《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》平常心の限界(遙斗SIDE)

里穂の作った食事を食べ終え、自室へと戻る。

さっきの話を思い出すと、苛立いらだって、とても落ち著いてはいられない。

あのストーカー男。里穂を泣かせやがって……。

キッチンで涙をこぼしていた里穂の姿が頭から離れず、とても今回の件に首を突っ込まずにはいられなかった。

スマートフォンを手に、知り合いの調査會社に連絡をれる。

「ラングルの人事部にいる、小田という男の辺や経歴を調べてくれないか?」

それから數日後、詳細な報告をけた。

小田は以前ストーカー行為で解雇されていたことや、ラングルの幹部にいる親戚の縁故で社したこともわかった。

しかも、奴はストーカー行為だけでなく、SNSで里穂の寫真を公開していたことも知り、怒りで殺意が湧いてくる。

「すべてきれいに片付けてやる」

とはいえ、里穂を元の部署に戻すには、こちらも目立ってくわけにもいかない。

まずは匿名の通報という形で、ストーカー問題を提起し、小田を処分してもらう手段を取った。

安全のため、しばらく里穂を尾行させていたから、コンビニで強引に手を引く寫真などの証拠は揃そろっている。

SNSの方にも寫真を削除することを要請。

調査會社に依頼し、今後里穂に近寄るようなことをしたら警察に屆けるよう話をさせ、本人に誓約書も書かせた。

週明け、出社して書に線をれる。

「すぐにラングルのアプリ開発部に連絡を取ってくれ」

追い打ちをかけるように、TSAグローバルの名前も出し、社の問題を解決できないようなら資金提供を見合わせることを匂わせた。

ここまで違法な手段は一切使っていない。

原因はラングル側の隠ぺい質にあるのだから。

実は、今もこっそりと里穂の後をつけさせている。

ストーカー被害は一度では済まないことが多い。とてもこのまま一人で帰宅させることはできなかった。

もう、そろそろ次の段階に進んでもいい頃だろう。

あとは里穂に新しいプロジェクトに加わってもらえば、俺の復讐は完遂かんすいする。

完璧に立てた計畫に、多の狂いはあったが、概おおむね順調にここまできた。

あとしだ……。

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