《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》6話 テンプレ勇者

6話。

勇者の名はハルス・レイアード・セファイルメトス。

世界最強の冒険者にして、

セファイル王國の第一王子。

この世界では、冒険者の地位が、とあるマンガのハンター以上に高く、

年に一回だけ行われる試験に合格出來るものは験者 數百萬人 に対して、ほんの數人。

冒険者というだけで爵位と領土が與えられ、

一般人立ち止エリアにり込めるようになり、

各種公共機関のほとんどが無料となる。

そんな冒険者の頂點に立つのがハルス。

間違いなくこの世界で最強の人間。

そんな彼は、一言で言えば、クズだった。

「くはははぁ! 大した事ねぇなぁ、魔王城もよぉおお!」

墮天使サリエリは、世界ランキング12位の最高位モンスター。

だが、ランク一位の勇者が相手では手も足も出ず、

「ぐっ……」

現在、地に伏しており、ハルスに顔を踏まれていた。

「これのどこが難攻不落の魔王城なんだよ! 俺、ここまで、ほとんど無傷だぜぇ! ちったぁ、まともな抵抗してくれよ、はっは!」

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高笑いしながら、ハルスはサリエリの頭を何度も何度も踏みつける。

途中で、サリエリの黒い翼を暴にむしりとり、

「てめぇ、墮天使のくせに、人間のガキを育てているらしいなぁ。戦爭孤児をこそぎさらって教育してるって聞いたぜ。そいつは、本當の話か?」

「それが……なんだ……」

「おいおい、マジの話だったのかよ。なんのためだ?」

「我が王に仕えさせるためだ……誰にでも……可能はあるのだ……命には……等しく可能が――」

「ねぇよ」

「がぁあ!」

バキっと背骨をヘシ折られて、サリエリは蟲の息になる。

「蟲けらは何をしても蟲けらだ。世界ってのは、俺のように、持つ者だけが自由に遊べる、無慈悲な箱庭。力を持たない蟲けらどもは、俺の養分になって死ぬだけの汚ぇ背景」

ハルスは、サリエリの髪を摑み上げ、

「俺を肯定しろ、墮天使。そして、自分を否定しな。自分自で、てめぇの存在価値を殺せ」

「これが……勇者か……世も末だな……」

「勇者なんざ、最強の冒険者につく、ただの稱號だ。看板に夢見てんじゃねぇよ、カスが。俺は強かった。だから、何をしても許される。それだけの話だ」

「我が王は……南大陸を……正しく統治されている……実務はラムドが……大半を行っているが、我が王が……象徴であるからこそ、この地は……れずに――ぐぅっ」

「それがダメなんだろうがぁ。モンスターってのは、ほんとにバカだよなぁ。世の中ってのは、れてなきゃいけねぇ。そうじゃねぇと、金は回らねぇし、俺も楽しめねぇ。ダメなんだよ、それじゃあ。だから、俺はここにいる。分かるか、クソボケ。俺は確かに、立場的には獨斷でここにカチ込みにきた狂人だ。てめぇらの王を潰した後は、北方の連合によって裁かれるだろう。だが、數日の幽閉ですむ。それはもう決まっているんだ。なぜか分かるか。それが世界の総意だからだよ」

「外道が……やはり、人間は醜い……我が王は……我が王は、それでも! 貴様らを許し、共に歩もうとしたのだぞ!」

「ああ、最初に聞いた時はヘドが出たぜ。人間も魔も等しく皆が手を取って笑える平和な世界を? 死んでろ、ボケ。俺を神的に殺す気か、このサイコテロリスト共め。てめぇらの王は、下手に力がある分、やっかいで仕方ねぇ。愚かしい事に、人間の中でも、てめぇらの意見に耳を傾けるバカもいやがる。ふざけた話だ」

ハルスは忌々しげに歯ぎしりをして、

「正面突破で堂々と、世界の悪を討ち滅ぼす英雄。別に憧れていた訳じゃないが、その稱號が生み出す利益はでかかった。本當なら、俺は、全てを持つ世界の王になるはずだった……アホの魔王が、訳のわからん寢言をほざいてなけりゃぁなぁ!」

ガシガシと何度も、何度も、何度も、サリエリの全の至る個所を足蹴にする。

「平和を勘違いするバカどもは俺が順次殺していく。魔王にすり寄った連中は俺が殘らず暗殺する。ウザ過ぎてヘドが出る平和至上主義のミルス王國とセア聖國の二國を潰せば、連合も掌握できる。世界はまた、楽しい戦國に戻る」

數年前まで、この世界は戦のまっただ中にいた。

しかし、魔王軍が、かつて世界最大にして最低の國だった『カル大帝國』を滅亡させた事で、世界は爭いから解放された。

「平和ってのは、次の戦爭までの準備期間。それ以下でもそれ以上でもねぇ。力ある者が、その力で他者から奪う。弱いヤツは奪われる。そうやって世界は回る。そうじゃなきゃ世界は回らねぇ。停滯し、腐り、ゆっくりと死んでいくだけだ。世界ってのはなぁ! 不幸の上にり立つ樓閣! それでいい! それがいい!」

「サリエリ様から離れろぉお!」

背後から響いたい聲。

ハルスが目線を向けると、

そこには、數百人のい子供が武を持って構えていた。

「おー、おー、マジでいたよ。噂の、世界中のあちこちから拉致られた戦爭孤児に奴隷……にしては、隨分とがいいな。かなりマシなもんを食わせてもらっているらしい。くく……マジで、墮天使様は、気高く、てめぇらをお育てあそばされているらしい。クソが。蟲酸がマラソンしてんぜ」

「その足をどけろぉお! サリエリ様に狼藉を働く者は、誰であろうと許さない!」

「その目、その覚悟……俺を勇者だと理解した上で立ち向かっているな。くく、やるじゃねぇか。笑えるぜ」

「さが……れ。ばかどもぉ……ここには來るなと……言っただろう……」

「サリエリ様、どうせ、この者は、魔王城にいる全ての者を殺すでしょう。隠れていても、同じ事です」

「いや、そんな面倒くせぇ事はしなかったと思うぜ。わざわざ、このムダにでかい城を隅から隅まで探って、幾帳面に汚の消毒とか、んーなの、俺のような尊い者がやるこっちゃねぇ。害蟲駆除は専門業者に任せるさ」

「貴様のどこが尊いのだ! 陛下が! サリエリ様が何をした! 害など何も及ぼしてはいない! それどころか、戦爭ばっかりしているバカな人間たちの間にって世界を治めてくださったんだぞ! 陛下たちは……魔力を持つ亜人というだけで、迫害され、枯れた地に追いやられて! しかし、そんな愚かしい貴様ら人間の全てを許し! その上! 手を……手を取り合おうとしたんだぞ!」

「それがダメだって話をしてんだよ。うぜぇなぁ。流石に、同じ口上は吐かねぇぜ。どんだけシャレたセリフであろうと、二回は聞いてられねぇ」

宣言すると同時、ハルスは右手を子供たちに向ける。

「ガキは心折れるのが早くてなぁ。甚振ってもつまんねぇんだわ。つぅわけで、はい、削除っと」

「やめ――」

「聖殺、ランク5」

サリエリのびも虛しく、

ハルスは、兇悪な威力を誇る『広域殲滅型の聖魔法』で子供たちを一人殘らず殺した。

あっさりとしたものだった。

「くく、魔王城でやりたかった事、その一。サリエリをいじめる。達っと。さて、次は、脳お花畑なアホ魔王の駆除だ。サクっと行くぜぇ」

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