《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》お禮とお詫び(4)

もし遙斗の奧さんだったら、こうして彼の帰りを待つのかな。それとも、子どもができるまでは仕事を続けて……。

――って、何考えてるの私は!?

遙斗との未來なんてあるわけないのに、バカな妄想してる。

ふんわりとしたタオルの束を抱えて、バスルームの戸棚へ向かった。

今夜のメニューは鍋料理。

帰ってくる連絡を待ちながら、時間をやり過ごすために、流れているテレビをぼんやり見つめていた。

気が付いたら夜10時過ぎ。一緒に食べようと待っていたらお腹が空きすぎて、もはや空腹がない。

結局、遙斗が帰って來たのは11時過ぎだった。

しかも急な仕事がって、夕飯は會社で済ませたらしい。

「ごめん。忙しすぎて連絡をする時間が無かった」

帰宅した遙斗を玄関から追いかけると、何かがふんわりと香る。

あれっ? この香り……。

桂木さんがつけていた香水と同じ香りだった。

「ご飯って、どこかへ行ってたの?」

「いや、いつも使用しているケータリングがあってね。會社で済ませた」

とは同じ會社なのだから、一緒にて當然なんだけど。

もしかして、仕事と偽って桂木さんと會っていたのだろうか?

でも、ただのセフレな存在の私に、隠れて付き合う意味もわからないし。

なぜか想像するだけで、ムシャクシャしてしまう。

まさか、遙斗の付き合ってるに嫉妬するだなんて。

湧き上がるモヤモヤしたを、心の奧底にギュッと押し込んだ。

* * *

翌日からは遅い帰宅でも、きちんとご飯は食べてくれた。

彼の帰りを待つだけの生活が5日過ぎた。仕事が忙しいせいで、顔を合わす時間は意外とない。

金曜の夜、思い切って遙斗へ尋ねた。

「ねぇ、週末のスケジュールは空いてる?」

「土曜は資料に目を通して連絡する案件があるから、出勤する予定だ。日曜なら空いてるが」

「それなら、たまにはどこかへ出かけない?」

すると一瞬、遙斗の目が大きく見開き、すぐに満面の笑みを浮かべた。

「まさか、里穂からデートにってくれるのか?」

「デートなんて、大袈裟だよ」

確かに、今まで二人きりでどこかへ出掛けることなんて、ほとんど無かった。

「たまには遙斗と一緒に出掛けるのも、いいかなぁって……」

「いいね。どこへ行きたい?」

「どこって……」

「なんだ。行きたい場所があるわけじゃないのか。――わかった。俺が計畫しておく」

「うん」

前に電話口で話していたセリフが引っ掛かっていた。

來年までには親に紹介するって……。

もしかして、そう遠くないうちに、ここから放り出されるのかもしれない。

散々甘やかして、夢中にさせて、捨てられる。

きっとこれが遙斗の言う復讐の形。

そうはわかっていても、今の私はすっかり遙斗に心奪われ、彼と離れることができそうにない……。

もし、彼の元を離れるのなら、せめて二人でどこかへ出かけ、ずっと大切にできる思い出がしかった。

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