《婚活アプリで出會う~馴染との再會で赤い糸を見失いました~》すれ違いと本當の心~二人のafterstory~(8)
「遙斗、どうしたの?」
急いで駆け寄り、を揺する。
「んっ……? あぁ、里穂」
いつになく呟くような聲で答える。顔は赤く、つらそうな表をしていた。
「いつからこんな狀態なの? 今日、仕事は?」
「仕事には行ったが、朝から怠くて。途中から早退した」
「どうして……どうして、そういう一番必要な時に連絡してくれないのっ! 私、遙斗の奧さんじゃないの 」
思わず力を込めて言葉を投げつけた。遙斗は力なく笑い、こちらを見上げた。
「しは俺のこと、心配してくれるのか?」
悲しくなって視界がぼやけてくる。何か伝えようとすると、目元から何かが零れ落ちそうな気がして、視線を上の方に逸らした。
「し?……そんなわけないよ。ずっとメッセージ待ってたんだから。今日だって、ずっと……」
遙斗がベッドの中から手を差し出した。私は座り込んで遙斗の手を握りしめる。やはり合が悪いのか、じわじわと手のひらから熱が伝わってくる。
「つらいでしょ? 何か冷やすもの持ってくる」
立ち上がろうとして、手を引っ張られた。
「待って、里穂に謝りたい……。雅から言われた。もっと大人になれって……。里穂のこともっと信用して理解してやれって。俺だって里穂に好きな仕事をやらせてやりたいが、どうしても獨り占めしたくなる。里穂の近くに他の男がいるかと思うと、落ち著かない。だから……」
遙斗の言葉を遮るように、合の悪い彼のに抱き付いた。
「殘念だな……元気だったら里穂をすぐに抱きしめてベッドへ押し倒すところなのに」
「何言ってるの。冷たい飲みでも持ってくるね。それとも何か食べる?」
「何も必要ないから、俺は里穂がしい」
いつものセリフを、遙斗がかすれた聲で呟いた。私はとっても嬉しくなって、ベッドに寢ている遙斗の顔に近付く。すぐに彼の腕が私を引き寄せた。ベッドの上で何度かキスをわすと、熱の下がらない遙斗のために解熱剤とイオン飲料を飲ませた。
いつも料理の腕で負けてしまっているから、今夜はちょっとだけ偉そうに遙斗のお世話ができる。
「私、ようやく遙斗の奧さんらしいことしている気がする」
おとなしく目を閉じて眠る遙斗の姿を見て、ちょっとだけ誇らしくなった。素直な遙斗へ軽くキスするつもりで顔を近づけてみる。
「きゃぁっ!」
すると勢いよく腕を取られ、也のに重なった。
「油斷して俺を襲うからだ。今夜中には治して、朝には里穂をベッドへうからな」
「もう~。病人らしく、黙って寢なさい!」
いつもの調子で話す遙斗にホッとして、しばらくベッドで見つめ合った。
そうして幸せをかみしめながら、夜が過ぎていく。
これからはもっとたくさんの話をして、お互いのことをわかり合おう。
そして、ずっと笑顔を見つめながら、一緒に歩んでいきたい。
きっと遙斗と一緒なら、今日よりも素敵な明日が待っているから。
(END)
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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