《婚活アプリで出會う馴染との再會で赤い糸を見失いました~》新しいプロジェクト(4)

「里穂、午後にここへ俺の両親が來ることになってる。顔合わせをして、結婚の話をするから」

「あの……相手が私なんかで、ご両親が納得してくれるのかな……」

跡取り息子が、いきなり連れて來た子と結婚するなんて伝えたら、いったいどんな目で見られるか……。

もはや不安でしかない。

「実はし話をしてある。母親は里穂のことも、里穂のお母さんのことも覚えていたよ。見ず知らずの人じゃなくて、安心するって言ってた」

すかさず、桂木さんも話に加わった。

「うちの父も気取ったがキライだから。二人とも結構サバサバしてるのよ。だから、里穂ちゃんのこと気にると思うわ。私からも、ちゃんと伝えてあるから。

遙斗の長年のお相手だって」

「えっ? 長年って?」

「どっ、どうでもいいだろそんな話。晝は上にあるレストランで食べて、またここへ戻ろう」

話がはぐらかされたまま、レストランでランチを済ませた。

張が一向に解とけず、ランチの味も、素敵な景も、まるで頭にってこない。

そして、時間通りに遙斗のご両親がロビーに現れた。

白髪が似合う、ロマンスグレーな背の高い70代くらいの父親と、快活そうな整った顔立ちの60代くらいの母親。これが遙斗のご両親なんだ。

ドキドキしながら、自己紹介をする。

「相手が遙斗の馴染だなんて、意外な人でびっくりしたのよ。久しぶりね、里穂ちゃん。ご両親はお元気?」

「はい。二人とも元気です」

「遙斗が何か無理を言って、困らせたんじゃないのか?」

遙斗の父親が、私を気遣って尋ねてくれた。

そのセリフに、思わず遙斗からされた數々の復讐? が頭をよぎってしまった。

「遙斗さんには々なことを助けてもらって、とても謝してます」

顔が一気に熱くなり、恥ずかしさに一人俯うつむいた。

「父さん、里穂ちゃんは宣伝部で活躍してるのよ。アプリについても、しっかりと自分の意見持ってるし」

桂木さんが、まるで私を応援するように、詳しく紹介してくれた。

「ほう。もし良かったら、うちの仕事を手伝ってもらうのもいいな。どうだろう?」

その言葉に、遙斗が急に嚙みつく。

「親父、勝手にうなよ。彼はせっかく今の部署に戻ったばかりなんだ。これ以上忙しくされると、俺が困る」

「それは、里穂さんが決めることだろう。気が向いたら、ウチの會社に見學でも來なさい」

そう言って、父親は朗らかに笑った。穏やかそうなご両親で、安心する。和やかな雰囲気に、が緩み、すっかり気持ちが軽くなった。

1時間ほど歓談すると、桂木さんとご両親は一緒に帰っていった。私はぐったりした狀態で、ソファーに座り込む。

「今日は驚くことが一気に押し寄せて、これ以上心臓が持ちそうにないみたい」

「本番はこれからなんだが……」

遙斗はそう呟くと、カードキーを持ち上げ、こちらへにっこりと笑顔を向けた。

「明日の朝まで予約してあるから、今日はゆっくり休んで行こうか」

エレベーターで部屋まで辿り著くと、いきなりを奪われ、舌を絡まれてしまった。

「まっ……って、や……休むって……はるっ……っ」

聲を出そうとしても、遙斗の口に塞がれて、ほとんど喋らせてもらえない。

次第に力が抜けて足元がふらつき、いつの間にか背中にあるスーツのチャックを下ろされていた。

下著姿にされると、抱き上げられ、ベッドの上へと寢かされる。

「さっき俺に言ったセリフ、忘れてないよな。幸せにしてくれるんだろ?」

そう言うと自分も服をぎ、私に重なるように橫たわった。

遙斗の腕に抱かれながら、お互い幸せを求めあうように、一晩中甘く濃厚な一夜が過ぎていく。

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