にキッチンに立って、彼の好きなを作って、謝のキスをされながら、抱きしめられて……。

「何を一人でニヤニヤしてる?」

キッチンで洗いをしている隣に立ち、急に突っ込みをれられた。

「なっ、なんでもないって」

「そうか? うどん、ごちそうさま。おいしかったよ」

そう言って腕を引っ張られると、一瞬軽く頬にれるキスをプレゼントされ、何事も無くその場を立ち去った。

殘された私は、頬を押さえながらキッチンで立ち盡くす。

遙斗って、本當にずるい。

こんなことされて、に落ちない子がいるわけないじゃない。

* * *

それから遙斗の帰りを待つ1週間が始まった。

早朝に食事の準備、玄関で彼を見送り、ダイニングテーブルの上を片付ける。

汚れた食を洗浄機で洗い、洗濯機をかし、ロボット掃除機をセットして、汚れが気になる場所はフロアモップをかけた。

リビングと自分の部屋の掃除は済ませ、殘すは遙斗の部屋のみ。

ドアを開けようとして、手に異変をじた。

あれ? ドアノブがかない。

「まさか、これって鍵が掛かってるの?」

ガチャガチャかしてみるものの、びくともしない。いつもなら開いてるのに。

遙斗がいない間に、見られては困るものでもあるのだろうか?

不思議に思いながらも、部屋を掃除するのは諦めた。

リビングのソファーに座り、乾燥機で乾かした洗濯を畳みながら、窓の外を眺めた。

今日は冬の曇り空で、空気が冷たそう。

    人が読んでいる<婚活アプリで出會う戀~幼馴染との再會で赤い糸を見失いました~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください