《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第11話 〜空回り勇者〜

俺は、織田晶が気に食わない。

晶とは稚園の頃から、どういう訳かずっと同じで、クラスまでもが常に同じだった。

もうこれは腐れ縁なんかじゃなくて、一種の呪いではないかと思ったりもした。

高校こそはと、地元の學生がけないようなかなりレベルの高い學校をけたのに、何故かいるし、また同じクラスだった。

だが、あっちの方は全然覚えておらず、中學一年の時に普通に話しかけたら、

『初めまして、俺は織田晶。お前の名前は?』

俺と晶は約十年間同じ空間に居たんだぞ?

その間に何度だってすれ違っていたし、席が隣になった時もあったんだ。

自慢ではないが、俺はそこそこ整った顔をしているため、晶よりは目立っていたようにも思う。

それを、あいつは綺麗に覚えてなかった。

俺が織田晶を嫌う理由、それは、いつも飄々としていて、常に人を馬鹿にしているからだ。そして、興味のないことは綺麗に忘れている、その脳までもが気にらない。

モルガンに來て、俺が勇者となってもそうだった。

気配を消すのが得意な晶は暗殺者になったらしく、たまに消えてはふらっとどこかへ行ってしまう。

知らない場所では団が基本だとなぜ分からない!?

なぜ、俺を見ない?

俺は勇者だ。

一人の人間如きにかまけている暇なんかない。

だが、晶のことを考えるとフツフツと怒りが湧き上がってきて、とても冷靜ではいられない。

俺は勇者なのだから、語の中の英雄のように、常に冷靜でいなければいけないのに。

勇者として、皆の士気を高めようと発破をかけても、晶はノらず、それどころか馬鹿にしたように、呆れたようにこちらを見ていた。

それに、訓練を勝手に抜けたことを怒ろうと思っていても、誰もあいつの部屋を知らない。

巫山戯るなとびたい。

力を合わせなければ、魔王は倒せないんだぞ。

クラスの協調を欠くようなやつはクラスに置いておけない。

どうせあいつは常に孤獨だ。

あいつの味方になる奴なんていない。

そう思っていたのに、

「アキラ君、調子はどうですか?」

「ぼちぼちだな。俺だけ練習メニューが鬼畜すぎるけど」

「あはは。でも、ちゃんとこなせてるじゃないですか。ジール君でも音を上げるメニューなのに」

「まあ、は鍛えてたからな」

いつの間にか騎士団長と仲良くなっていた。

それに、以前より気配を隠すのが上手くなっているのもじる。

勇者の俺でさえステータスがび悩んでいるというのに、あいつはどこか知らない場所で著々と実力をばしている。

勇者の俺よりも強いとは思えないが、暗殺者が勇者の領域に手をかけるなど言語道斷。

今度の迷宮攻略で晶と騎士団長を驚かせるくらい強くなってやる。

勇者である俺とお前とではそもそも格が違うことを思い知らせてやる。

「待っていろよ、あーきーらーー!!」

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