《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第9話 〜同じ〜
あれから、サラン団長から解放されたのはもう夕方に近い時であった。
副団長さんが呼びに來たのだ。
どうやら、訓練が終わってからずっと団長さんを探していたらしい。
ご苦労なことだ。
サラン団長は文字通り引きずられるようにして仕事へ戻らされていった。
その時いつも以上にニコニコしていたのだが、サラン団長は被趣味であるのだろうか。
副団長さんも遠慮なく角にぶつけたりしている。
おっかないな。
いや、団長よりもおっかないか?
逆らわないようにしよう。
「君済まないね、うちの団長の悪癖がまた出たようだ」
「……いえ、俺の方も興味深い話を聞けましたので。また今度、騎士団室にお邪魔するかもしれませんが、よろしくお願いします」
去り際に副団長さんとした會話が脳裏に浮かぶ。
そう、サラン団長の話は、本を読めば分かるようなものだけではなかった。
初めの神話語と、その他の伝説なら容易に想像することが出來たのだが、割と難しい話もあった。
なので、話してくれる人がきちんとその説明をしてくれないと、ちんぷんかんぷんになってしまう。
ある意味サラン団長は一家に一臺しい。
その時に格などの機能をオフにできるととても助かるのだが。
「ええ、団長の書類整理のお仕事が終わったらですね。つまり、この時間あたりなら団長は空いていると思うので、どうぞお好きな時間にお越しください」
「分かりました。ありがとうございます」
「私のいないところで私の事が著々と決まっていく……」
遠くに目を向ける団長に、副団長さんも私も聞こえないふりをして、それぞれの自室へと向かった。
サラン団長はこういう扱いでいいらしい。
よく理解出來た。
夕食も摂る気になれず、食堂にも向かわずに俺は自室のベッドに寢転んだ。
団長さんの話が耳からこびり付いて離れない。
『ここ數十年の間、魔族は私たちの共通の敵でした。私たちというのはもちろん、魔族以外の人族、獣人族、エルフ族ですね。彼らは何もしていない魔族を、魔をれるということだけで迫害し、大陸の隅に追いやった』
嫌がらせにしては軽すぎる。
俺だったら、神を折るまでしっかりと確認しつつ嫌がらしをするから、魔族をヴォルケーノに送った人きっととても甘い人なのだろう。
魔をれるだけで迫害か。
糞悪いな。
シミ一つない天井を見上げる。
「それにしても、サラン団長の頭の中はどうなっているんだ?」
とても、人間とは思えないような記憶力の持ち主だ。
たぶん、一言一句全て覚えているのではないだろうか。
話なれていると言うより、全て覚えているとでも言うような仕草だった。
とても同じ人間だとは思えない。
こんな事言っていたと知ったら拗ねそうだが。
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