《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》お禮とお詫び(5)

楽しみにしていた日曜日が訪れた。

遙斗はグレーのパーカーにーに黒のスキニーパンツ姿で、いつもよりラフな格好をしている。黒のパンツが長い足をさらに強調して、モデルのようなスタイルに思わず見とれてしまった。

「なんだ? ちょっとラフすぎたか?」

「ううん。そんなことない」

「今日の里穂は一段と可いよ」

目を細めながら、上から下に視線をかし、こちらを眺める。

朝から張り切ってオシャレしたのは事実だった。

髪のブローやメイクに一段と力をれ、ロング丈のニットワンピースにストールを羽織った。そしてショルダーバックにはのプレゼントを忍ばせている。

「それじゃ、出かけようか?」

遙斗が車のキーを手に取ると、二人で玄関へと向かった。

2時間後、車は都心を抜けて郊外を走り、なだらかな山道を登っていく。

しばらく進んだ山の中腹には、切り開かれたような駐車場が広がっている。その奧には、木々が生い茂る中、コテージがいくつも點在して建てられていた。

車を降りると、さっそく思いきり息を吸い込む。

「この空気、なんか生き返る~」

「都會では味わえない空気だな」

駐車場の脇に建てられた管理棟で鍵をけ取ると、一つのコテージへ向かった。

鍵を開けて中へとる。

部屋には暖爐があり、薪がくべられ、赤々と燃えていた。室はゆっくりと暖められて、心地良い溫度になっている。この中なら薄著でも過ごせそう。

「山奧にこんな場所があるなんて、知らなかった。これなら都心から數時間で來られて、自然の中で別荘のように過ごせるね」

「ここは最近オープンした、コテージタイプの宿だ。ある程度離れた場所に建てられているから、プライバシーが保たれて人気があるらしい。今日は日帰りなのが殘念だけどな」

「急にここへ來るって決めたのに、どうやって予約したの?」

「TSAうちは不産業が主だから、知り合いに連絡すればすぐに用意してもらえる」

部屋のベッドやイス、テーブルなどはシンプルで、飾り気のない木製のものばかり。部屋全がいい香りに包まれていた。

「食事はフロントへ連絡すれば、運んでくれる。野菜中心のレシピが人気らしいぞ」

「調理道もあるのね。食材があれば何か作れそう」

キッチンを覗くと、戸棚には鍋や包丁などの道が収納されていた。

「フロントに言えば食材を持って來てくれるが、今日は里穂を休ませたい」

すぐ隣に立っていた遙斗が、私の前髪にれながら呟いた。

なんだか気まずい……。

こんなに素敵な場所に二人でいたら、変な雰囲気になっちゃいそう。

「あのさ。せっかくだから、ランチ前にお散歩でも行こうよ」

「そうだな。し寒いが、森林浴にでも行くか」

コートを羽織り外へ出ると、キリリとした寒さと、澄み切った空気に満ちていた。

深い森からは木や土の香りがして、中で吸収したら、すぐに充電できそうな気がする。

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